コールセンター教育完全ガイド|オペレーター研修や重要ポイントを解説

2024/10/09

効率的なセンター運営を実現し、センター全体の売り上げ利益を向上させるための施策として、コールセンターの教育に力を入れることは非常に重要です。

とはいえ、以下のようなお悩みをお持ちのご担当者様も多いかと思います。


「コールセンターの教育体制を整えたいが具体的な方法がわからない」
「コールセンター教育に力を入れることで、応対品質や顧客満足度を高めたい」
「効率的なセンター運営を実現したい」
「教育体制を整えて、従業員満足度を向上し離職を防止したい」


本記事では、社員の教育に力を入れていきたいと考えるご担当者様に向けて、コールセンター教育の重要性やポイント、具体的な研修内容を解説します。

コールセンターにとって、顧客満足度や応対品質の向上は重要な課題です。これらを向上させるためには、コールセンター人材の教育に力を入れることが必要不可欠です。また、コールセンター教育はスキル向上だけでなく、従業員満足度の向上にも寄与し、その結果として社員の離職防止にもつながります。

それでは、詳細を見ていきましょう。

コールセンター運営において教育が重要な理由

まず、なぜコールセンター運営において、教育が重要なのか見ていきましょう。

応対品質の平準化と顧客満足度の向上が可能

良質なコールセンターを運営するには、応対品質顧客満足度が重要な指標の1つとなります。コールセンターの教育に力を入れることで、個人の経験や能力に依存せず、誰が対応しても同じ成果が得られる体制を整えることが可能です。
その結果、コールセンター全体の応対品質を平準化することが可能になります。 また、応対品質を平準化することで、顧客満足度やブランドイメージの向上につながり、企業の売り上げ利益向上に貢献することが出来るでしょう。

従業員満足度UPで離職を防ぐことが可能

コールセンターは離職率が高い職場の1つですが、その原因として「業務の難易度の高さ」や「不十分な研修」が挙げられます。

実際、オペレーターの離職率の高さに悩まされているご担当者様も多いのではないでしょうか?
そこで、教育に力を入れることで、オペレーターひとりひとりの対応スキルや仕事に対する意欲を向上させることが可能です。その結果、従業員満足度を向上させることで、社員の離職を防ぐことができるでしょう。さらに、こうした教育への投資は、従業員満足度の向上を通じて離職を防ぎ、新しい人材の採用にかけていた費用や時間を削減することにもつながります。

センター全体の生産性向上

良質なコールセンター運営には、センター全体の生産性を高めることも重要です。 しかしながら、教育が不十分なコールセンターでは優秀なオペレーターに業務が集中したり、目標の電話応対件数を達成できない人材が出てきたりします。
そこで、教育を徹底することで一人ひとりのスキルを高め、センター全体の電話応対件数や事務処理件数を増やすことが重要です。こうした取り組みは、センターの売り上げと利益の向上につながる重要な施策となるでしょう。

優秀なオペレーターに必要な主なスキル

コールセンター教育を行う際に、どのようなオペレーターに育成するか、具体的なイメージを持つことが重要です。この章では、優秀なオペレーターに必要な主なスキルを3つの観点から見ていきましょう。

コミュニケーション能力

コールセンターには日々、商品やサービスに関する質問、意見、要望、クレームなど、多種多様なお問い合わせが寄せられます。お問い合わせをしてくる顧客の心情や状況もさまざまです。
そこで、オペレーターとして大事にしたいスキルが、様々な状況に合わせてコミュニケーションをとっていく力です。

オペレーターは、他の職種に比べても非常に高いコミュニケーション能力が求められます。時には、顧客が商品やサービスに不満を感じて怒りを露わにし、興奮している状態でも、慌てずに話を聞き、相手に寄り添って要望を汲み取り、相手の立場に立って対応することが重要です。

また、コミュニケーション能力とはただ顧客の要望を汲み取る力だけではありません。顧客に寄り添い、顧客が抱えている不満や悩みに対して適切な言葉で伝えることも重要なコミュニケーション能力の1つです。

臨機応変に問題解決する力

コールセンターにお問い合わせする顧客は、商品やサービスに関する何らかの問題や不明点を抱えており、オペレーターに問題解決を期待しています。そのため、オペレーターは顧客の問題や要望を正確に理解し、問題解決に導く必要があります

顧客の要望を的確に汲み取り、適切な応対ができれば、顧客の悩みが解消され、顧客満足度も向上するでしょう。また、さまざまなお問い合わせに対応する中で、マニュアル通りにいかないこともあるはずです。オペレーターは、そうしたイレギュラーな場面においても臨機応変に対応できるスキルを磨く必要があります。

丁寧に仕事を進める力

丁寧に仕事を進める力」も優秀なオペレーターの特徴の1つです。
コールセンターのオペレーターの仕事は、顧客のお問い合わせに対応するだけではなく、問い合わせ内容をCRMシステムに記録し、場合によっては担当部署へ情報を連携することも含まれます。

オペレーターが後処理作業を疎かにすると、正確な顧客情報を蓄積できず、再度問い合わせがあった際にトラブルが発生する恐れがあります。これにより顧客満足度が低下し、最悪の場合は企業の売り上げ低迷につながるでしょう。そのため、顧客対応から後処理まで一貫して丁寧に取り組む力がオペレーターには求められます。

主なオペレーター研修の内容

では、具体的にどのような研修を行うべきでしょうか。
ここでは、オペレーター研修の流れや内容について一例をご紹介いたします。

基礎研修

まず、初歩的な内容を教える基礎研修から始めます。基礎研修は大きく2つのパートに分かれています。コールセンターで働くための基礎知識を教える座学パートと、基本的な電話応対の方法を学ぶロールプレイングパートです。

座学パートでは、会社概要や取り扱う商品・サービスの説明、電話応対のルールなど、コールセンター業務の最低限の基礎知識を習得します。

座学が終わったら、次はロールプレイングパートに進みます。ここでは、電話の受け取り方や正しい敬語を用いた電話応対の基本技能を教えます。また、電話応対だけでなく、事務処理の進め方やシステムの使い方についても実践的な研修を行います。具体的には、基本的なPC操作、トラブル発生時の対処法、報告書やレポートの書き方など、業務に必要な事務処理やシステム操作を教えます。

セキュリティに関する研修

コールセンターは、多くの顧客データが蓄積される場所です。そのため、多くのセンターでは、機密情報の漏洩を避けるためのセキュリティ対策が特に重要視されています。

社内のセキュリティ対策にはさまざまな方法がありますが、まずは個人や会社の機密情報を扱うオペレーターに対して、セキュリティ研修を徹底して実施する必要があります。法律や社内規定に関する説明を通じて遵法意識を高めた上で、機密情報の取り扱い方法や不審な電話に対する適切な対処方法を教える研修を行います。

実務研修(OJT)

基礎知識や基本的な応対の研修を経て、必要なスキルや知識を習得したと判断されたオペレーターに対しては、実務研修(OJT)を行います。OJT(On the Job Training)とは、実際に顧客からの電話に対応する実践形式の研修のことです。

コールセンターにおけるOJTは、一般的には先輩オペレーターと研修生が二人一組で行います。
具体的には、 先輩が実務を見せる→解説する→研修生が実践してみる→評価する の流れを繰り返し行い、研修生が着台基準を満たせるようサポートします。

フォローアップ研修

コールセンター研修は、着台前の研修で終わりではありません。オペレーターひとりひとりの成長するは、センターの応対品質や売り上げの向上、働き甲斐の促進にもつながるため、着台後も研修を続けることが重要です。
1つは、オペレーターの能力を測定する「スキルチェックテスト」を行い、足りないスキルや知識を明確にして追加研修を行う方法。もう1つは、SVなどの管理者がオペレーターの電話応対をモニタリングし、個別にフィードバックを行う方法です。
どちらの研修方法をとるにしても、フォローアップ研修はオペレーターひとりひとりに向き合い、それぞれの特徴やスキルレベルに合わせて実施することが大切です。

スキルアップ研修

スキルアップ研修は、オペレーターが新しいスキルを習得してさらに成長するための研修です。この研修を行うことで、オペレーターの対応可能な業務範囲が広がり、成長意欲が高まります。また、センターの生産性向上にもつながります。
新しい取り組みやステップアップがないと、優秀なオペレーターも働き甲斐を感じにくくなり、退職に至るケースも少なくありません。そのため、一人前のオペレーターとして活躍している人が、さらに業務の幅や活躍の場を広げられるようにスキルアップ研修を導入することは非常に重要です。その結果、センター全体の成長にもつながるでしょう。

オペレーターの教育実施において重要なポイント

では、オペレーターの教育・研修を実施する際に押さえておきたいポイントを解説していきます。

オペレーターの心強いパートナーとなるマニュアルの作成

心強いパートナーとなるマニュアル作成は、オペレーターの教育において重要なポイントの一つです。マニュアルは従業員教育において重要で、多くの企業が作成しています。しかし、現在のマニュアルは「初心者でもわかりやすく、オペレーターの心強いパートナーになる」という視点で作成されているでしょうか?
以下のように、現場で働くオペレーターの心強いパートナーになることを考慮してマニュアルを作成することがポイントです。

・陥りやすいミスと解決策の提示
・過去、頻発して起こったクレームと応対方法の事例
・初心者でもわかりやすく専門用語をなるべく使わない
・図や表を用いてオペレーターがイメージしやすいような工夫 など

また、マニュアルは一度作成して終わりではありません。担当者を決めて定期的に内容をブラッシュアップしていくことも必要です。マニュアルが充実していると、オペレーターの成果をサポートし、安心感を提供し、働きやすさにもつながるでしょう。

▼コールセンターマニュアルの作成手順やポイントについて詳しくはこちら
【実践ガイド】コールセンターマニュアル作成│重要性と手順を徹底解説!

それぞれのオペレーターに合ったフィードバックの実施

その人に合わせたフィードバックを実施することも、オペレーター教育において重要なポイントです。オペレーターの性格やスキルレベルは人それぞれ異なります。定期的に行う面談やモニタリングを通じて、ひとりひとりのオペレーターと向き合い、性格やスキルレベルに応じた適切なフィードバックを実施することを意識しましょう。
的確なフィードバックを行うためには、事前に評価観点を明確にし、フィードバックのポイントをしっかり認識しておくことが重要です。

ストレスケアやモチベーションマネジメントの実施

オペレーター教育には、スキル教育やフィードバックだけでは不十分です。日々、強いストレスを感じながら働いているオペレーターの精神面をサポートすることも重要です。
面談や仕事の合間の時間を利用して、オペレーターのコンディションに気を配り、ストレスケアやモチベーションマネジメントを行いましょう。オペレーターの精神面を支え、働きやすい環境を整えることで、モチベーションを保ち、スキルアップにもつながります。

より効果的なコールセンター教育を実践するために

ここまで、コールセンターの具体的な研修内容や教育のポイントについて解説してきました。しかし、コールセンターに関する知識不足や、教育を実施するための人的リソースの不足といった要因により、教育体制を整えることは簡単ではありません。この章では、より効果的な教育を実施するためのおすすめの施策をご紹介します。

コンタクトセンター検定の取得

コールセンター教育をより効果的に進めるためのおすすめの施策の一つが「コンタクトセンター検定の取得」です。
この検定を取得することで、コンタクトセンター(コールセンター)の運営を体系的に学ぶことができます。コールセンターの理想と現状のギャップを洗い出し、適切な施策を打つための判断材料として活用することが可能です。コールセンターの教育はもちろん、運営全般に課題を感じている管理者の方にとって、おすすめの資格です。

▼コンタクトセンター検定について詳細はこちら▼
コンタクトセンター検定(コン検)とは?|概要や取得メリット・勉強方法を解説
コンタクトセンター検定(コン検)スーパーバイザー資格とは|取得メリットや勉強方法を解説

コールセンターの委託化

コールセンター教育をより効果的に進めるためのもう一つのおすすめ施策は、「コールセンター業務を委託すること」です。コールセンターの運営には様々な知識やシステム、リソースが必要であり、自社で全てを完結させるのは大変です。本記事で紹介した「教育」だけでも押さえるべきポイントがたくさんあります。

コールセンターの委託会社は、その道のプロであり、豊富な知識やリソース、運営実績を持っています。また、多くの委託会社は独自のコールセンター教育も実施しており、活用する価値があります。委託会社をうまく活用することで、より効果的なコールセンター運営が可能になるでしょう。

▼コールセンター委託会社に関する記事はこちら▼
【厳選】コールセンター委託11社│失敗しない選び方とメリットを徹底解説

まとめ

今回は、コールセンター運営におけるオペレーターの教育にフォーカスし、教育実施のポイントや具体的な研修内容について紹介しました。

コールセンターの管理者は、オペレーター ひとりひとりに向き合い、適切なフィードバックを行い、オペレーターが働きやすい環境を整えることを意識しましょう。より良質なコールセンター運営を実現するためには、オペレーター教育に注力することが非常に重要です。

本記事がコールセンター教育に携わるご担当者様のお役に立てれば幸いです。

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Writer編集者情報

  • コネナビ編集部 丸山 実咲季

    2022年4月に入社し、コールセンターとオフィスワークに特化した人材サービスの事業部へ配属。
    営業推進部にてインサイドセールスに従事し、テレアポからメールマーケティングなどのプル型施策によりリード獲得に貢献。
    2022年5月からTwitterアカウントの運用も担当。2022年度のグループ全体「新卒新人賞」にノミネートされる実力者。市場価値爆上がり中の2年目社員!
    ・趣味:お洒落なカフェの空間を探したり、自然の中をお散歩することが好きです!その他、バスケ 料理 音楽など多趣味です。
    ・特技:相手の表情を汲み取って行動や発言ができる点。

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