コールセンター優秀な人材を確保するには?|育成方法と評価基準も解説
2024/02/28
- 品質
- 社員教育
企業のブランドイメージや業績に直結する業務を担うコールセンターにとって
優秀な人材を確保することは極めて重要です。
顧客と直接接点を持つコールセンター人材のパフォーマンス力が向上することで、顧客満足度の向上や、売り上げ・利益の向上につながります。
また、充実したコールセンター人材の育成をすることで、離職を防ぐことにつながり、結果として採用・育成にかかる時間や人的リソースの削減にもつながるでしょう。
とはいっても、コールセンターの運営に課題はつきものです。
「優秀な人材の確保はどのような手法でやればいいのか」
「市場的に人手不足で採用もなかなかうまくいかない」
「社内リソースも限られているから充実した教育を実施できていない」
「そもそもコールセンターにおける優秀な人材ってどんな人?」
このようなお悩みをお持ちのご担当者様も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
本記事では、質の高いコールセンターを運営するための手段の一つとして、優秀な人材にフォーカスを当て、コールセンター人材の評価基準や優秀な人材の特徴、育成方法について解説していきます。
コールセンターの人材育成に課題を抱えているご担当者様へ
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コールセンター人材に関する問題
コールセンターの運営担当者が悩む人材の問題には、主に「離職率の高さ」「面接時で人材の向き不向きを見抜くことの難しさ」「人手不足」があります。それぞれ詳しく解説していきます。
離職率が高い
コールセンターのオペレーターは覚えることの多さやクレーム対応、長時間の電話対応など、日々高いストレスや圧力にさらされやすい環境で働いています。また、そのような職場環境の中でサポート体制が不十分という実情もあり、コールセンターの職場は離職率の高さが目立つといわれています。
採用時の面接で向き不向きを見抜くのが難しい
コールセンター人材には、電話対応経験やコミュニケーション能力だけでなく様々な適正が求められます。例えば、不測の事態でも臨機応変に対応できる力や、素早くPDCAサイクルを回す力、高い事務処理能力、クレームに対応するストレス耐性などがあります。これらの適正は実際に業務を開始してから見えてくる要素も強いため、採用時の面接で向き不向きを判断することが非常に難しいです。
人手不足
人手不足はコールセンター業界に限った問題ではないものの、前述した通りただでさえ離職率が高く人材採用が難しいコールセンター業界にとっては非常に大きな問題です。 だからこそ、採用した後のサポート体制を整えることで人材の定着を促す施策に注力することは非常に重要だといえます。
一般的なコールセンター人材の評価基準と評価項目
コールセンター人材の評価基準は主に「応対品質」「パフォーマンス性」「勤務態度」の3つのカテゴリに分かれます。ここからは、それぞれの評価基準とその項目について詳しく説明していきます。優秀な人材を育てていくための指標となるため、評価基準と評価項目は明確に理解していきましょう。
応対品質
応対品質とは、顧客応対の質を測定する指標です。応対品質が高いということは、迅速かつ正確な対応が行われ、顧客の満足度が高いことを意味します。 この指標は、顧客満足度や問題解決力など様々な要素を含んでおります。応対品質の主な評価項目を見ていきましょう。
<主な評価項目>
問題解決力 | オペレーターが、顧客の抱える問題や要望を適切に汲み取り、正確かつ迅速に解決できるかどうかを示す指標 |
コミュニケーション力 | オペレーターが顧客と円滑にコミュニケーションを取り、情報を適切に伝えることができるかどうかを示す指標 |
顧客満足度 | 顧客がオペレーターの対応やサービスに満足しているかどうかを示す指標 |
NPS(顧客推奨度) | 顧客が自社商品やサービスを他の人にどれだけ推奨するかを示す指標であり、顧客のロイヤルティや満足度を示す |
一時解決率 | オペレーターが顧客の問題を1回の電話対応で解決できる割合 |
モニタリングスコア | SVなどの管理者がオペレーターの電話応対をモニタリングし、品質やパフォーマンスを評価するスコア |
スキルチェックテスト | オペレーターとしての技術や知識を測定するテスト |
パフォーマンス性
パフォーマンス性とは、応対処理件数やミス率など、従業員が迅速かつ正確な応答処理ができているかを測定する指標の一つです。高いパフォーマンス性は、効率的な業務遂行や顧客満足度向上につながります。パフォーマンス性の主な評価項目については、下記より紹介します。
<主な評価項目>
平均通話時間(ATT) | オペレーターが顧客と通話している平均時間 |
平均後処理時間(ACW) | 電話応対が終わった後にかかる事務処理などの平均時間 |
平均処理時間(AHT) | 電話1件対応するにあたってかかった平均時間 |
ミス率 | コールセンター業務やそれに付随する作業においてミスした割合 |
応対件数 | 着信件数に対してオペレーターがどのくらい対応したかを示す |
保留時間 | 電話を保留した状態で顧客を待たせた時間 |
架電件数 | オペレーターが実際にかけた架電数 |
勤務態度
勤務態度とは、オペレーターが仕事に取り組む姿勢や態度を指します。良好な勤務態度は、チームの雰囲気をよくしたり、シフトどおり出勤し電話の取りこぼしを最小限にすることで顧客体験にプラスの影響を与えたりします。勤務態度の評価項目を見ていきましょう。
<主な評価項目>
出勤率 | オペレーターが定められた日数および時間通りに勤務する割合 |
協調性 | オペレーターがチームや他の部署と協力し、効果的に働く姿勢 |
規則・マナー | オペレーターが企業の規則やマナーを遵守し、適切な振る舞いをする姿勢 |
ここまで、応対品質やパフォーマンス性、勤務態度などの評価指標と併せて、それぞれの評価項目を解説いたしました。評価項目に関しては、別の記事でより詳細に解説しておりますので、気になる方はぜひチェックしてみてください。
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【インバウンド編】コールセンターKPIについて解説
【アウトバウンド編】コールセンターKPIについて解説
コールセンターで評価される人の特徴
次に、コールセンターではどのような人材が評価されるのか、5つの観点から説明していきます。
コミュニケーション能力
コールセンターでは、顧客との円滑なコミュニケーションをとることが極めて重要です。表情が見えないからこそ、明確で親しみやすい声のトーンや的確な言葉遣い、共感力などが求められます。また、顧客の要望を明確に理解する力や、適切な質問力など傾聴力が備わっていることも優秀なオペレーターの特徴です。丁寧な対応ができるオペレーターがいるセンターは、顧客満足度の向上につながっていきます。
高い事務処理能力
コールセンターはただ電話を受けるだけが仕事ではありません。 電話をした後、顧客のデータや問い合わせに関する情報を正確にデータとして残していく作業もオペレーターの大事な仕事です。高い事務処理能力が備わっているオペレーターは、効率的にデータ入力や情報処理を行うことができ、すぐに次の電話に応答することができます。オペレーター1人が割く事務処理時間を減らすことで、センター全体の稼働率や応答率にもプラスの影響を与えることができるでしょう。
PDCAサイクルを回すのがうまい
面談などフィードバックを受けた内容に対して、自身の仕事を振り返り自らPDCAサイクルを回せるかどうかも優秀なオペレーターとしての重要な要素です。センター長や管理者は、PDCAサイクルの回し方にフォーカスを当ててオペレーター研修やフィードバックを行うのもいいでしょう。 自らPDCAサイクルを回すことができれば、オペレーター自身も成長を感じやすく、モチベーションの向上や離職率の低減に繋げることもできるでしょう。
冷静さと柔軟さで素早く問題解決をする力
コールセンターでは、クレーム対応や複雑な問題に対して解決を求められる場面など、様々なお客様や状況に直面します。このような不測の事態に対応するためにも、冷静さと柔軟な対応力は非常に重要なオペレーターのスキルと言うことができます。
コールセンター人材の教育において重要な5つポイント
コールセンター人材の教育のポイントは、主に5つあります。コールセンター業界に限らず今後も人材不足が続く中、人材の育成に注力することは非常に重要ですので、参考にしていただければ幸いです。
オペレーターの モチベーションを保つ |
オペレーターは日々多くの電話応対を行う中で、体力的にも精神的にも辛さを感じることが多くあります。定期的な1on1面談を行ったり、オペレーター同士コミュニケーションがとりやすい場を設けたりすることで、オペレーターの不安を解消し、モチベーションが保たれる体制を作りましょう。 |
オペレーター間の 応対品質の差を無くす |
オペレーターの応対クオリティに差があると、顧客にマイナスな印象を与え顧客満足度の低下に繋がってしまいます。オペレーターが着台した後も、定期的に研修の場を設けたり、モニタリングを通じて個別指導を行ったりすることで、オペレーターの個人差を埋める工夫をしましょう。 |
評価軸を明確に 設定する |
評価軸が定まっていないと、評価者によってオペレーターの評価が変わってしまったり、オペレーター自身が評価に納得できなかったりしてしまいます。オペレーターのモチベーションや成長意欲を引き出すためにも、社内全体で評価軸を統一しましょう。その結果、オペレーターの離職防止や応対品質の向上にもつながっていきます。 |
オペレーターに自身の役割や責任を理解してもらう |
なぜこの業務を行っているのか、オペレーターひとりひとりに自身の役割の重要性を理解してもらうような工夫をしましょう。そうすることで、オペレーターの仕事に対するやりがいを見出すことができ、企業全体の生産性向上にもつながるでしょう。 |
SV以上の教育 |
実際にオペレーターの育成を行うのは管理者であり、オペレーターのみならず、管理者以上の人たちへの教育も重要ということが言えます。優秀なコールセンター人材に育てていくためにも、管理者以上の担当者は電話応対のスキル面はもちろん、コーチングやマネジメントスキルも磨いていく必要があります。 |
▼SV育成について詳しく解説した記事はこちら▼
コールセンターSVの必要スキルとは│効果的な教育方法についてポイントを解説
なお、オペレーター育成時に大事なポイントに関しては、他の記事で詳しく解説しております。顧客満足度を向上させるための実際の研修種類と内容や、そもそもの研修目的など細かく解説しておりますので、こちらも併せてご活用ください。
▼オペレーター育成のポイントについて▼
CS向上させるオペレーター育成法とは│コンタクトセンター研修の内容と重要性について解説
コールセンターをアウトソーシングするという選択
ここまで、評価基準や優秀なオペレーターの特徴、コールセンター人材の教育に重要なポイントをご紹介してきましたが、自社内で採用から育成・研修を行うのは時間やコストがかかってしまうという問題もあります。
社内のリソースも限られている中、育成や研修に時間や人的リソースを十分にかけられないとお悩みのご担当者様も多いのではないでしょうか。
そこでおすすめなのが「コールセンターのアウトソーシング」です。 コールセンター業界のプロに、センターの構築や運用、人材の採用や研修を一括で行ってもらうことで、生産性の高いコールセンターを運用していくことが可能です。
▼コールセンターのアウトソーシングをご検討の方はこちら▼
【2024年最新】コールセンター代行10社|メリットとデメリット・代行会社選定ポイントを解説
まとめ
本記事では、優秀なコールセンター人材の特徴や、オペレーターを育成するためのポイントについて解説いたしました。
人材不足や採用難が問題となっている昨今、人材の育成にフォーカスを当て中長期的に活躍する人材を確保することは非常に重要な要素です。
また、優秀な人材の育成・採用に力を入れることは、生産性の高いコールセンターを運営するために必要不可欠であると言えます。
今回の記事が、コールセンターの運営にお困りのご担当者様に少しでもお役に立てれば幸いです。
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