コールセンターSVの仕事内容を紹介!求められるスキルや条件も解説
2023/10/17
- コールセンター
- 仕事内容
コールセンターのオペレーターを取りまとめ、センター全体の効率化や目標達成を目指す監督役を務めるのが「スーパーバイザー」(Supervisor)で、略称は「SV」です。
現場管理をしながら人材教育や指導、クライアントとの打ち合わせや目標設定など、受け持つ仕事は多いです。
コールセンターに欠かせない司令塔の役割をもつSVが具体的にどんな仕事を担当しているのか、またどんなスキルを持っているのか紹介します。
コールセンターは未経験の方におすすめの仕事です
ここ近年、接客業やほかの職種から未経験でコールセンターへ転職を検討される方が多くいます。また、やりたいこととの両立やプライベートの充実も叶えながら働けるコールセンターの仕事は非常におすすめです。
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コールセンターSVの仕事内容
コールセンターのオペレーター管理は、SVのなかでもっともわかりやすい仕事です。
オペレーターのシフト管理や問題解決、悩みを聞いて労働環境の改善にも務め、担当するチームからセンター全体の成績までを向上させます。
1人のSVが担当するオペレーター数は一般社団法人 日本コールセンター協会の「2022年度 コールセンター企業実態調査」によると平均で9人前後がもっとも多く、次が10~14人となっています。
一般的には、1人で10~20人前後を管理しているSVが多いようです。
コールセンターの管理は複数のSVが分担していることも多いため、自分が担当するオペレーターだけに専念することができます。
SVの担当する範囲
SVが担当しているのは、主にオペレーターの勤怠管理や応答指導ですが、それ以外に企業側とのやりとりもあります。
担当する仕事の範囲は、以下の通りです。
- オペレーターの採用・育成・指導・管理
- オペレーション業務の進捗管理
- リーダー(LD)の育成・指導・管理
- クレーム通話の二次対応
- 企業によるスクリプト(応答マニュアル)の作成
- オペレーターの勤怠管理・シフト作成
- オペレーターの労働環境管理
- コール対応品質の管理・向上
- 業務内容改善の提案
オペレーターはスクリプトに沿ってお客様と応答しますが、すべてがスムーズに行くわけではありません。
オペレーターが困っている場合はSVがアドバイスし、ときには代わって電話対応します。
また、SVは企業との打ち合わせをもとにしたスクリプト作成や、業務の報告、改善提案なども担当しています。
このように、SVはオペレーター業務から企業対応まで仕事の範囲が広いため、深い理解が必要です。
そのためSVはオペレーター経験を充分に積んでおり、マルチタスクで問題解決に当たれる人が向いている仕事といえます。
SVの役割
SVはコールセンターのオペレーターを管理するため、いわば現場監督の役割をもつ中間管理職といえます。
コールセンターには SVの上司となるマネージャーとセンター長がおり、SVから報告を受け、企業からの目標や指示をSVに伝えます。
オペレーターを束ねるSVの下にはリーダー(以下、LD)がおり、担当するチームのオペレーターを直接見ています。
SVはオペレーターとお客様の会話をリアルタイムでモニタリングでき、応答に問題がないかを確認します。
通話品質と顧客満足度はオペレーターの応答が直接的に影響するため、指導するSVの管理能力も問われるのです。
さらに、企業との打ち合わせではビジネスパーソンとしての役割を果たします。
SVの月収・時給
ここでは、SVの月収・時給を紹介していきます。
・月給:23万~35万円 平均月収:29万500円
・時給:1000~1800円 平均時給:1617円
・年収:373万~723万円 平均年収:418万円
※月給と時給は「コールセンター求人ナビ」の求人情報を参照
※年収のみ「求人ボックス給料ナビ」参照
実際に求人情報を見ると大手企業のコールセンターや大都市ほど高い傾向にあることがわかります。
SV歴が長くなるほど年収も上がり、相応の報酬になります。
経験やスキルに応じて変動しますが、気になる方は参考にしてみてください。
SVに求められるスキル
コールセンターで重要な役割を果たすSVは、さまざまなスキルが求められます。
その中でも欠かせないものについて見ていきましょう。
高いオペレータースキル
SVはオペレーターとして経験を積み、実力が認められた人が就くポジションです。
コールセンターは通販など受信業務中心の「インバウンド」と、テレアポやアンケートなど発信業務が中心の「アウトバウンド」にわかれます。
この両方をひとつのコールセンターで行っていることはめずらしくありません。
オペレーター経験年数の目安は3年以上で、LDやSSV(サブスーパーバイザー)を経てSVになります。
新人研修や指導、オペレーターへのアドバイスをするSVだからこそオペレーター経験が活きてくるのです。
自分の経験から学んだことを伝えることができ、オペレーターの悩みも理解できます。
またクレーム対応ではお客様の話を聞き問題解決につとめ、最終的に納得いただける形で通話を終えなければなりません。
だからこそ、SVにはオペレーターとしての長い経験と高いスキルが求められるのです。
コミュニケーションスキル
コールセンターのSVは、担当するオペレーターと話すだけでなく、お客様や上司、クライアントなど幅広く人と対話します。
また、研修などでついてこられないオペレーターがいないか気を配り、的確に導くのがSVの役目です。
オペレーター経験が長いSVなら、相手の話をきちんと聞いたうえで的確な答えができるようになっていきます。
管理職のSVとして、そのコミュニケーションスキルが役に立つのです。
現場管理・問題解決スキル
コールセンターでオペレーターは日々、見知らぬお客様と応答しています。
応答オペレーターはスキルや担当分野などに応じて割り振られますが、うまくマッチしなかったときに問題が発生しがちです。
このときはSVやLDがフォローに当たるため、現場管理スキルが必要です。
また、インバウンドの場合はオペレーターの数が予想より足りていない、回線が空かないことはコールを逃す機会損失につながり、コールセンターの評価を下げることになります。
SVは現場で柔軟に問題解決に当たるだけでなく、コールセンター全体の慢性的な人手不足、同時に取れるチャンネルを増やしてもらうなど、企業に改善点を提案しなければなりません。
そのため、問題解決スキルも兼ね備えておきたいスキルのひとつといえます。
マネジメントスキル
SVはオペレーターの採用・人材教育から日々の指導やシフト管理、さらにはフォローまでを担当します。
コールセンターを効率よく回すことは命題ともいえるため、SVはオペレーター全員のモチベーションを上げて課題解決に努めなければなりません。
どうチームのモチベーションを上げてまとめあげるか、リーダーとしての統率力が問われるのです。
担当チームのオペレーターの応答や勤務態度をチェックするなど、不安要素があれば改善をはかります。
SVは担当するオペレーターに悪いところを指導するだけでなく、良いところはしっかり褒めて伸ばすなど、人心掌握術にも長けていることが望まれます。
また、仕事がうまくいっていないオペレーターはなんらかの問題や深刻な悩みを抱えていることもあり、ケアが必要です。
SVはオペレーターに寄り添い話を聞き、悩みの解決につとめて、コールセンターの効率を最大にするためマネジメントスキルを発揮しなければなりません。
このように、SVにはチーム全体とオペレーター一人ひとりに対応するマネジメントスキルが求められるのです。
事務スキル
コールセンターの評価指標は、ほとんどが数値で示されます。
その数値を見てなにが問題なのか、評価が低い部分をどう高めていくかなどの原因から改善方法を考え、実行していくのもSVの役割です。
指標の意味や関連する用語なども理解していなければなりません。
報告書や提案書などの書類を作成することもあり、事務スキルは必要です。
ビジネスパーソンのスキル
コールセンターを立ち上げるときや、新商品やサービスがスタートするときは、スクリプト(マニュアル)が必要です。
オペレーター経験のあるSVがスクリプト(マニュアル)作成に関わることもあり、打ち合わせは企業の関係部署と行います。
決定までに何度もやりとりをし、コールセンターでの応対スタート後は成果を報告します。
また、新たな商品やサービス発売時には会議や打ち合わせが盛んになるため、ビジネスパーソンとしてのマナーやビジネス用語の理解が必要です。
SVのやりがい
たくさんの業務を担当するSVですが、そのやりがいはどんなところにあるのでしょうか。
多くのSVがやりがいに感じることを紹介します。
オペレーターの成長が目に見える
SVは指導や管理を通じて接してきたオペレーターの成長を日々見守ることができます。
指導したコツや注意点が応答に反映されていれば、オペレーターも成長したといえます。
小さな積み重ねでも、毎日成長するオペレーターをそばで見守ることができるのはうれしいことです。
チームとして一体感と達成感を味わえる
コールセンターでは応対品質の向上や、短時間で1コールを終わらせて1日あたりの応答数をより多くするなど、目標が設定されることがあります。
SVが担当チーム全体のモチベーションを上げて高評価を得ることができれば、オペレーターたちと一体感を得ることができ、達成感もひとしおです。
また、モチベーションを上げただけで目標を達成できるわけではなく、日頃からSVがチーム一人ひとりと接してきた成果が反映されるため、SVとしての誇りになります。
SVが厳しいと思うこと
SVはオペレーターをチームで管理する仕事なので、厳しい面もあります。
では、具体的にどんなことが厳しいと感じているか、またどのように解決しているのかを紹介していきます。
カバーする範囲が広い
SVはオペレーターの管理がメインとなりますが、そのカバー範囲は採用から育成、指導などかなり広いものです。
また、事務仕事や会議、打ち合わせなどもあり、残業する日もオペレーターより多くなります。
数値面が悪ければ、パフォーマンスの改善に力を尽くさないといないため、 結果として担当するオペレーターの人数が多いほどやることが多くなるのです。
それだけに、しっかりまとめあげて成績を上げたときはオペレーターとともに成長を実感することでやりがいも感じられます。
SVとチームオペレーターは、共に成長とスキルアップを感じられる関係なのです。
クレーム対応がきつい
コールセンターにはときおり商品やサービスの不備が原因で、お客様からクレームの電話が入ることがあります。
また、やりとりの行き違いからお客様が怒ってしまうこともあり、慣れないオペレーターへはフォローも必要です。
会話をモニターしながらオペレーターのイヤフォンに指示を送るウィスパリングで対応しますが、手に負えない場合はSVが電話対応を代わって行います。
クレーム対応は長引きがちで精神的にもきつく、ていねいに対応するのは大変ですが、これまでのオペレーター経験がもっとも活きる場面にもなりえます。
コールセンターにはクレーム対応のコツやしてはいけない対応などノウハウが蓄積されています。
その知識に基づいてお客様と会話できれば、根気はいりますが応答できます。
お客様に納得してもらい通話を終えることで、SVとしての力量はチームだけでなくコールセンター全体として評価を得ることもできます。
クレームを入れていたお客様を応答で企業のファンにすることができれば、それもやりがいに変わるのです。
クレーム内容が企業の製品やサービスについての指摘であれば、企業側に報告を上げることで品質改善につながることがあります。
結果的にその後のクレームを減らすことにつながっていきます。
SVに活かせる資格
コールセンターのSVになるために資格は必要ありませんが、取得しておくとSVの仕事やコールセンターの仕事が見渡せる資格がありますので、紹介します。
日本コンタクトセンター試験
一般社団法人 日本コールセンター協会では、「コン検」と呼ばれる資格試験を実施しています。
試験にはオペレーター未体験者でも受験可能な「オペレーションレベル」の「エントリー資格」もあり、これからオペレーターを始める人には有利な資格です。
SVを目指すのであればオペレーター経験3年以上で「オペレーションレベル」の「スーパーバイザー資格」試験を受けることができます。
スーパーバイザー資格の試験は年1回全国の会場で実施され、協会の会員企業社員でなくても受験可能です。
合格率は平均79%ですので、しっかりテキストで勉強しておけば合格できる可能性の高い資格ともいえます。
学ぶのはコンタクトセンターマネジメント知識スキル体型(CMBOK=Contact Center Management Body Of Knowledge)で、レベルとポジションによって覚えることが異なります。
学ぶだけでも得ることは大きいので、SVを目指す方は自分のレベルから学んで試験に挑んでみることをおすすめします。
企業の中にはSV職は試験合格で資格取得が必須の場合もあるので、事前に確認しておきましょう。
SVになるには
SVにはオペレーター経験が前提条件ですが、ここではSVになるための方法を紹介します。
SV募集の求人に応募する
コールセンターではSVを募集していることが多々あります。
業種やオペレーター経験3年以上、SV経験者、コン検でスーパーバイザー資格を取得していることなど、条件がつくことがあるのが特徴です。
コールセンターを運営している場合は新商品やサービス展開時に、外注のコールセンターでは新たなクライアントの業務を立ち上げでSVを募集することがあります。
コールセンターを作っていく体験ができることもあり、SVより上のマネージャーやセンター長のポジションも視野に入れている方にはおすすめの方法です。
未経験者はコールセンターで働きながらSVをめざす
オペレーター体験がなくても、SVをめざすことはできます。
研修を受けコールセンターの入力システムなどの操作もひと通りおぼえ、実務に入ります。
ただコールセンターのSVになるまでは、オペレーターとして3年以上の経験が必要です。
業界やセンターが違うと専門用語や客層、システムも違うため、SVを目指すのであれば特定のコールセンターで体験を重ねることをおすすめします。
SSV(サブスーパーアドバイザー)からSVをめざす
オペレーターとして十分な経験がありオペレーターをまとめる力が認められると、チームを統率するLDか、SVの補佐をつとめるSSV(サブスーパーアドバイザー)に抜擢されます。
LDはオペレーターについてSVに報告し指示を受けますが、SVのように企業関連部署との会議やプレゼンする機会はほとんどありません。
SSVはSV候補といえる立場で、SVの仕事を助けながら共に動くので、SVの仕事を近くで実際に見ながら学ぶことができます。
LD・SSVどちらも、オペレーターとしての高いスキルとチーム統率力、そして設定目標を達成するための実現力が必要なので、オペレーターとして働きながらスキルを高めていきましょう。
よくある質問
コールセンターのSVについて、よくある質問についてお答えします。
SVを目指すにはいくつものコールセンターで勤めたほうがいいですか?
SVになるには3年以上のオペレーター経験が必要です。
ただし、3年でいくつものコールセンターを渡り歩いているとすぐ辞めてしまうのではという印象を持たれかねません。
また、業界やコールセンターが違うとシステムも用語も目標も変わります。
そのため、できればひとつのコールセンターで3年以上のオペレーター経験を積んでSVを目指すのがベストといえます。
管理職経験がありますが、SVを目指せますか ?
管理職であればSVに求められるKPI(業績管理指標)管理は理解できますが、そもそもの設定目標が違います。
応答の品質、平均処理時間、応答率などコールセンターならではの指標を管理しなければならないのです。
問題がシステム的なものか、オペレーターやスクリプトか、原因や改善策はSVが考えます。
テレマーケティングなどコールセンターに関わる部署の管理職なら可能性はありますが、オペレーター経験がなければ難しい職種といえます。
ただし、SVの数が不足している背景から、条件によっては採用される可能性もあるので、まずは求人情報をチェックしてみてください。
まとめ
コールセンターのSVは、オペレーター経験を3年以上経験して就く管理職で、1人で10~20人前後のオペレーターを取りまとめて採用、教育、指導、勤怠管理などを担当します。
チームで目標達成をめざすためにオペレーターのやる気をあげて成績をあげなければなりません。
また、ときにはスクリプトの作成に関わることもあり、業績の報告や改善要求などビジネスパーソンとしての役割も果たします。
かかわる範囲は広い仕事ですが、リーダー気質の高い人、チームプレイが好きな人にとってSVはやりがいのある仕事です。 やりたいと思った方は求人情報をチェックしてみてください。
コールセンター派遣ならウィルオブにぜひおまかせください
コールセンターの仕事は、未経験でも歓迎される求人が多く、特別なスキルや資格は必要ありません。これまでオフィスワークに慣れ親しんでこなかった方にも、気軽にチャレンジできる仕事としておすすめです!
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