SDGs取り組みにより社員の離職率低下?成果事例をご紹介【WILLOF・CRMセンター】
2024/07/11
- SDGs
- 離職率改善
SDGs(持続可能な開発目標)は貧困や不平等、格差や気候変動による影響など、世界のさまざまな問題を根本的に解決し、すべての人にとって より良い世界を作るべく設定された世界共通の17目標のことです。
近年ではSDGsの認知も広まり、積極的に企業が取り組むようになっています。
ウィルオブ・ワークもSDGsの取り組みに参入する企業のひとつ。今回はウィルオブ・ワークのCRMセンターで実際に取り組んでいるSDGs導入事例について取材しました。
お話を伺ったのは、CRMセンター4拠点を取りまとめるウィルオブ・ワーク BPO営業部の中村部長。「取り組みを始めてから、目に見えて良い成果が出ている」とのお話を伺うことができました。
さっそく内容について見ていきましょう。
ウィルオブ・ワークのCRMセンターとは
高知・山形・金沢・郡山センターと、地方4拠点に構えるウィルオブ・ワークの自社コールセンターです。大手家電メーカーや大手ケーブルテレビ会社業務をメインに、その他さまざまな業務を請け負っています。働くコミュニケーターは全員ウィルオブ・ワークの自社雇用スタッフ。高い応対品質を誇り、「おもてなし」文化に根付いた笑顔あふれるコールセンターです。
SDGs導入背景
―今回SDGsを導入することになったきっかけや、背景をお伺いしてもよろしいですか?
【中村さん】
まずウィルグループ(ウィルオブ・ワークの持株会社)として、SDGs経営というものを掲げたことが大きなきっかけです。
「人」軸のSDGsの取り組みはすでにやっていて、項目が多いなと思っていました。CRMセンターで「人」軸以外で何かできないかなというのを考えたことがきっかけです。
いま導入しているのがfuubo(フーボ)の無人販売機と、プラスチックごみの削減を目的としたタンブラーの無料配布、ウォーターサーバーの設置をしています。
―SDGs導入前に課題や不安な点はございましたか?
【中村さん】
それはあまりなかったです。
例えばfuuboっていうのは食品ロスを軽減することを目的とした取り組みで、まだ食べられるのに廃棄されてしまうような食品などを格安で販売するものなので、CRMセンターのコミュニケーターさんとしてはメリットだと思うし、あとはCRMセンターに見学に行くと破棄されているペットボトルの数がすごく多くて、稼働コミュニケーターのうち大体7割、8割ぐらいの方がペットボトルを購入されていたので、計算すると1日で200本ぐらいのペットボトルが廃棄されているという状態でした。
それも減らせられたらいいなという思いがあったので、マイボトルの提供とウォーターサーバーの設置をしました。 もともと無かったものを提供するということは、コミュニケーターさんにとってはプラス要素しかなくマイナスな点がないと思います。
―たしかに、メリットだらけですね。
【中村さん】
会社やセンターのメリットというよりかは、働いてくれているコミュニケーターさんにとってのメリットしか考えてなかったですね。
―コミュニケーターさんからすれば、本当にメリットのある導入事例になりますね。
実際の取り組み内容
食品ロス削減を目的とした【fuubo】の導入
―食品ロス削減を目的としたfuuboを導入されることになったきっかけは何ですか?
【中村さん】
きっかけはベンダーさんの方からこういうの(fuubo)があるのだけど、入れようかどうか検討しているという話を聞いて、そんなのがあるんだ!と知ったことですね。 色々話を聞いてみようと思って、実際fuuboの担当者さんに話を聞きました。
その中で「将来的には各都道府県で生産されている食品とかを地産地消という形でサービス提供したい。作ったけど結局売れずに捨てられてしまう状況なので全国的に都道府県さんとも連携しながらやってみたい。」というお話があったので、あ それ面白いなと思いました。
―知ったきっかけはベンダーさんとの情報交換だったのですね。fuuboさんの取り組み素晴らしいです。実際にSDGsを導入するとなった時に、どういった形でプロジェクトが進んでいったのか詳細を教えていただけますでしょうか。
【中村さん】
まずCRMセンターとしてSDGsを考えていこうと、プロジェクトを立ち上げました。
僕からプロジェクトメンバーに「こんなのがあるよ」とfuuboの情報提供をしたり、またメンバーそれぞれ個人で動いて情報を集めてくれたりしているので、CRMセンターとしてどういう取り組みができるかなという考えのもと動いています。
今すでに導入しているマイボトルの無料配布やウォーターサーバーの設置、あとは今、障がい者雇用も取り組んでいて、大きく動いているのはその3つです。託児所の案なども出てきている状況です。
―障がい者雇用の取り組みもされているのですね。CRMセンターでのプロジェクトチームというのは、どのようにチーム構成されているのですか?
【中村さん】
オペレーショングループ(コールセンターの構築担当グループ)のマネージャーや、CRMセンター運営側はセンター長などトップ層の方々に入ってもらい、議論しています。 半期に1回集まって行っており、これから下期に入るので議論する内容について考えないといけない状況です。
―素晴らしい取り組みだと思います。山形新聞に取り上げられているもの以外にも、障がい者雇用や託児所など、ほかの案も出ているのですね。
【中村さん】
託児所はまだ企画中ですが、障がい者雇用に関しては、石川県の制度を利用して9月からすでにスタートしています。(障害者職場実習制度:https://www.pref.ishikawa.lg.jp/roudou/seido.html)
障がい者の方は職場と合わないという理由で、早期離職になるケースが多いので、石川県が採用費用を負担してくれるという制度があります。その制度を利用して9月で2名の方を採用しました。
今期中に障がい者雇用の枠でいうと、10名は採用したいなと目標を立てています。
―障がい者の方々が本格的に雇用される前に、実際の職場で短期間の実習を行い、本人と事業主の相互理解を深めることにより、障がい者の雇用及び職場定着を促進する制度ですね。他のプロジェクトでも目標を掲げていらっしゃるのですか。
【中村さん】
ペットボトルのゴミをどれぐらい減らそうとか、食品ロスをどれだけ下げようっていう目標設定っていうのはなくて。
どちらかというとSDGsやこういった環境問題について社員が認知する、理解してもらうといったところが大事だと思っています。 「この取り組みっていいことだよね」「SDGsってなんだっけ」ということを自ら考えてくれる場ができればいいなと。
―大切なことですね。導入する際に問題点や苦労はありましたか?
【中村さん】
それはあまりなかったです。上長がSDGsについての理解があって、意志が強い方だったので話が通しやすかったというのはあると思います。
もし上長がそれを理解してない人だったら1から説明をしなきゃいけないから大変だと思うけど、もうすでによく理解してくれている上長だったおかげでスムーズに取り組めました。
託児所案についてはまだ企画中の段階で、すこし前までは中々前に進められなかった提案でしたが、最近ではSDGsとかスタッフさん目線で議論が出来ているので、「やりましょう!いいですね、それ!」と前向きな会話が出来ています。
上長がそのような思考のある方だったので、ありがたいことにスムーズに進められています。
―そういうことですね、確かに上長含めて周りの社員の方、全員に言えることかなと思うのですが、SDGsの理解って大事だなと思いました。
【中村さん】
周りの上長、同僚、部下が SDGsとか社会貢献をやった方がいいと思っている人たちだったから話は進みやすかったなと思いますね。
実際の成果
―実際にプロジェクトを導入されてから、どういった成果がありましたか。
センター内のゴミの削減とSDGs認知拡大
【中村さん】
マイボトルの提供とウォーターサーバー設置のおかげで、ペットボトルのゴミの削減ができていることと、あとコミュニケーターさんたちの中でSDGsの認知が広がっているなという風に感じます。
コミュニケーターさんがご自身のお子さんにSDGsのことを伝えたことで「(子供が)勉強になった」という話を聞いたり、お子さんが夏休みの課題にSDGsを取り上げていたという話を聞いたり。
CRMセンターでのSDGsの取り組みを通じて、コミュニケーターさんが身近にいる家族や周りの方に啓蒙していってくれているなと感じます。
―すごく良い影響ですね。実際に取り組みを開始してみて、 導入する前からこういったところも大きく改善されたという事例があれば、教えていただけますか?
コミュニケーターの定着率低下
【中村さん】
コミュニケーターの定着率は去年に比べるとすごく上がっていると思います。福利厚生の一環で、ウォーターサーバー設置で環境整備ができたことが要因ですね。
実は前々からコミュニケーターさんから要望として上がっていたものだったので、今回SDGsきっかけで環境整備ができたことによって、定着率はよくなっているなと思いますね。
―素晴らしいです。コミュニケーターさんの声からもSDGs取り組みのヒントになることがまだまだまだ出てきそうですね。
【中村さん】
たしか託児所とかもコミュニケーターさんからあがった声なので、頑張って実現したいですね。
―今後導入される予定の取り組みは他にもございますか?
【中村さん】
あと個人的に取り組みたいなと思っているのは、女性の管理者比率を上げることです。
キャリアパスをしっかりと形成して、女性役職を増やせていけたらうれしいと思いますね。
―SDGsの17目標の中の「ジェンダー平等」に当てはまりますね。
【中村さん】
そうですね、元々やりたいなと思っていたことなので早くやりたいです。
―最後に企業がSDGsの取り組みを行うことに関して、中村さんのご意見や思いを教えていただけますか。
【中村さん】
SDGsって「人」に関することや、「環境問題」とか、いろんな視点で組み込まれていると思いますが、僕たちは人と人とを繋ぎ合わせる仕事をしているので、僕たちが1番このSDGsについてよく考えなきゃいけないんじゃないかなと思います。
あとウィルオブ・ワークは全国展開しているので地域活性化にもつなげていかなきゃいけないし、こういった考え方をどんどん啓蒙していかなきゃいけない、僕らの会社の役割であり、業界の役割なんじゃないかなと思います。
社会貢献が全体的にいい経済効果を生むかもしれないし、企業価値が上がれば会社ももっと成長していくと思いますね。
―おっしゃる通りですね。1人1人がビジネスパーソンとしてSDGsに対して向き合っているかと聞かれれば、まだまだのように感じるので、人材ビジネスに携わっている私たちがもっと積極的に考えていきたいところですね。
【中村さん】
そうですね、あとSDGsの取り組みを考えるときに、あの17目標の項目から考えないようにしているんですよ。
環境問題とか人に関する社会課題を考えて「こういう取り組みが出来たらいいな」と考えたものが、たまたまSDGsに当てはまっているよね、という感じで結び付けられたらいいかなと思っていて。
―確かに・・・おっしゃる通りですね!
【中村さん】
ただただ「世の中を良くしたいな」「楽しくしたいな」と考えたものや改善取り組みが、結果的にSDGsに結びついている となる方がしっくりくるので、そういう考え方でも良い気がしますね。
最後に
「社会貢献をしたい、世の中のためになる取り組みをしたい」中村さんの内なる熱い思いが感じられるお時間でした。
これからSDGsの取り組みを考えられている企業さまにとって、ウィルオブ・ワークのCRMセンターでの取り組み事例や、中村さんからお話いただいた内容が少しでもヒントになりましたら幸いです。
企業や政府だけではSDGs目標を達成することは容易ではありません。
1人1人がビジネスパーソンとして、SDGsに取り組むことの重要性を理解し、具体的な取り組みについて考え行動することが大切です。
まずは話し合うことから始めてみてはいかがでしょうか。
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