コールセンターのKGIとは│KPIとの違い・設定手順とポイントを解説
2024/10/08
新しくコールセンターを構築する上で円滑な運営を目指すためには、KGI(Key Goal Indicator)の設定が必要不可欠です。ではなぜKGIの設定が必要なのでしょうか?よく耳にするKPIとの違いは?
本稿では、KGIの基本概念から始め、なぜコールセンターにおいてKGI設定が重要であるかを探ります。理想のコールセンター運営をする上での必要事項について分かりやすく解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。
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KGI(Key Goal Indicator)とは?
KGI(Key Goal Indicator)とは、重要目標達成指標のことです。企業がビジネスをする上で目指すべき最終目標(GOAL)を定量的に定めたものとなります。 コールセンターにおけるKGI設定として代表的なものとして「顧客満足度向上」「売上向上」「新規顧客の獲得」などがあります。
コールセンターにおけるKGIの重要性
コールセンターは企業と顧客との接点の場であり、企業全体の評価に大きく影響を与える重要な役割を担っています。そのコールセンターが、運営目的や目指すべきゴール設定を曖昧にしてしまうと、社員やオペレーターは方向性を見失ってしまいます。 KGIを設定することは、いつまでにどのようになるのかという明確な目標に向かって社員全員が同じ方向を見て取り組むことができ、企業の成長を促進させることが可能になるのです。
KGIとKPI(Key Performance Indicator)の違い
KGIと似た言葉で、KPI(Key Performance Indicator)というものがあります。それぞれの意味をまずは確認していきましょう。
KGIとは
先に述べた通り、KGI は重要目標達成指標のことで、組織全体が達成すべき主要な目標に焦点を当てた定量目標です。組織がめざすべきGOALを定めたものになります。
KPIとは
一方、KPIは、重要業績評価指標のことで、KGIを達成するための中間目標のことです。KGIが達成できるよう、プロセスが適切に行われているか定量的に計測する指標です。
KSF(Key Success Factor)とは
KSFとは重要成功要因のことで、KGIを達成するための必要な要素のことを指します。KGIとKPIは定量的に評価されるものですが、KFSは定性的に評価されます。例えば「来年度の新卒入社数を10名から20名に増員する」というKGI設定の場合、KSFは「採用チャネルを増設する」「リレーションスピードをUPする」といった具合に設定されます。
ここでコールセンターにおけるKGI設定の例と、それを達成するためのKPI設定についてみていきましょう。
KGI設定が、「利益を前年比120%にする」の場合、下記のようなKPIが設定されます。
KPI:
・〇〇商品の売上額を前年比〇%にする
・解約率を〇%減少させる
・センター運営にかかるコストを〇%削減する 等
例でお見せしたとおり、KGIの目標設定もKPIの設定も数値で明確に計測できるようにする必要があります。
KGIの設定手順とポイント
KGIを設定するには以下の手順とポイントが役立ちます。
フレームワークSMARTを用いて設定する
SMARTとは、具体的(Specific)、測定可能(Measurable)、達成可能(Achievable)、関連性(Relevant)、期日(Time-bound)の頭文字を表しています。
具体的 (Specific)
KGIは先に述べたとおり、定量的な目標を設定しましょう。社員が同じ目標に向かって取り組むためにも、明確になっていなければいけません。また、定期的に測定ができ目標に対して進捗がどれぐらいなのか明確にしなければいけません。いつまでにどのようになっているのか、数値で測れるように設定を行いましょう。
測定可能 (Measurable)
KGIは数値や指標で測定可能であるべきです。数値で進捗を測定できることは、目標達成の進捗を定量的に評価できるという点で重要です。
達成可能 (Achievable)
KGIは現実的かつ達成可能な目標を設定する必要があります。設定した目標が、あまりにも現実的でない場合、社員のモチベーションの低下を引き起こしてしまったり、挫折感が生じてしまったりする恐れがあります。
関連性 (Relevant)
KGIはビジネスの戦略やビジョンと直結している必要があります。KGIが組織の大局的な目標に関連していれば、それが組織全体の進捗に寄与します。
期日 (Time-bound)
KGIには達成期限が設定されるべきです。明確な期限があることで、プロジェクトの進捗が定期的に評価され、戦略が時間通りに実行されます。 SMARTの原則を適用することで、KGIが具体的で実現可能な目標となり、効果的なモニタリングや改善が可能となります。
KPIの設定
KGIの設定ができたら、目標達成するための中間目標、KPIを設定します。 KGIを達成するために的確な目標設定であるか、またKPIについても定量的に計測できるよう数値で具体的に設定を行います。
PDCAサイクルとKGIの連携
PDCA(Plan-Do-Check-Act)サイクルは、KGIの連続的な改善に有用な手法です。以下はPDCAサイクルとKGIの連携に関するポイントになります。
計画 (Plan)
KGIの目標を明確に設定し、コールセンター業務の改善計画を策定します。どのKGIに焦点を当て、サービス品質や効率性向上のための具体的な計画を練ります。
実行 (Do)
計画に基づいて、具体的な改善活動を実行します。例えば、新しいプロセスの導入や従業員のトレーニングプログラム、システムのアップグレードなど、KGI達成に向けた具体的な行動を実施します。
評価 (Check)
定期的にKGIを再評価し、改善の進捗を確認します。改善策が期待通りに機能しているか、KGIにどのような影響を与えたかを詳細に評価します。この段階で得られたデータは次の計画に生かすことができます。
対応 (Act)
評価の結果に基づいて、さらなる調整や改善を実施します。成功した取り組みは次のPDCAサイクルに組み込まれ、継続的な改善が行われます。この段階ではPDCAサイクル全体のプロセスを見直し、次なる改善への洞察を得ます。
PDCAサイクルをコールセンター業務に組み込むことで、変化する状況に柔軟に対応し、サービス品質向上と効率性の向上が期待できます。連続的な改善を通じて、コールセンターはより効果的な顧客サポートを提供し、ビジネス目標の達成に近づくことができるでしょう。
まとめ
本稿では、コールセンターにおけるKGI設定の重要性について解説しました。
現在、コールセンター運営を行っているご担当者様、これからコールセンターを立ち上げ運営を行われるご担当者様にとってお役に立てられれば幸いです。
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Writer編集者情報
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コネナビ編集部 濱松 浩志
2020年4月ウィルオブ・ワークに新卒入社。
コールセンターとオフィスワークに特化した人材サービスの事業部の福岡支店に新卒配属。
携帯キャリアのコールセンター半年、営業コーディネーター2年半経験。
2023年4月から営業推進部へ異動し、新規営業を担当。
休日は地元の少年野球チームのコーチを行っている。
趣味:野球観戦、ボードゲーム、ビールを飲むこと
特技:子供や動物になつかれること