RPAの活用事例10選│実際に効果を上げた業務について具体的な事例をご紹介

2023/10/19

人件費削減や作業効率向上などを目的に、さまざまな企業がRPAを導入しています。

特にデータ入力や自動メール送信など事務系作業との相性が良いことで広く知られておりますが、実際にRPAを導入することによってどのような効果が得られるのでしょうか。どのような悩みをどのように改善することができたか、知りたい方もいらっしゃるのではないでしょうか。

この記事では、弊社が導入支援を行なっている「WinActor」の中から、既に業務改善・業務効率化を実現したRPAの成功事例をご紹介します。RPAのさらなる活用や、これから導入を検討している方の業務整理に役立つ記事となっておりますので、ぜひご一読ください。

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RPAの概要やメリット、選定ポイント、具体的な製品比較については別記事でも解説していますので、そちらもぜひ参考にしてください。
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RPAとは

RPAとは「Robotic Process Automation (ロボティック・プロセス・オートメーション)」の頭文字を取った略称で、主にオフィスワークで行われている定型業務を自動化することができるソフトウェアのことです。

RPAが活用できる業務は主にPC内で完結し、判断等が必要ない業務です。処理フローやマニュアルが確立されている単純作業だと、より効果を発揮します。またRPAは部門問わずあらゆる場面で活用されていますが、特にバックオフィス系の部門(経理・会計、総務・人事労務、営業事務等)での導入が進んでいます。

業界は問わず、あらゆる産業での活用が進んでいます。次章にて具体的な活用事例をご紹介します。

RPAの活用事例(業界別)

活用事例1:データ抽出とメール送信(製造)

製造業では複数の管理システムを併用しているケースが多々あります。
今回ご紹介する事例でも、安全在庫数、出荷予定数、製造依頼データをそれぞれ別のシステムで管理をしており、担当者に報告する際は3つのシステムからそれぞれデータを抽出して提出用データを作成し、メールにて翌朝9時に担当者に送信するという業務を行なっておりました。

各システムからCSVでダウンロードを行い、一つの提出データにまとめる作業は地味な単純作業ではありますが、毎回人手と時間がかかる作業かつ毎日発生するため、年間で換算すると多くの時間を費やしておりました。

そこでこの会社ではRPAを導入し、各システムのデータ抽出からデータ加工、メール送信まで全ての作業を自動化することに挑戦しました。前日にメール送付の予約までを実行し、翌朝9時には送付されるように実行しておくことで、前日の業務のみで完結するうえ、業務時間を年間で570時間相当削減することに成功しました。

活用事例2:受注データのダウンロード・取り込み(製造)

製造業に限らず複数の取引先があると、取引先ごとにシステムが違うなど業務が煩雑になりやすく、ヒューマンエラーが発生したり、多くの時間がかかってしまうケースがあります。

今回の事例でも約20社ある取引先で様々な受発注システムが使われており、各社それぞれのシステムからダウンロードし、データ加工する業務を行なっておりましたが、それぞれシステムごとにダウンロードまでの操作や加工方法が異なるうえに複数社あるため量が多く、入力ミス、漏れが頻発していました。

そこでこちらの会社ではダウンロードからデータ加工、自社システムへアップロードを行うところまでをRPAを導入し自動化しました。結果、業務時間の短縮、入力ミス、漏れ防止に繋がり、月間360時間の時間削減に成功しています。受発注システムが増えるたびに、RPAのメンテナンスは必要なものの、一度RPA内で定義をしてしまえば、あとは自動で作業が行われヒューマンエラーの心配もありません。

活用事例3:受注データの確認と在庫管理システムへの入力・出荷指示書作成(製造業)

確認や判断を伴う業務はRPAで自動化することが難しくまだまだ人手が必要ですが、その前後の作業をRPAで自動化することはできます。

こちらの事例は、Webからの受注データを都度ダウンロードする作業を自動化、受注データの確認は人間が行ない、在庫管理システムへの出荷登録と出荷指示書の作成・送付はRPAで自動化した例です。

元々、実行タイミングがバラバラだった業務ですが、受注時に受注データが自動で送付されるようにし、確認後の出荷登録と出荷指示を自動化することで一括処理が可能となり、タイムリーな対応と業務時間削減を実現することできました。

活用事例4:申請内容を個別に判断し、内容ごとに異なる工程でシステム入力(製造)

こちらの事例は、RPA導入前は故障・不具合対応の際に、申請内容別に入力を行なっておりました。月間約3500件の大量の定型業務を人力で判別・入力を行っていたうえ、内容ごとに処理工程が異なる複雑な業務となっており、特定の社員にしかできない属人化した業務となっていました。

そこで、申請内容別にシステム入力する業務を自動化することで、人の業務を申請エラーの対応のみにできるようRPAを導入。業務が単純になったことで、属人化することを防ぐことができ、月間430時間の削減効果にも繋がりました。

活用事例5:情報を突合し、リストを作成する(医療)

リスト作成は業界に限らず、単純な作業の繰り返しではあるものの、扱うデータ量が多く骨の折れる作業です。こちらの事例でも患者情報と入院情報を突合し、短期入院リストの作成を人力で行っておりました。患者・入院情報はそれぞれデータ量が膨大で処理、作成に時間がかかり、処理件数も多いため入力ミスなどが多発していました。

対策として人によるダブルチェックを行なっていましたが、そちらも工数がかかる上、確実にミスをなくすことはできず、システムで解決することを検討しRPAを導入しました。突合ルールを決めることで患者検索から短期入院リストまで自動化することができ、年間700時間の削減に成功しました。

活用事例6:報告書を管理システムに入力(製薬)

こちらは月に2500件、都度送付される報告書を管理システムへ入力する業務を行なっていた製薬会社での事例です。報告者はPDFで送付され、目視で確認し手入力を行い、ミスの確認までを一連の流れとして実施します。そのため、1件あたりの処理に3分ほどかかっており、都度対応のため常に誰かを待機させておく必要がありました。

そこで都度送られてくるメール送付をトリガーにしてRPAを起動し、PDFの文字データから一覧化、一覧化したものをシステムへ入力する業務を自動化。人が行う業務はシステム入力前の確認のみにすることで、結果的に年間約1,000時間の削減ができ、大幅な人件費の削減に成功しています。

活用事例7:不着で返送された発送先をシステムへステータス登録

カード会社にとって、都度返送されてくる不着物に対する処理は売上にはなりませんが、対応をしないといけない厄介な業務です。こちらのカード会社でも不着となった発送先をシステムへ登録する業務を行っておりました。発送先などIDで管理されているため細かい入力はありませんが、1つずつIDを入力して情報を呼び出し登録完了するまでに多くのクッションを挟むため、同じ作業を何度も繰り返す必要があります。

そこで、ハンディスキャナに対応することでIDをExcelへ一覧化し、RPAで一覧化したデータを仕分けすることで、システムログイン・入力までを一気通貫で自動化する取り組みに挑戦。全体で年間400時間ほど削減する業務効率化に繋がりました。

活用事例8:2つの異なるデータ形式を抽出し、差異の突合・消込を行う(金融)

カード会社では毎日、クレジットカード・デビッドカードのオーソリデータと加盟店の確定明細データをダウンロードし、突合・消込作業を行っていました。近年デビットカード使用が大幅に増加したことで、増員が必要な状況となっていましたが、採用するには時間とお金がかかっていました。

そこで改めて業務手順を見直し、自動化効果が高い突合、消込業務にRPAを適用することに取り組みました。結果的に増員不要となり業務時間も削減することができ、月間で370時間の削減を実現しています。

活用事例9:FAXなど紙の申請書について複数のシステムで調査・照会を行う(金融)

業界によってはいまだにFAXなど紙ベースで業務が行われているケースあります。お取引先等がアナログな方法しかできない場合、自社の都合だけでDX化を進めることはできず、お取引先に合わせる対応が必要になります。

こちらの会社も年間数千件のFAXなど紙で申し込まれた住宅ローンの申請データの調査・照会を行員が手作業で行っていました。1件ごとに申込書の項目を入力する細かい作業のほか、特に調査・照会を行うため時間も手間もかかり大きな負担となっていました。

そこで、こちらの会社ではRPAとAI-OCRを導入。まずAI-OCRを用いてFAXなど紙で書かれた申請書をデータ化し、RPAを用いて基幹システムとの内容調査、照会までを自動化することに成功しました。

紙ベースの業務など、単純にはRPAで自動化できない業務も、他のソリューションと組み合わせることで自動化することができる好事例となりました。

活用事例10:公文書の発行状況の確認・ダウンロードし、仕分けて保存する(士業)

とある社労士事務所では、労働保険や社会保険などに関する書類の作成と申請の代行手続き事業を行なっており、月間に数万件の対応を行っております。
公的申請まではデジタル化されていますが、申請完了後にデータが正常に受理されたか、決定通知が発行されたか照会する業務は都度手作業で行っており、件数に比例して売上は伸びていくものの同時にコストも増加することが課題でした。

コスト削減を実現すべく改めて業務整理を行なったところ、決定通知の確認・内容照会は定型業務であることが判明し効率化の余地があることが分かります。

そこで、RPAを導入することで処理の自動化を行い、常時稼働させることで大幅な業務効率化を実現しました。

事業インパクトは大きく、年間9万時間の業務時間削減は人件費にして1億4400万円(2022年時点での事務員/都内の平均時給1600円で換算)のコスト削減と、確認対応数のキャパシティの底上げに成功し、さらなる売上増加が期待できる結果となりました。

まとめ

本記事では、RPAの活用事例について各業界の事例をご紹介しました。

RPAは多くの企業ですでにコスト削減を実現しています。今回、業界別に具体的な事例としてご紹介しましたが、どの業務も似たような業務が皆様の中にもあったのではないでしょうか。

RPAは24時間365日で稼働が可能なため、今回ご紹介した事例の業務を組み合わせて、遊休時間がないようにRPAを稼働させれば、より効果的に生産性を高めていくことができます。

ぜひ皆様も日々の業務の中で自動化できそうな業務を見つけて、積極的にRPAを活用してみてはいかがでしょうか。

Writer編集者情報

  • コネナビ編集部 丸山 実咲季

    2022年4月に入社し、コールセンターとオフィスワークに特化した人材サービスの事業部へ配属。
    営業推進部にてインサイドセールスに従事し、テレアポからメールマーケティングなどのプル型施策によりリード獲得に貢献。
    2022年5月からTwitterアカウントの運用も担当。2022年度のグループ全体「新卒新人賞」にノミネートされる実力者。市場価値爆上がり中の2年目社員!
    ・趣味:お洒落なカフェの空間を探したり、自然の中をお散歩することが好きです!その他、バスケ 料理 音楽など多趣味です。
    ・特技:相手の表情を汲み取って行動や発言ができる点。

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