コンタクトセンター検定(コン検)スーパーバイザー資格とは|取得のメリットや具体的な勉強方法について解説

2024/03/12

コンタクトセンター業界において、専門知識や技術スキルを客観的に証明する手段として、コンタクトセンター検定(コン検)が存在します。この資格は、業務における実践能力の向上はもちろん、キャリアパスの発展にも大きく貢献するものです。特に、チームをリードし、運営の効率化を図るスーパーバイザー(SV)の役割は、コンタクトセンターの中核を担う重要なポジションであり、その資格取得はさらなる専門性と信頼性を身につける絶好の機会となります。

本記事では、コンタクトセンター検定の中でも特に注目されるスーパーバイザー(SV)資格に焦点を当て、その概要から取得のメリット、効果的な勉強方法、そして実際に資格を取得した人たちの体験談まで、幅広く解説していきます。

コンタクトセンター検定(コン検)とは

コンタクトセンター検定(以下、コン検)は、一般社団法人日本コンタクトセンター教育検定協会が認定する民間資格です。この資格は、コンタクトセンター業務における専門性と実践能力の向上を目的としています。コン検の運営は、顧客サービス向上に貢献することを目指し、コンタクトセンターに関連する17社の協力のもと発足した協会によって行われています。

資格の範囲は広く、顧客対応力からマネジメントスキル、さらにはコンタクトセンターの構築と運営に関わる知識まで、コンタクトセンター業務全般にわたる知識と技能を網羅しています。資格制度の基礎となっているのは、「CMBOK(シンボック)」と称されるコンタクトセンターマネジメントの知識体系化ガイドブックであり、業界標準としての役割も果たしています。このCMBOKを基に、実務に即したスキルの習得と資格取得が促されています。

コンタクトセンター検定(コン検)の種類

コンタクトセンター検定試験は、大きく「オペレーションレベル」と「プロフェッショナルレベル」の二つに分類され、それぞれのレベルにはスキルレベルに応じた5つのコースが設けられています。これらのコースは、コンタクトセンター業務のさまざまな側面と職務要件に対応して設計されており、従事者が自身のキャリアステージや専門性を高めるための幅広い選択肢を提供します。

 

資格 認定内容 受験対象者 業務経験










エントリー資格(EN) 電話等を中心とした非対面のコミュニケーションに必要な知識・スキル、ビジネスマナーの習得を認定

・キャリアをスタートしたばかりの社会人・オペレーター
・顧客対応を担う業務への従事を目指す未就業者
・学生

なし
オペレーター資格(OP) 専門性の高い顧客応対業務や、新人の指導を担当できる人材として必要な知識・スキルの習得を認定

顧客対応の担当者

・専門性の高い顧客対応業務や新人のOJTを担当するオペレーター

1~3年程度
スーパーバイザー資格(SV) 管理者として必要なマネジメントにおける知識・スキルの習得を認定

オペレーターの管理者

・スーパーバイザー
・スーパバイザーにキャリアアップを目指すオペレーター

3年以上












オペレーションマネジメント資格(OMP) 顧客対応部門の運営とパフォーマンス管理に必要な知識・スキルの習得を認定 コンタクトセンター業務の責任者・管理者

・コンタクトセンター長
・オペレーション部門のマネージャー

5年以上
コンタクトセンターアーキテクチャ資格(CAP) コンタクトセンターの新規構築や新システム導入時における業務設計に必要な知識・スキルの習得を認定 コンタクトセンターの構築担当者

・センター構築部門の担当者
・ITベンダーなどの営業担当者

5年以上

【参照:一般社団法人 日本コンタクトセンター教育検定協会】

オペレーションレベル

コンタクトセンター検定のオペレーションレベルには、実務に直結する3つのコースが設定されています。これらは「エントリー資格(EN)」「オペレーター資格(OP)」、そして「スーパーバイザー資格(SV)」で構成されており、それぞれがコンタクトセンターでの異なる役割と責任レベルに応じたスキルセットを対象としています。

オペレーションレベルの資格取得には認定申請の必要がなく、一度取得すればその資格は更新の必要がありません。試験はコンピュータベースのテスト(CBT)形式で、全国各地の指定されたテストセンターで随時受検することができます。これにより、実務経験を積みながらも資格取得を目指すことが可能となり、自身のキャリアアップに直結するステップを踏むことができるのです。

プロフェッショナルレベル

プロフェッショナルレベルのコンタクトセンター検定には、「オペレーションマネジメント資格(OMP)」「コンタクトセンターアーキテクチャ資格(CAP)」の2つのコースが設けられています。これらは、コンタクトセンター運営の高度な管理能力や専門的な知識を認定するための資格であり、より上位の専門職を目指す人々にとって重要なステップとなります。

プロフェッショナルレベルの資格を取得するためには、単に検定試験に合格するだけでなく、所定の「認定基準」を満たしていることの証明として、資格認定の申請を行い、その審査を受ける必要があります。また、資格取得後は3年ごとに更新を行う必要があり、これにより常に最新の知識とスキルが保持されることが求められます。プロフェッショナルレベルの試験は年に一度、札幌、東京、大阪、福岡の各地で実施されており、全国から多くの専門家が資格取得を目指して挑戦しています。

スーパーバイザー(SV)資格とは

スーパーバイザー(SV)資格は、コンタクトセンターの管理者として不可欠なマネジメント知識やスキルの習得を認定する資格です。この資格は、日本コンタクトセンター教育検定協会が構築したコンタクトセンター知識スキル体系CMBOK3.0に準拠しており、2022年10月4日以降に実施された試験からこの新しい基準が適用されています。2023年の合格率は81%となっており、過去14年間の平均合格率は79%と高い合格率を維持しています。

資格の対象者

スーパーバイザー(SV)資格は、コンタクトセンターにおける現場のオペレーターの管理と指導、エスカレーション業務、モニタリング業務などを担うリーダー層を対象としています。具体的には、単一のオペレーターグループの指導を行うポジションであり、複数のオペレーターグループを統括するより上位のスーパーバイザー業務は含まれません。

この資格は、スーパーバイザーやそれに類するポジションにいる人々、またはスーパーバイザーへのキャリアアップを目指すオペレーターなど、オペレーターを直接管理・監督する初の現場マネジメント層が対象です。組織内での呼称がリーダー、リード、主査、スーパーバイザー、SVなどであっても問われません。ただし、目安としてコンタクトセンターでの実務経験が3年以上必要とされ、実践的な業務理解が前提となります。

試験概要

問題数

 80問

出題形式

 選択問題

試験時間

 90分

試験形式

 コンピューター上で実施するCBT(Computer Based Testing)形式

試験会場

 全国の実施試験会場にて(詳細はお申し込み時にご確認ください)

受験料

 一般価格: 8,800円 (8,000円+消費税10%)
 会員価格: 7,920円 (7,200円+消費税10%)
 ※一般価格より10%OFF 

合格基準

 スコア500以上

認定申請

 必要なし

【参照:一般社団法人 日本コンタクトセンター教育検定協会】

スーパーバイザー(SV)資格の試験は、全80問の選択問題から構成されており、受験者は90分の試験時間内にこれらの問題に回答します。試験はコンピューター上で実施されるCBT(Computer Based Testing)形式で、全国の指定された試験会場で受けることができます。

合格基準はスコア500以上で、正答数に基づいて項目応答理論を用いて算出された能力値で評価されます。能力値は200から800の範囲で設定されており、スコア500以上が合格とされています。

スーパーバイザー(SV)資格の取得メリット

公式サイトではコン検取得のメリットを以下のように記載しています。

また、コンタクトセンター検定の公式サイトに掲載されている、資格を実際に取得した資格認定者の声によると、業務知識の向上、自己成長と自信の獲得、問題解決能力の向上、品質管理と顧客満足度の改善、専門性のアピールなど、多岐にわたるメリットが報告されています。

具体的には、SV資格を持つことで、日々の業務においてより効率的な手法を取り入れ、チームメンバーの能力を最大限に引き出すことが可能になります。また、問題が発生した際には、体系的な知識に基づく解決策を迅速に提案し、実行に移すことができるようになります。さらに、資格を取得する過程で学んだ品質管理の技術や顧客満足度を高めるための戦略は、サービスの質の向上に直結し、結果として顧客からの信頼を得やすくなります。そして、これらの実務スキルの向上は、自身の専門性を内外にアピールする大きな手段となり、プロフェッショナルとしての自信と自己成長を促進します。

スーパーバイザー(SV)資格の出題範囲

スーパーバイザー(SV)資格の出題範囲は、日本コンタクトセンター教育検定協会によって構築されたコンタクトセンター知識スキル体系CMBOK3.0を基礎としています。

この範囲は、コンタクトセンターにおける業務運営、顧客対応、技術活用などの幅広い知識を網羅しておりますが、特にスーパーバイザー資格に関しては、オペレーション段階の知識に加えて、運営分野への比重がより高く設定されています。

スーパーバイザー(SV)資格の勉強方法

スーパーバイザー(SV)資格の取得を目指す際には、実際に資格を取得した認定者の声から学ぶことが大変有効です。公式サイトの「資格認定者の声」のページでは資格を実際に取得した受験者の勉強方法が紹介されています。

調査によると、一部の受験者は過去の学習経験や日頃の業務知識に頼って試験に臨むという方法を取っていましたが、多くの合格者は公式テキスト「コンタクトセンター スーパーバイザー 完全マニュアル」の徹底的な読み込みと、テキスト内に掲載されている対策練習問題を解くというアプローチを採用しています。この学習方法では、練習問題の解答を見ながら、テキストの内容を繰り返し反復して理解を深めることが重要です。また、テキスト中に出てくる聞きなれない用語や概念については、都度、調べることが推奨されています。このような学習方法を通じて、実務に直結する知識やスキルの習得を目指し、試験準備を行うことが、スーパーバイザー資格の合格に繋がるとされています。

スーパーバイザー(SV)資格の体験談

最後に弊社で実際にスーパーバイザー資格を取得した資格取得者の体験談を紹介します。

資格を受験したきっかけは

コンタクトセンターでの管理者としてキャリアを築いていく中で、スーパーバイザー(SV)資格の存在を知り、その価値と可能性に魅力を感じ受験を決意しました。資格取得に向けては、約1ヶ月の準備期間を設け、週に2~3回、1回あたり約1時間の学習を行いました。合計で8~10時間程度の学習時間を費やしました。

勉強方法は

勉強法としては、コン検SV資格の公式テキストを中心に読み進め、理解を深めるために模擬問題を解くという方法を採用しました。テキストの内容をしっかりと把握し、実際の試験形式に慣れることを目的としたこの学習法は、試験への自信を高めるのに大いに役立ちました。

試験当日の流れは

試験当日は、事前にWEBで試験会場を予約し、指定された会場のPCを使用して試験に臨みました。試験の流れや環境については、事前の情報収集と準備が重要であることを実感しました。

取得して実業務に活かせたこと

資格を取得してからの実業務では、学んだ管理手法を体系的に理解していたことが大きな強みとなりました。特に数値面での管理方法については、具体的な知識が実際の業務改善に活かせており、資格取得の効果を実感しています。この体験を通じて、専門性を高めることの重要性と、それが実業務にどのように貢献するかを深く理解することができました。

まとめ

本記事では、コンタクトセンター検定のスーパーバイザー(SV)資格について詳細に解説しました。資格の概要から、資格の取得メリットや出題範囲にも触れ、対象者、試験概要、勉強方法、実際に資格を取得した人の体験談まで、情報を網羅的に提供しました。

スーパーバイザー資格の取得は、現場で直接活かせる確かな知識とスキルを身につけることができます。特に、人材育成、チーム管理、業務効率の向上といった分野での実践的な能力は、資格取得を通じて大きく向上します。このような専門性の高い知識は、コンタクトセンター業界におけるキャリアアップだけでなく、日々の業務改善にも直結し、業務の質と効率を格段に高めることが可能になります。

この記事が、スーパーバイザー資格の取得を考えている方々にとって、資格取得の意義とその後のキャリアに与える影響を理解するための一助となれば幸いです。

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Writer編集者情報

  • コネナビ編集部 平井 美穂

    2012年、株式会社セントメディア(現:株式会社ウィルオブ・ワーク)へ入社し、コールセンターとオフィスワークに特化した人材サービスの事業部へ配属。フィールドサポータや営業コーディネータ、キャリアアドバイザー、新規営業、人材紹介(転職支援)などを経験。
    2020年 人材紹介にて自己最高売上を記録、時短勤務×妊娠中での実績が評価され全社月間MVPにノミネート。現在5歳と2歳を育てるパワフルワーママ!

    ・趣味:断捨離、森林浴、岩盤浴
    ・特技:細かい事に気が付く点

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