無期雇用派遣とは?仕組み・正社員との違い・メリット・注意点を解説

2026/05/20

「正社員って書いてあるのに派遣?」
「無期雇用派遣って、本当に安定して働けるの?」

無期雇用派遣とは、派遣会社と期間の定めのない雇用契約を結びながら働く仕組みです。
登録型派遣と比べると、雇用や収入が安定しやすい働き方として注目されています。

一方で、
「希望と違う配属になることがある」
「年収アップは緩やか」
など、事前に知っておきたい注意点もあります。

この記事では、無期雇用派遣の仕組みや正社員・登録型派遣との違いに加えて、メリット・デメリット、向いている人の特徴までわかりやすく解説します。

「自分に合う働き方なのか」を整理しながら見ていきましょう。

無期雇用派遣とは?“派遣なのに安定して働ける”と言われる理由

無期雇用派遣の仕組みについて解説している

無期雇用派遣とは、派遣会社と期間の定めのない雇用契約を結び、派遣先企業で働く「常用型派遣」と呼ばれる働き方です。

登録型派遣と比べると、契約終了ごとに雇用が切れにくく、収入が安定しやすい点が特徴です。
そのため、「安定して長く働きたい」「未経験からオフィスワークに挑戦したい」という方から注目されています。

また、派遣先での就業が終了しても雇用契約は継続し、次の仕事が決まるまでの待機期間中も給与(休業手当)が支払われるケースがあります。

一方で、配属先や仕事内容は派遣会社の状況によって決まることもあり、希望と異なる職場になるケースもあります。
安定性がある反面、働き方には特徴があるため、事前に仕組みを理解しておくことが大切です。

無期雇用派遣と無期転換ルールの違い

無期雇用派遣と似た言葉に「無期転換ルール」がありますが、仕組みは異なります。

無期雇用派遣:最初から派遣会社と無期雇用契約を結ぶ働き方
無期転換ルール:同一企業で通算5年以上の有期雇用後に、本人の申込みにより無期雇用へ切り替えられる制度

無期雇用派遣は「働き方の種類」であるのに対し、無期転換ルールは「制度」です。

名前が似ているため混同されやすいですが、仕組みは異なるため違いを理解しておきましょう。

無期雇用派遣と正社員・登録型派遣の違い

無期雇用派遣と登録型派遣、正社員の違いはさまざまありますが、特に重要なのは「雇用の安定性」と「働き方の自由度」です。
それぞれの特徴を理解することで、自分に合った働き方を選びやすくなります。

無期雇用派遣と登録型派遣、正社員の主な違いをまとめました。

項目

無期雇用派遣 登録型派遣(有期雇用) 正社員
雇用契約 無期(期間の定めなし)

有期(派遣期間ごとの契約)

無期(期間の定めなし)
雇用先 派遣会社 派遣会社 就業先企業
指揮命令 派遣先企業 派遣先企業 就業先企業
給与 月給制が多い(待機中も手当あり) 時給制(派遣期間のみ給与支給) 月給制
ボーナス 支給される場合あり(正社員より少ない傾向/支給されない場合もある) ほぼなし 支給される場合が多い
自由度 中(ある程度選べる) 高い(働き方を選びやすい) 低い
安定性 高い(雇用・収入ともに安定) 低い(契約終了で収入停止) 高い
年収アップ 緩やか 上がりにくい 定期的に上がる可能性がある
異動 あり(同一エリア内が中心) 基本なし あり(全国転勤の可能性あり)
向いている人 安定重視 柔軟に働きたい人 キャリア志向
採用の流れ 採用選考を経て入社 派遣登録後に仕事紹介 採用選考を経て入社

無期雇用派遣は、
・「安定して働きたい」
・「未経験から事務職に挑戦したい」
・「いきなり正社員転職は不安」
という人に選ばれやすい働き方です。

一方で、
・年収アップを重視したい
・働く場所を自由に選びたい
という場合は、正社員や登録型派遣の方が合うケースもあります。

登録型派遣との違い
登録型派遣は、派遣先で働いている期間だけ雇用契約が発生します。

一方、無期雇用派遣は、派遣先での就業が終了しても派遣会社との雇用契約が継続する点が特徴です。
待機期間中も休業手当が支払われるケースがあり、収入が途切れにくいメリットがあります。

ただし、次の配属先は派遣会社主導で決まることも多く、勤務地や仕事内容を細かく選べない場合もあります。

正社員との違い
正社員は、就業先企業と直接雇用契約を結び、自社の上司から指示を受けて働きます。

一方、無期雇用派遣は、派遣会社と雇用契約を結びながら、実際の業務指示は派遣先企業から受ける働き方です。

「派遣会社の正社員」という位置づけですが、一般的な正社員とは働き方やキャリア形成が異なる部分もあります。

また、配属先が変わる可能性があるため、「同じ会社で長く働きたい」という人はギャップを感じることもあるでしょう。

▼どれを選ぶべき?簡単な判断基準

・安定して働きたい → 無期雇用派遣 or 正社員
・年収やキャリアアップ重視 → 正社員
・自由に働きたい → 登録型派遣

無期雇用派遣が向いている人

・未経験から事務職へ転職したい
・接客/販売職から働き方を変えたい
・安定した収入を得たい
・いきなり正社員転職は不安
・働きながらスキルを身につけたい

▼無期雇用派遣が向いていない人

・短期間で年収を大きく上げたい
・勤務地や仕事内容を細かく指定したい
・同じ会社で長く働き続けたい

参考:厚生労働省:・どんな働き方があるの? ・無期雇用と有期雇用の違いは?

無期雇用派遣のメリットとデメリット

無期雇用派遣は、「安定して働きたい人」と「柔軟に働きたい人」の中間にあるような働き方です。

登録型派遣より安定しやすい一方で、正社員とは異なる特徴もあります。
後悔しないためには、メリットだけでなく注意点も理解したうえで、自分に合う働き方かを確認することが大切です。

メリット

無期雇用派遣は、安定性と働きやすさを両立しやすい点が特徴です。
特に、「未経験からオフィスワークへ転職したい」「収入を安定させたい」という人に選ばれています。

雇用と収入が安定しやすい

無期雇用派遣は、派遣会社と期間の定めのない契約を結ぶため、派遣先での就業が終了しても雇用関係は継続します。

登録型派遣のように契約ごとに雇用が途切れる働き方と異なり、長期的に働き続けられる前提があるため、キャリアを積みやすい点も特徴です。
また、収入面でも大きな変動が起こりにくく、生活を安定させやすい点は安心材料といえるでしょう。

待機期間でも給与が発生する

派遣先が決まっていない待機期間でも、休業手当(平均賃金の6割以上)が支払われます。

登録型派遣では「契約終了=収入ゼロ」になるケースもありますが、無期雇用派遣では収入が途切れにくいため、生活面での不安を抑えやすい点がメリットです。
特に「次の仕事がすぐ見つかるか不安」という方にとって、大きな安心感につながります。

未経験から挑戦しやすい

派遣会社によっては、ビジネスマナーやPCスキルなどの研修制度が用意されている場合があります。

そのため、接客・販売職から事務職へ転職したい人や、オフィスワーク未経験の人、PCスキルに不安がある人でも挑戦しやすい点が特徴です。

実際に、事務やコールセンターなど未経験OKの求人も多く、働きながら経験を積みやすい環境があります。

職場が合わない場合は相談しやすい

実際に働いてみて「仕事内容が合わない」「人間関係が合わない」と感じた場合でも、派遣会社に相談することで別の職場へ変更できる可能性があります。

正社員のように「環境を変える=転職」にならないため、自分に合う職場を探しやすい働き方です。
働きながら環境を調整できる点は、無期雇用派遣ならではのメリットといえます。

さまざまな職場で経験を積める

配属先が変わることもあるため、複数の企業や業界で経験を積むことができます。

事務やコールセンターなどの職種では、対応力やコミュニケーション力が身につきやすく、キャリアの幅を広げることにもつながります。
「1社に縛られず経験を積みたい人」にとっては、大きなメリットです。

実際に、事務やコールセンターなど未経験からスタートできる職種も多く、安定しながら経験を積める点も特徴です。

デメリット

一方で、無期雇用派遣には注意したい点もあります。

特に、「正社員と同じ感覚」で入社するとギャップを感じるケースもあるため、事前に特徴を理解しておくことが重要です。

希望通りの職場・仕事内容にならないことがある

配属先は、企業側の受け入れ状況や空きポジションをもとに決まるため、必ずしも希望通りになるとは限りません。
また、派遣会社の状況によって決まる側面もあるため、勤務地や仕事内容を細かく指定できない場合もあります。

実際には、
「まずはコールセンター配属からスタートし、その後事務職へキャリアチェンジした」
というケースもあります。

一方で、
「事務希望だったが希望と異なる業務だった」
というミスマッチが起こることもあるため、配属実績や仕事内容は事前確認が重要です。

派遣先が変わる可能性がある

企業側の状況によっては、一定期間ごとに配属先が変更されることがあります。

同じ職場で長く働けるケースもありますが、「環境を固定したい人」にとってはデメリットに感じることもあるでしょう。
一方で、さまざまな職場を経験できる点をメリットと捉えることもできます。

年収アップのスピードは緩やか

無期雇用派遣は月給制で安定していますが、昇給の幅は比較的小さい傾向があります。

正社員のように昇格によって大きく年収が上がるケースは少なく、「短期間で収入を大きく伸ばしたい人」には向いていない可能性があります。
収入よりも「安定」を重視する人向けの働き方といえるでしょう。

▼無期雇用派遣で後悔するケース

・希望と異なる職種に配属された
・思っていたより給与が上がらない
・同じ職場で働き続けられなかった
・“正社員”のイメージと違った

特に、「派遣会社の正社員」という働き方を理解せずに入社すると、ギャップを感じやすくなります。

後悔を防ぐためには、仕事内容や配属ルール、勤務地、キャリア制度などを事前に確認しておくことが大切です。

無期雇用派遣で働く方法

無期雇用派遣として働く方法は、大きく2つあります。

・最初から無期雇用で採用される(直接応募)
・有期雇用から無期雇用へ転換する(無期転換)

これから無期雇用派遣を検討している方は「直接応募」、すでに派遣社員として働いている方は「無期転換」が主な選択肢となります。

派遣会社の「無期雇用枠」に直接応募する

無期雇用派遣として働きたい場合は、派遣会社の「無期雇用求人」へ直接応募する方法があります。

選考を通過すると、入社時点から派遣会社と無期雇用契約を結ぶため、安定した雇用で働ける点が特徴です。

特に、

・未経験から事務職へ転職したい
・オフィスワークへキャリアチェンジしたい
・安定した働き方に変えたい

という人に選ばれています。

また、研修制度を用意している派遣会社も多く、PCスキルやビジネスマナーを学びながら働けるケースもあります。

直接応募で注意したいポイント

無期雇用派遣は「どの会社に入るか」が先に決まり、その後に配属先が決まる働き方です。

そのため、配属先や業務内容は入社後に決まることもあり、希望勤務地や職種が必ずしも通るとは限りません。
また、配属状況によって仕事内容が変わるケースもあります。

例えば、

「事務希望だったがコールセンター配属だった」
「想定より通勤時間が長かった」

というケースもあるため、事前に確認しておくことが大切です。

「仕事内容を細かく指定したい人」よりも、

・安定した雇用を重視したい
・未経験から経験を積みたい
・働きながらキャリアを考えたい

という人に向いている働き方といえるでしょう。

登録型派遣から無期雇用に切り替える

すでに派遣社員として働いている場合は、無期雇用へ転換する方法もあります。

2013年の労働契約法改正により、同じ会社で有期雇用契約が通算5年を超えた場合、本人の申し込みによって無期雇用へ転換できるようになりました。

これを「無期転換ルール」と呼びます。

登録型派遣で働き続けている人の中には、

・契約終了への不安
・収入面の不安
・将来的な働き方への不安

から、無期雇用への切り替えを検討するケースもあります。

無期転換で注意したいポイント

無期転換後も、働き方が完全に変わるわけではありません。

派遣会社によっては、

・社内選考がある
・配属先が変更になる
・業務内容が変わる

ケースもあります。

また、「無期=ずっと同じ職場で働ける」というわけではないため、事前に条件を確認しておくことが重要です。

特に、配属ルールや勤務地、キャリア制度、給与体系などは、派遣会社によって異なる場合があります。
「どのエリアで働く可能性があるのか」「異動はあるのか」「昇給制度はあるのか」などを事前に確認しておくことで、入社後のミスマッチを防ぎやすくなります。

▼どちらを選ぶべき?

これから無期雇用派遣を目指す → 直接応募
すでに派遣社員として働いている → 無期転換

未経験からスタートする場合は、

・研修制度
・配属実績
・サポート体制

がある派遣会社を選ぶことで、未経験でも働き始めやすくなります。

まとめ

無期雇用派遣は、安定して働きたい人に向いている働き方です。

登録型派遣より雇用や収入が安定しやすく、未経験から事務職やオフィスワークへ挑戦しやすい点も特徴です。

一方で、

・希望通りの配属にならないことがある
・配属先が変わる可能性がある
・年収アップは緩やか

といった注意点もあります。

そのため、「安定・自由度・収入」のうち、自分が何を重視したいかを整理したうえで選ぶことが大切です。

「自分に合う働き方かわからない」という場合は、まずは求人を見ながら、仕事内容や働き方、勤務地、給与条件などを比較してみるのがおすすめです。

実際に求人を見ることで、無期雇用派遣の働き方を具体的にイメージしやすくなります。

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無期雇用派遣でよくある質問

無期雇用派遣について、よくある質問をまとめました。働き方を検討する際の参考にしてください。

無期雇用派遣と正社員の違いは?

どちらも雇用期間に定めはありませんが、雇用契約と指揮命令の関係が異なります。
正社員は就業先企業と直接雇用契約を結び、自社の上司から指示を受けます。
一方、無期雇用派遣は派遣会社と雇用契約を結び、業務上の指示は派遣先企業から受けます。

無期雇用派遣はやめとけと言われる理由は?

希望と異なる配属になるケースや、年収アップが緩やかな点から「やめとけ」と言われることがあります。

一方で、
「安定して働きたい」
「未経験から事務職へ転職したい」
という人には向いているケースもあります。

仕事内容や配属ルールを事前に確認しておくことが大切です。

無期雇用派遣に向いている人はどんな人ですか?

安定して長く働きたい人や、複数の職場で経験を積みながらキャリアの幅を広げたい人に向いています。

また、正社員ほどの責任は負いたくないものの、安定した収入を得たい方にも適した働き方です。
派遣先の変更を通じて柔軟に働きたい方にも向いています。

無期雇用派遣でもクビになることはありますか?

無期雇用派遣でも、勤務態度や会社都合などによって退職になる可能性はあります。

ただし、登録型派遣と比べると契約終了だけで雇用が終わりにくく、雇用が安定しやすい点が特徴です。

無期雇用派遣でもボーナスはありますか?

派遣会社によって異なります。

賞与制度がある会社もありますが、正社員より少ないケースや、支給がないケースもあります。
事前に給与制度を確認しておくことが重要です。

Writer編集者情報

  • コネワク編集部

    WILLOF(ウィルオブ) コネワク編集部です。
    当メディアは、コンタクトセンターやオフィスワークで「自分に合った働き方を見つけたい」「スキルを活かしてキャリアアップしたい」と考える方を応援する情報サイトです。
    編集部は、コンタクトセンター・オフィスワーク業界に15年以上携わってきたメンバー2名で構成されています。カスタマーサポート現場での勤務経験や、求職者を支援してきたキャリアアドバイザーとしての実績をもとに、リアルで信頼できる情報をお届けします。

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