【2024年最新版】AI-OCR製品比較!おすすめ8製品の特徴と導入ポイントを解説
2024/11/20
- システム導入
- 業務効率化
- 生産性向上
AI-OCRは、手書き文字や非定型帳票の自動処理により、業務効率を飛躍的に向上させる可能性を持っています。しかし、自社に最適な製品を選ぶには慎重な検討が必要です。
本記事では、AI-OCRの基本的なメリットやデメリットから、選定・導入時の重要ポイント、主要なAI-OCR製品の特徴について解説します。自社の要件に最適なAI-OCRを選び、効果的に導入することで、業務プロセスの大幅な改善と生産性向上が期待できますので、AI-OCRをご検討されている方はぜひご一読ください。
AI-OCRの導入を検討中の方へ・・・
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AI-OCRとは
AI-OCRとは、AI技術を活用した最新のOCR(光学文字認識システム)のことです。
OCRは印刷されたテキストをスキャンしデジタル化する技術です。この技術は画像内の文字を検出し、コンピューターが読み取れる文字コードに変換します。OCRの主な利点は、紙の文書をデジタル編集可能なテキストに変換できることです。これにより、文書管理が容易になり、文書の検索も簡単に行えるようになります。
さらに近年では、AI技術の代表的な手法であるディープラーニングを組み合わせることで、従来のOCR技術と比較しより高度な文字認識能力を実現しています。
AI-OCRが注目される背景
AI-OCRが注目される背景には、従来のOCR技術の限界と、ビジネス環境の変化が挙げられます。従来のOCRは、印刷された文字の認識には優れていましたが、手書き文字や複雑なレイアウトの文書に対しては精度が低く、実用性に課題がありました。
一方、AIを活用したOCRは、機械学習やディープラーニングの技術を用いることで、これらの問題を大幅に改善しています。さらに、デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進やテレワークの普及により、企業は紙文書の電子化と業務効率化を進めています。AI-OCRは高精度で多様な文書を処理できるため、この需要に応える技術として注目を集めています。
従来のOCRとの違い
前述した通り、AI-OCRは、従来のOCR技術の限界を克服し、文書処理の新たな可能性を開きました。
従来技術が定型的な文書フォーマットに主眼を置き、手書き文字や非定型フォーマットの処理に苦心していた一方、AI-OCRはAI技術の活用により、多様な文書形式に対応できるようになりました。特筆すべきは、AI-OCRが文書のレイアウトやコンテキストを理解する能力を持ち、非定型文書も高精度で処理できる点です。
これにより、AI-OCRは精度、柔軟性、拡張性において従来技術を大きく上回り、ビジネスにおける文書処理の効率化と高度化に貢献しています。
AI-OCRのメリットとデメリット
AI-OCRの導入には、多くのメリットが存在しますが、一方で注意すべきデメリットもあります。ここでは、従来のOCRとの違いも踏まえてAI-OCRのメリットとデメリットについて詳しく解説します。
AI-OCRのメリット
高精度な文字認識
AI-OCRは機械学習を活用し、多様な書体や手書き文字を高精度で認識します。従来のOCRでは困難だった複雑なレイアウトや低品質の画像でも正確に文字を抽出でき、業務効率の大幅な向上につながります。
学習による継続的な精度向上
従来のOCRはパターンマッチングであり、人間がルールを追加しない限りは精度の向上はありませんでしたが、ディープラーニングを活用したAI-OCRでは学習データを追加していけば、継続的に認識精度が向上します。新しい文書形式や特殊な表記にも適応し、時間とともにパフォーマンスが改善されるため、長期的な投資価値が高く、運用コストの削減にもつながります。
柔軟な文書処理能力
従来のOCRでは帳票ごとに複雑なルールベースを構築し管理する必要がありましたが、AI-OCRはコンテキストを理解し、非定型文書も効率的に処理できます。請求書や契約書など、レイアウトが異なる文書でも必要な情報を正確に抽出し、データ化することが可能なため、多様な業務プロセスの自動化が実現します。
AI-OCRのデメリット
導入コストの高さ
AI-OCRシステムの導入には、ソフトウェアライセンス費用や専門的な設定、従業員のトレーニングなど、高額な初期投資が必要です。中小企業にとっては財政的負担が大きく、導入を躊躇する要因となる可能性があります。ただし、最近ではクラウド技術やディープラーニング技術の発展に伴い、安価で精度の高いAI-OCRSaaS型のサービスも出現しています。
データセキュリティのリスク
AI-OCRは大量の機密文書を処理するため、データ漏洩のリスクが高まります。クラウドベースのソリューションを使用する場合、ネットワーク経路としてインターネットを利用することが多いため、特に注意が必要です。クラウドサービスによってはVPN接続が可能だったり、セキュリティを高める方法はあるため、IT部門やセキュリティ部門と連携し、適切な対策を行いましょう。
100%の精度を保証できない
AI-OCRは高度な技術ですが、100%の精度を保証するものではありません。特に複雑な文書や低品質の画像では、人間による確認や修正が必要になることがあります。完全な自動化を期待して導入したにもかかわらず、人的介入が必要になるケースもあり得るため、投資対効果の試算時には注意が必要です。
AI-OCR選定時のポイント
AI-OCR製品を導入する際には、企業のニーズに最も合った製品を選ぶことが重要です。以下のポイントを考慮することで、最適なAI-OCRを選定する手助けとなります。
特定文書への対応力を検討する
AI-OCR製品を選定する際、自社で扱う特定の文書タイプへの対応力を慎重に検討することが重要です。請求書、契約書、申込書など、業界や企業特有の文書フォーマットに対する認識精度や処理能力を評価します。
製品によっては特定の文書タイプに特化した機能や、カスタマイズ可能なテンプレート機能を提供しているものもあります。自社の主要文書サンプルを用いてテストを行い、実際の業務に即した対応力を確認することが重要です。
手書き対応の有無を確認する
自社で扱う文章に手書きの文字が含まれている場合、手書き文字の認識能力は重要な判断基準となります。様々な筆跡や文字の崩れに対する対応力、数字と文字の識別能力、記入欄外の文字の処理方法なども確認しましょう。手書き文字認識の精度は使っているAIモデルの性能によって大きく異なるため、自社で扱う典型的な手書き文書を用いてテストを行うことが望ましいです。
事前試験で認識精度を確認する
AI-OCR製品の選定プロセスにおいて、事前の試験による認識精度の確認は極めて重要です。多くのベンダーは無料トライアルや実証実験の機会を提供しているため、これを活用して自社の実際の文書で精度テストを行います。
この際、様々な文書タイプ、品質、フォーマットを用いてテストし、OCRの汎用性を評価します。特に、低品質の画像や複雑なレイアウトの文書での性能を確認することが重要です。また、認識エラーの頻度や種類、エラー修正の容易さなども評価のポイントとなります。十分な試用期間を設け、複数の担当者で評価することで、より客観的で信頼性の高い判断が可能となります。
セキュリティ機能を評価する
多くの場合、OCRで処理される文書には機密情報や個人情報が含まれるため、データ保護は最優先事項となります。評価すべき主なセキュリティ機能には、保存時と転送時のデータの暗号化、アクセス制御、ユーザー認証、監査ログの記録などがあります。また、クラウドベースのソリューションを検討する場合は、データセンターのセキュリティ基準やコンプライアンス認証も確認します。さらに、データの保持期間や削除ポリシー、災害復旧計画なども重要な検討事項です。自社のセキュリティポリシーとの整合性を慎重に評価し、リスク管理の観点から最適な製品を選択することが求められます。
システム統合の容易さを検討する
AI-OCR製品を選定する際、既存のシステムやワークフローとの統合の容易さも欠かせない選定ポイントです。スムーズなシステム統合は、導入後の運用効率と投資対効果に大きな影響を与えます。
評価すべき点として、まず標準的なAPIやコネクタの提供状況を確認します。また、カスタマイズの柔軟性も重要で、自社特有のニーズに応じた調整が可能かどうかを検討します。統合の容易さは、導入時間の短縮やコスト削減にも直結するため、IT部門や現場の意見を踏まえて慎重に評価することが望ましいです。
サポート体制を確認する
AIシステムは優れた技術を持っていても、適切なサポートがなければ効果的な運用を継続することは難しいです。評価すべき点として、まずサポートの提供時間帯と対応言語を確認します。24時間365日のサポート体制があるか、海外製品も視野に入れている場合は特に日本語でのサポートが可能かなどが重要です。
また、サポートの方法についても確認しておきましょう。メールやチャットといったテキストだけの対応になるのか、電話での相談も可能なのかなど、利用するユーザーのリテラシーに合わせたサポートチャネルが用意されていることが肝です。
さらに、導入時のトレーニングやコンサルティングサービスの有無、定期的なアップデートやバージョンアップの頻度なども確認します。ユーザーコミュニティやナレッジベースの充実度も、日常的な問題解決に役立ちます。もちろん、サポートの充実度はコストとの兼ね合いもありますが、長期的な運用を見据え、信頼できるサポート体制を持つベンダーを選びましょう。
従量課金制と月額料金を比較する
AI-OCR製品では、一般的に、従量課金制と月額固定料金の2つの主要な料金モデルがあります。
従量課金制は処理したページ数やドキュメント数に応じて課金されるため、使用量が変動する企業や、利用頻度が低い企業に適しています。一方、月額固定料金は定額で無制限に使用できるため、大量の文書を定期的に処理する企業に適しています。
選択の際は、自社の利用パターンと予算を考慮し、長期的なコスト予測を立てることが重要です。また、最小利用量や契約期間の縛り、スケールアップ時の料金変動、追加機能やサポートにかかる費用も含めて総合的に評価することで、最適な料金プランを選択できます。
コスト削減効果を試算する
AI-OCR導入によるコスト削減効果の試算では、現在の手動データ入力にかかる人件費や時間、エラー修正のコスト、保管スペースの費用などを詳細に分析します。これらの現状コストと、AI-OCR導入後の予想コスト(ライセンス料、運用コスト、トレーニング費用など)を比較し、長期的な費用対効果を算出します。
また、業務プロセスの効率化による生産性向上や、データの即時利用による意思決定の迅速化など、定量化しにくい便益も考慮に入れます。導入によるエラー率の低減や、コンプライアンス強化によるリスク軽減効果も評価することで、AI-OCR導入の経営的意義を明確化し、適切な投資判断を下すことができます。
2024年おすすめAI-OCR製品
2024年の最新のAI-OCR製品について、主要な8つの製品を取り上げ、その概要と特徴を解説します。
DX Suite (AI inside株式会社)
AI inside株式会社が提供するDX Suiteは、AI-OCR市場でシェアNo.1の実績を持つサービスです。
2015年設立の同社は、AI技術を活用したソリューションを専門とし、DX Suiteではディープラーニングによる継続的な精度向上を実現しています。このサービスの特徴は、手書き文字や活字、FAX、写真撮影した書類など、多様な形式に対応できる柔軟性にあります。自社開発の高精度な文字認識と幅広い帳票対応能力により、企業のデジタル化ニーズに応えるAI-OCRソリューションとして評価されています。
LINEWORKS OCR (LINEWORKS株式会社)
LINEWORKS OCRは、LINEと連携する唯一のビジネスチャットサービスを展開するLINEWORKS株式会社が提供するAI-OCRサービスです。
元々LINEのCLOVAブランドで開発されたAI技術をベースにしており、OCRの認識精度を争う世界的なコンペにおいて計6部門で世界No.1を獲得している高精度な文字認識技術が特徴です。また、定型書類だけでなく、事前設定不要な特化型や全文認識/表抽出型の3つのタイプを提供し、さまざまな帳票に対応することが可能です。APIとクラウドアプリケーションの2つの形態でサービス提供されています。
DEEPREAD
DEEPREADは、EduLab株式会社が提供するAI-OCRサービスであり、手書き文字のデジタル化に優れた性能を持っています。このサービスは独自の研究開発を基にしており、金融業界、医療機関、教育機関など幅広い業界で利用されています。クラウド型およびオンプレミス型の提供が可能で、高いセキュリティと柔軟なサーバ構築をサポートします。さらに、ディープラーニング技術を活用することで、作業時間を最大70%削減し、認識精度99%以上を実現しています。API機能も備えており、自動化とデータ抽出の効率を大幅に向上させます。
AnyFormOCR (株式会社ハンモック)
OCRソリューションを専門とする株式会社ハンモックが開発したAnyFormOCRは、高精度な文字認識と使いやすさを両立したAI-OCRソリューションです。
99.97%という極めて高い文字認識精度を誇り、ユーザーフレンドリーな設計が特徴です。プログラミング知識がなくても帳票設定が可能なため、IT専門家でなくても容易に利用できます。さらに、自動計算機能による帳票分類機能を備えており、多様な業務形態に柔軟に対応できます。
スマートOCR (株式会社インフォディオ)
AI技術を活用したソリューションを提供する株式会社インフォディオのスマートOCRは、独自のAI技術を駆使した高精度なOCRサービスです。
特筆すべき点は、インフォディオ独自開発の AI文字列エリア認識エンジン、 AI文字認識エンジン、 AI歪み補正エンジンによる高度な画像処理能力です。これにより、従来のOCRでは困難だった非定型帳票の読み取りにも強みを発揮します。スマートOCRは、複雑な文書や低品質の画像でも高い認識精度を維持し、企業の多様なデータ入力ニーズに応えるソリューションとして注目されています。
eas (株式会社うるる)
クラウドソーシングサービスを中心に展開する株式会社うるるが提供するeasは、AI-OCRと入力オペレーターを組み合わせた革新的なデータ化サービスです。
最大の特徴はシステムだけではなく、オペレーターと組み合わせている点です。AI技術と人的リソースを効果的に融合させることで、99.98%という驚異的な文字認識精度を実現しています。さらに、単なるデータ化にとどまらず、処理後の業務フロー提案も行うなど、顧客のビジネスプロセス全体の最適化を支援する包括的なサービスとして評価されています。
AIRead (アライズイノベーション株式会社)
アライズイノベーション株式会社が開発したAIReadは、多言語対応の高精度AI-OCRソフトウェアです。
日本語、英語のほか、中国語(簡体字、繁体字)、タイ語、ベトナム語などの東南アジア圏や、ロシア語など幅広い言語に対応しており、グローバルなビジネス環境で活用できる点が大きな特徴です。多言語対応と高い認識精度により、国際的なビジネス展開を行う企業にとって有力なツールとなっています。また、セキュリティや既存システムとの連携などに応じて、オンプレミス、クラウド、LGWANなど様々な環境でも利用できる点も特徴です。
CaptureBrain (株式会社キヤノンITソリューションズ)
キヤノングループのIT関連ソリューションを提供する株式会社キヤノンITソリューションズが開発したCaptureBrainは、クラウド型のAI-OCRソリューションです。
キヤノンITSが培った画像処理・AI(人工知能)技術、株式会社Cogent Labsの手書き・活字文字認識AI OCRエンジン「Tegaki」をはじめとする複数のOCRエンジンを搭載しており、高精度な文字認識を実現しています。さらに、kintone連携用のマッピングツールを無償提供しており、CaptureBrainのOCR読取結果を簡単にkintoneへ自動連携でき、業務効率化を実現しています。
まとめ
AI-OCRは、企業のデジタルトランスフォーメーションを加速させる重要なツールとして期待が高まっています。高精度な文字認識や継続的な学習による性能向上により、業務効率の大幅な改善と人的ミスの削減が見込まれます。
しかし、AI-OCR製品の選定には多くの要素を考慮する必要があり、特定文書への対応力、セキュリティ機能、システム統合の容易さなど、慎重な検討が求められます。さらに、導入後の運用やメンテナンスにも相応の労力とコストがかかることを認識しておく必要があります。
このような状況を踏まえると、AI-OCRを駆使したBPOサービスの活用も有効な選択肢となるでしょう。BPOサービスを利用することで、高度な技術と専門知識を持つ外部のプロフェッショナルにAI-OCRの運用を任せられるため、自社での導入・運用の負担を軽減しつつ、その恩恵を享受することができます。各企業は自社のニーズと状況を見極め、AI-OCRの直接導入かBPOサービスの利用か、最適な方法を選択することが重要です。
BPOサービスならウィルオブ・ワークへ!
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Writer編集者情報
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コネナビ編集部 上原 美由紀
採用業務支援・求人広告事業会社を経て2019年9月に株式会社ウィルオブ・ワークに入社。
コールセンターとオフィスワークに特化した人材サービスの事業部へ配属、キャリアアドバイザー職を経験。
産育休を経て現在子育てにも奮闘中!
・趣味:音楽 ゲーム ディズニー お酒
・特技:タスク管理