コールセンターで使う正しい敬語とは?通話時のテクニックや言葉遣いを紹介

2023/10/17

コールセンターでお客様と話す業務は顔やしぐさが見えない分、正しい言葉遣いが求められます。 

電話対応時の応対品質や言葉遣いは、企業自体のブランドイメージにもつながるため重要なポジションです。 

今回は、コールセンターでの正しい敬語の使い方や言葉遣い、使用してはいけない言葉などの業務に役立つ知識を紹介します。 

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コールセンターでお客様と話す業務は顔やしぐさが見えない分、正しい言葉遣いが求められます。

派遣会社ウィルオブ・ワーク(通称:ウィルオブ)では、入社前の充実した研修制度だけでなく、入社した後にもしっかりしたサポートを行っているので働きながら基本的な敬語を身につけることができます。気になった方はお気軽にご相談ください。

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敬語の種類 

コールセンターでお客様とお話しする際に必要なことは基本的な敬語を身につけることです。 

敬語には「丁寧語」「尊敬語」「謙譲語」の3種類があります。 

3つの敬語についてくわしく見ていきましょう。 

丁寧語 

丁寧語は語尾に「です」「ます」「ございます」をつけて、相手に敬意を表するときに使います。 

たとえば、「食べる」を丁寧語にすると「食べます」になります。  

【丁寧語の例】 

  • 動詞に「です」「ます」をつける:「言います」「行きます」「見ます」など 
  • 頭に「お」「ご」と名詞をつける:「お電話」「ご連絡」など

尊敬語  

尊敬語は目上の人を敬い、相手を立てたいときに使います。 

たとえば「食べる」を尊敬語にすると「召し上がる」になります。 

【尊敬語の例】 

  • 動詞に「れる」「られる」をつける:「言われる」「思われる」
  • 頭に「お」「ご」と動詞をつける:「お聞きになる」「お調べになる」
  • 変化が特殊な例:「いらっしゃる」「おっしゃる」

謙譲語 

謙譲語は自分の立場を下げて、相手を立てたいときに使います。 

たとえば「食べる」を謙譲語にすると「いただく」になります。

【謙譲語の例】 

  • 頭に「お」「ご」をつけ、さらに動詞に「する」をつける:「お伺いする」「お調べする」 
  • 変化が特殊な例:「申し上げる」「参る」

3つの敬語の違いを以下の表にまとめました。 

敬語の種類 対象 違い
丁寧語 聞き手 聞き手に対して丁寧に述べることで言葉を上品にする
尊敬語 動作をする人 目上の人を敬うことで相手を立てて敬意を表す
謙譲語 動作を受ける人 自分の立場を下げることで相手を立てる

コールセンターで使用する言葉遣い 

敬語ではないですが、普段使用している言葉も、コールセンターで使用する際にふさわしい言い方があります。 

よく使うものを以下に紹介します。

 

私  わたくし 
私たち  わたくしども 
私の会社  弊社・当社・わたくしども 
相手の会社  御社・貴社 
さっき  先ほど 
どうですか?  いかがでしょうか?
さようなら  失礼いたします

また、受電時と架電時で使われる敬語にはそれぞれ違いがあります。 

受電時は会社の代表として丁寧な対応をするため、比較的尊敬語を使うことが多いです。 

架電時はお客様との距離を縮めるために、ややフランクな丁寧語を使うこともあります。 

自社のマニュアルがある場合は、それを確認し応対してください。 

クッション言葉 

お客様に何かをお願いするときやお断りするときなどにそれをストレートに伝えると、印象がきつくなってしまうことがあります。 

この印象を緩和するために使われるのが「クッション言葉」です。

雑といった失礼な印象が軽減できて相手への配慮を示せるので、こちら側の都合や意見を伝える際は使用しましょう。 

下記に一例を紹介します。 

お願いをする  恐れ入りますが・お手数をおかけしますが 
お断りする  せっかくですが・申し訳ありませんが・申し上げにくいことではございますが 
たずねる  失礼ですが・差し支えなければ 
提案する  もしよろしければ・差し支えなければ 
おわびする  恐れ入りますが・申し訳ございませんが 
理解を示す  重々承知をしておりますが・おっしゃるとおりではございますが 
反論する  出来すぎたことを申しますが・差し出がましいようですが

イエス・バット話法とイエス・アンド話法 

イエス・バット話法は、相手の意見を肯定(イエス)した後に逆説(バット)で自分の意見を伝える話法です。 

自分が相手と異なる意見を伝えたいときに使うテクニックのことを言います。 

お客様との会話では、相手の意見をいきなり否定すると相手に悪印象を与えます。 

まず相手に同意してから自分の意見を伝えることで会話をスムーズにし、否定的な意見でも聞き入れてもらいやすくなります。 

例:○○なのですね、しかし□□はいかがでしょうか? 

イエス・アンド話法は、相手の意見を肯定(イエス)した後に、順接(アンド)で自分の言い分を付け加える話法です。 

相手の意見を受け入れた後で、さらに建設的な提案をするときに使います。 

例:○○なのですね、だから△△はいかがでしょうか? 

電話の流れに沿った言葉遣い 

ここでは、電話の応答時から終話時までの一連の流れで使用する言葉遣いを紹介します。 

受電・架電時 

電話を受けるとき(受電時)、かけるとき(架電時)の言葉遣いを以下に紹介します。

しっかり習得し、お客様と良質なコミュニケーションをはかるようにしましょう。 

【電話を受けるとき】 

  • お電話ありがとうございます。(社名+名前)でございます。 
  • 大変お待たせいたしました。(3コール以上お待たせしてしまった際など) 

【電話をかけるとき】 

  • お世話になっております。〇〇(社名+名前)でございます。 

電話対応中の言いまわし 

電話対応中は、お客様の要望や意見を柔軟に応対しながら話します。 

言葉遣いにばかり集中することは難しいので、業務に取り組むなかで慣れていきましょう。 

【了承するとき】 

  • かしこまりました。
  • 承知いたしました。

【たずねるとき】 

  • 〇〇をご存じでしょうか? 

【謝罪するとき】 

  • 申し訳ございません。
  • 大変失礼いたしました。 
  • お手数おかけいたしました。 

【訂正するとき】 

  • 失礼いたしました。 

【同意するとき】 

  • おっしゃるとおりです。 

【聞き取りにくいとき】 

  • 少々お電話が遠いようですが

【要件をうかがうとき】 

  • どのようなご用件でしょうか? 

終話時 

おおむね会話のやり取りが終わるころに使用する言葉遣いを紹介します。 

【話した内容を確認するとき】 

  • 〇〇(名前)が承りました。 

【不明点を確認するとき】 

  • 他に不明点はございませんか? 

【感謝をするとき】 

  • ありがとうございます。 

【おわびを伝えた電話の場合】 

  • この度はご迷惑をおかけし申し訳ございませんでした。 

【電話を切るとき】 

  • 失礼いたします。 
  • 今後ともよろしくお願い致します。 

電話を切るまで言葉遣いを意識し、お客様の気分を損ねず好印象を与えられるよう心がけることが大切です。 

そうすることで、お客様からのリピートも期待できるため、ぜひマスターしましょう。 

コールセンターで避けるべき言葉遣い 

普段耳にする言葉でも、お客様に対して使用をするのは避けるべき言葉遣いがあります。 

よくあるケースであげられるのが、自社のことや自分の行動について「お」や「ご」をつけることです。 

【使用例】 

  • こちらから「ご」連絡いたします。 
  • 「ご」確認しますので少々お待ちください。 

敬意を払う対象はお客様なので、尊敬語は使わないようにしましょう。 

二重敬語 

二重敬語とは、1つの語について、敬語を二重に使うことをいいます。 

丁寧に対応をと心がけて話そうと思うあまり、敬語を重ねて話すと二重敬語になります。 

あまりにも丁寧すぎるとかえって見下されているという印象を与えてしまいますので、気を付けましょう。 

よく使いがちな二重敬語の例を以下に紹介します。 

誤  正 
お尋ねさせていただいてもよろしいでしょうか?  お尋ねしてもよろしいでしょうか。
ご確認させていただきましたところ  確認いたしましたところ
お帰りになられました  お帰りになりました
拝見させていただきます  拝見いたします
承らせていただきます  承ります

社内用語・専門用語 

社内用語とは、企業で独自に使用をしている言葉を指します。

また、専門用語は業界内でしか通じない言葉のため、よく理解していないと相手に伝わらないことがあります。

お客様や社外の人が理解できない言葉を使うと伝えたいことも伝わらないため、使用を避けましょう。 

ファミレス・コンビニ敬語など誤った敬語の使い方 

ファミレスやコンビニなどで耳にする誤った言葉について紹介します。 

「よろしかったでしょうか」をよく耳にしますが、正しくは「よろしいでしょうか」です。 

過去形で聞くのは間違いで、現在形で言います。 

また、相手の名前を聞くときに「お名前をちょうだいできますでしょうか」は間違いです。 

なぜなら名前をもらうことはできないからです。 

正しくは「お名前をお聞かせいただけますでしょうか」や「お名前をお伺いできますでしょうか」と言います。 

通話中に「もしもし?」は使わない 

通話中にお客様の声が聞こえない、聞き返したい時は「もしもし?」とは聞き返さず、「お客様?」と言い確認しましょう。

「少々お電話が遠いようですが、もう一度お聞かせいただけますか?」と言い、声が聞き取りにくかった旨を伝えます。 

相手が不快に感じる言葉 

聞いていてお客様が不快に感じる言葉を以下に紹介します。 

【一応】 

「嫌々やっている?」という印象や適当な印象を与えてしまいます。

「確認のため」や「念のため」に言い換えましょう。 

【絶対に】  

断言することは避け、事実のみを伝えましょう。 

断言することによってお客様に迷惑がかかる場合があり、思いもしないクレームに発展することがあります。 

【お電話をお回しします】 

「たらい回し」を連想させる言葉です。 

お電話を「おつなぎします」に言い換えましょう。 

【お世話さまです】 

「お世話になっております」が簡略化された言葉です。 

お客様にとってないがしろに扱われた印象を与えてしまうので避けましょう。 

【~するかたち】 

断言するよりもやんわりした印象に聞こえますが、誤りなので使用しません。 

「~するということ」に言い換えましょう。 

【~のほうへ】 

上記と同様に断言するよりもやんわりした印象になると思われています。 

双方を比べる際に使用するので、一つのものに対して使うのは誤りです。 

【お暇なとき】 

お客様に対して「暇」という言葉を使用しては、時間を持て余しているという印象を与えます。 

「お」をつけているので丁寧な言い方に聞こえますが、避けましょう。 

「お時間のあるとき」「お手すきの際」「ご都合の良いとき」に言い換えましょう。 

【よろしいですね?】 

高圧的かつ威圧的な印象を与えるので避けましょう。 

確認をする際は「よろしいでしょうか?」に言い換えます。 

【ご存じないようでしたら】 

丁寧な言い方に聞こえますが、知っていて当然のことに捉えられます。 

「よろしければ」や「もしよろしければ」に言い換えましょう。 

【どのようなご用件ですか?】 

お客様に急かしていることを与える威圧的な言葉です。 

「恐れ入りますが、ご用件をお伺いしてもよろしいでしょうか?」や「先にご用件をお伺いできますか?」に言い換えましょう。  

【後日ご連絡いたします】 

「後日」では明確な期限が分からないためお客様に不安を与えます。 

「本日中に折り返し連絡いたします」や「3営業日以内に担当者から回答いたします」のように期限を設け伝えましょう。 

サービス向上につながるコツ 

コールセンターではお客様の顔が見えない分、正しい言葉遣いを心がけることが重要です。 

適切な言葉遣いをすることで、お客様へのサービスを向上していきましょう。 

そうすることで自社の応対品質サービスも向上し、顧客満足度向上にもつながります

好印象を与える話し方を心掛ける 

お客様と対面で話すことがなく表情やしぐさが見えないので、良い印象を与えることが大切です。 

その中でも、コールセンターでは声のトーンが重要になります。 

声のトーンを工夫をすることで、お客様に好印象を与えることができます。  お客様に好印象を持っていただくために心がけることを以下に紹介します。

  • 口角を上げ、笑顔で 
  • 姿勢を正して 
  • 普段より1トーン高めの声を 
  • 強弱・抑揚をつけて 
  • ゆっくりと落ちついて 

相手を不快にさせる話し方をしない 

企業への印象を悪くしてしまうこともあるため、通話中にお客様を不快にさせてはいけません。 

気を付けるべき不快にさせない話し方を以下に紹介します。 

  • 相手の話をさえぎる 
  • 語尾を伸ばす 
  • 馴れ馴れしく話す
  • 早口で話す 
  • 「えー」「あー」を使わない 

特に自分が早口になっていることに気づくのは難しいので、自分の目に付くところに「ゆっくり」などと書いた付箋を張り付けておくと効果的です。 

お客様が何を求めているかを考える 

お客様が何を求めているのか、次のことに意識しましょう。 

  • お客様が最初に言ったことを正確に聞き取る
  • お客様が求めていることは何かを正確に聞き込み把握する
  • 求めているゴールがわからないときは「それはこのようなことでしょうか?」のようにこちらから具体的に質問して、問い合わせ内容を整理していく

トラブルに対応する 

クレーム対応などのトラブル時では、以下に注意します。 

  • お客様の心情を理解し、おわびする
  • その事象が発生した原因、事実確認を行う
  • その事象に対する代替え案、解決策を提示する
  • おわびと感謝の言葉を伝える 
  • 客観的な視点で対応する

クレームを受けた場合は、注意点を思い出して冷静に、お客様に寄り添った対応をすることが重要です。 

よくある質問

ここではコールセンターで働く上でよくある質問を紹介しますので、確認してみてください。

コールセンターで避けるべき言葉遣いはありますか?

社内用語や専門用語などお客様にとって理解がむずかしい言葉の使用は避けましょう。

コンビニやファミレスなどで耳にする「よろしかったでしょうか?」と質問なのに過去形になる言い回しはしません。

この場合は「よろしいでしょうか?」が正しい言葉遣いです。

その他、相手に雑な印象を与える言葉は避けましょう。

こちら「コールセンターで避けるべき言葉遣い」で紹介しておりますので、そちらもあわせてご参照ください。

社内用語や専門用語などお客様にとって理解がむずかしい言葉の使用は避けましょう。

電話応対向上のコツはありますか?

敬語を適切に使うこと、お客様に共感しならが話を聞くこと、ゆっくりと話すことがポイントです。

また、お客様のスピードに合わせて話したり、ゆっくりと聞き取りやすい言葉で話すことも大切です。

なるべくお客様から「もう一度繰り返してほしい」と質問を受けないように心がけましょう。

こちら「サービス向上につながるコツ 」でくわしく解説していますので、参考にしてみてください。

まとめ 

コールセンターで使用する言葉遣いについていろいろと紹介しました。 

正しい言葉遣いや敬語を使うことはコールセンターで必須のマナーです。 

言葉遣い一つでその契約を結ぶことができたり、契約手前だったけれども破談になったりもありえます。 

お客様と「言葉」でコミュケーションをとっていく業務ですので、言葉遣いには細心の注意を払いましょう。 

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