コールセンターエスカレーション対応│発生原因と対策について解説

2023/12/02

コールセンターの舞台裏で繰り広げられるエスカレーション対応は、顧客サポートにおいて欠かせない要素となっています。顧客の問い合わせが多様かつ複雑化するなか、エスカレーションは問題を迅速かつ的確に解決するための重要なプロセスです。

本稿では、エスカレーションが発生する原因やエスカレーション対応における問題点、エスカレーション対応をなくすための効果的な施策について解説します。 エスカレーションの深い理解を通じて、顧客満足度の向上とスムーズな運営に貢献しましょう。

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コールセンターのエスカレーションとは

コールセンターのエスカレーションは、顧客からの問い合わせにオペレーターの対応だけでは解決できない場合に、リーダーやSV(スーパーバイザー)など管理者が応対を引き継ぐことです。エスカレーションは、顧客満足度低下を防ぎ、問題解決の迅速化に寄与する重要な対応手段となります。 一般的には、最初はオペレーター自身で解決できるよう顧客対応を行いますが、応対内容によっては管理者へ引き継ぐべきと判断する場合もあります。

エスカレーションが発生する要因

次に、エスカレーション対応になるケースを見ていきましょう。

オペレーター起因でのクレーム

オペレーターのスキル不足応対品質が原因で、クレームになってしまうケースもあります。

お客様からの問い合わせ内容がわからない場合、オペレーターはWEBマニュアルを検索したりFAQの確認を行ったり、SVに確認したりしますが、それに時間がかかりお客様を怒らせてしまうといったケースもあります。
応対品質の観点でいうと、新人オペレーターは電話対応に慣れていないため、言葉に詰まり、敬語表現をうまく使うことができず、お客様に不快な思いをさせてしまうケースもあります。 新人オペレーターに限らず、お客様からのクレームはベテランオペレーターでも起こりうる話です。例えばお客様からの要望に対しマニュアル通りの対応をしてしまう、機械的な対応な対応では「もっとこちらの声に耳を傾けてほしい」というお客様からすると、人間味のない冷たい対応をされた・・・と落胆し、結果怒りがこみ上げクレームになってしまうケースも。

オペレーターでは対応困難な場合

例えば、管理者にしか決裁権がないお客様からのご要望電話だと、SVへのエスカレーションが必要となります。問い合わせ内容によっては、すぐにSVにて対応すべきと判断される場合もあります。 はたまた、開口一番「管理者を出せ」とご立腹のお客様もいることでしょう。管理者に引き継ぐためにお客様の情報やご要件を聞こうとしても、「管理者を出せ」の一点張りではオペレーターとしては手の施しようがありません。こういったケースはすぐに管理者に引き継ぎ対応をお願いします。

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エスカレーションにおける問題点

エスカレーション判断基準が曖昧

エスカレーションの判断基準が不透明であると、オペレーターやSVはどのケースをエスカレートすべきか正確に判断しづらくなります。基準の不明瞭さは一貫性の欠如につながり、結果として必要なエスカレーションが適切に行われない可能性が生まれます。明確で透明性のある基準の確立は、効率的かつ正確なエスカレーションプロセスを維持する上で不可欠です。

管理者への負担

エスカレーションが頻繁に発生すると、管理者に負荷がかかります。これにより、管理者の業務効率の低下につながり、組織全体の生産性に悪影響を及ぼすことが考えられます。特に限られた人数で運営を行っている管理者の少ないコールセンターだと重大な問題です。管理者も疲弊しセンター運営に大きく影響を与えてしまいます。

顧客満足度低下の恐れ

エスカレーションがスムーズに行われない場合、顧客の問題解決が遅れ、さらには顧客満足度の低下につながります。顧客はオペレーターの迅速な対応を期待しているため、エスカレーションの対応が滞ると顧客が不満を抱く可能性が高まります。これは企業にとって信頼性の低下や顧客離れにつながるリスクが高まります。 これらの問題に対してはしっかりとエスカレーションプロセスの改善が不可欠となりますので、次の章ではエスカレーションが発生する要因に対してアプローチ方法を解説します。

エスカレーション対応を減らす方法

先ほど、エスカレーションの発生原因についてご説明しました。まずは根本的な発生原因をなくすことによって、コールセンター全体の業務効率化をめざしていきましょう。

オペレーター育成

エスカレーションの対応を減らすためには、まずオペレーターのスキル向上が不可欠です。継続的なトレーニングや教育プログラムを導入し、オペレーターがより広範な問題に対処できるようにします。

新人オペレーター向けの育成方法:

コールセンター経験や接客経験のないオペレーターには、まず基本的な電話対応の研修を行う必要があります。普段敬語がスムーズに話せる方でも、いざ電話対応となると緊張して言葉に詰まってしまったり表現を誤ってしまったりと、顧客対応時にトラブルはつきものです。 商材やサービス、業務難易度のより異なりますが、しっかりと研修カリキュラムを整え、新人オペレーターがスムーズに業務開始できるよう体制を整えましょう。

ベテランオペレーター向けの育成方法

新人オペレーター研修を終えておわりということではありません。電話応対にはイレギュラー対応がつきものです。定期研修を設けることで、ベテランオペレーターも安心して電話対応することが可能になります。

ベテランオペレーターは新人オペレーターと違って「今更こんなこと聞けない」「はじめてイレギュラー対応に当たってしまったけど自分で調べなければ」という思いで業務に取り組んでいる場合が多いです。ベテランだから安心という考えではなく、入社して3か月目、半年、1年・・・というように定期的に研修実施やフォロー面談にて悩みや不安をキャッチアップできる環境を整えることで、ベテランオペレーターの成長につながり、自分で解決できるスキルを身に着けることが可能になります。

▼オペレーター育成に関する記事はこちら
オペレーター育成のポイント!コンタクトセンター研修で取り入れるべき事項を解説

FAQやマニュアルの整備

よくある問題や一般的な質問に対するFAQ(よくある質問)や適切なマニュアルの整備は、オペレーターがより効果的かつ迅速に対応できるようになる手段です。顧客からの問い合わせが予測可能なケースについて、事前に整備された資料を提供することで、オペレーターが的確な情報を提供しやすくなります。これにより、エスカレーションの発生頻度が減り、問題解決の迅速性が向上します。

昨今ではchatGPTの登場により、コールセンターの業務効率化が進んでいます。FAQをAIに作成してもらったり問い合わせの内容や応対履歴の要約を手伝ってもらったりなど、活用方法はさまざま。導入事例も増えてきています。下記の記事も是非参考にご覧ください。

まとめ

エスカレーションは問題解決のための重要な手段である一方で、その頻度を適切に管理することが極めて重要です。エスカレーション判断基準を明確にし、オペレーターのトレーニングを強化することで、問題に対する初級対応の成功率が向上します。また、FAQやマニュアルの整備はオペレーターのサポートを補完し、エスカレーションを減らす効果的な手段となります。これらのアプローチを総合的に取り入れることで、効率的かつ顧客満足度を向上させるエスカレーション対応が可能となります。 本記事がご担当者様のお役に立てることを願っております。

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Writer編集者情報

  • コネナビ編集部 平井 美穂

    2012年、株式会社セントメディア(現:株式会社ウィルオブ・ワーク)へ入社し、コールセンターとオフィスワークに特化した人材サービスの事業部へ配属。フィールドサポータや営業コーディネータ、キャリアアドバイザー、新規営業、人材紹介(転職支援)などを経験。
    2020年 人材紹介にて自己最高売上を記録、時短勤務×妊娠中での実績が評価され全社月間MVPにノミネート。現在5歳と2歳を育てるパワフルワーママ!

    ・趣味:断捨離、森林浴、岩盤浴
    ・特技:細かい事に気が付く点

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