コールセンターCTIとは│システム5選とメリット・導入ポイントを徹底解説

2024/07/17

コールセンターシステムのCTIは、複雑になったサポート業務で顧客満足度の向上や効率化を実現するために必須ともいえるシステムです。しかし、CTIにはどのようなものがあるのか、どのように導入をすればよいのかで悩まれる方も多いと思います。

今回はそんなCTIシステムについて、概要や導入メリット・デメリット、導入時のポイント、最後に弊社がおすすめするCTIシステムを5つ紹介します。CTIを検討する上で必要な最低限の知識を網羅的に把握することができますので、ぜひご一読ください。

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CTIとは

CTI(Computer Telephony Integration)とは、コールセンターに必要な電話やFAXをパソコンと連携させるシステムのことです。

CTIを活用することで、コンピュータ上での操作と電話の動作を連携させることができ、業務効率を大幅に向上させることが可能です。例えば、ユーザー番号に紐づいた顧客情報をオペレーターに素早く連携することができるため、顧客対応をスピーディーかつ効率的に行うことができます。

コールセンターのシステムには、CTI以外にも顧客情報の参照やその応対記録を管理するCRMシステムや、ナレッジを管理するFAQシステムなどがありますが、CTIはこれらと連携する上でも重要な役割を果たします。

CTIの種類

CTIの種類としては、大きく分けてクラウド型とオンプレミス型があります。それぞれの特徴を解説します。

項目

クラウド型

オンプレミス型

定義

クラウド上のCTIシステムを利用 
自社にサーバーを設置しCTIシステムを利用

初期費用

初期設定費用
インフラ/システム構築費用

運用費用

ライセンス費用
運用・保守費用

インフラ設置

不要
必要

導入の容易さ

比較的容易
複雑

運用・保守

クラウドベンダー側で実施
自社もしくはベンダーと契約し実施

拡張性

容易に拡張が可能
拡張時にインフラ増強などが必要

可用性

冗長化されているため高い
冗長化すれば高いがコストが上がる

セキュリティ

インターネット経由の場合リスクあり
高い

クラウド型

クラウド型は、インターネットを経由してクラウド上に存在するCTIシステムを利用する方式です。

クラウド型ではインターネットを経由してソフトウェアを利用することができるため、サーバー等インフラの設置が必要なく、導入するのが簡単という特徴があります。インフラの設置が必要ないため、初期費用も安く抑えることもできます。また、クラウド型の場合、メンテナンスやアップデートが容易にできる点もメリットです。

ただし、インターネットを経由する分、セキュリティ面にリスクが伴う可能性があります。また、オンプレミス型に比べると、自社にカスタマイズしづらい部分があります。

オンプレミス型

オンプレミス型は、自社にサーバーを設置しCTIシステムを利用する方式です。

クラウド型とは違い、自社の業務内容や形態に応じて細かく調整することができます。また、自社内にサーバーを置き、自社のネットワークを経由して利用ができるので、セキュリティ面で強固になります。

しかし、自社に専用の機器を設置する必要があるため、クラウド型よりも導入時のコストが高くなってしまいます。また、運用や保守も必要で、自社で行うか、ベンダーに依頼する必要があります。ベンダーに依頼する場合は保守費用がかかるため、考慮が必要になります。

CTIシステムの機能

CTIシステムにはさまざまな機能がありますが、主な機能は以下です。

着信画面ポップアップ

着信時に、発信者番号から顧客の情報や過去の通話履歴をコンピュータ画面上に自動表示する機能です。この機能により即座に顧客情報を確認することができ、効率的な応対やパーソナライズされたサービスを提供することができます。

自動ダイヤル

システムに登録されたリストから自動的に電話番号を選択してダイヤルする機能です。主にアウトバウンド業務を効率化する機能です。手動でのダイヤルミスを削減し、アウトバウンドのコール効率を向上させることができます。

コールルーティング

着信コールを最も適切なオペレーターや部門に自動的に振り分ける機能です。待ち時間の削減や適切な担当者への迅速な対応が可能となり、顧客満足度の向上に繋がります。

コールログ・履歴の記録

通話の詳細や内容、時間、日付などの情報を記録する機能です。顧客対応のトレースや通話データの分析が容易となり、サービス改善のためのデータ提供できます。

通話録音

通話内容を音声として記録する機能です。通話記録は「言った・言わない」といった問題が発生した際のエビデンスになるだけでなく、トレーニングや品質保証のための材料として利用もできます。

音声応答システム (IVR)

顧客に自動で音声メニューを提供し、キーパッドの入力や音声認識によって応答する機能です。オペレーターの介入なしに顧客の要求を処理することで、コスト削減とサービスの迅速化ができます。

マルチチャネル対応

電話だけでなく、チャット、メール、ソーシャルメディアなどの異なるコミュニケーション手段との統合する機能です。現在は電話のシングルチャネルだけではなく、マルチチャネル、オムニチャネル化が進んできており、それらに対応することができます。マルチチャネルになると、顧客が好む通信手段での対応が可能となり、顧客満足度の向上が見込めます。

オムニチャネルについてはこちらの記事でも詳細を解説しています。

CTIシステム導入のメリット

CTIを導入するメリットは業務効率化や顧客満足度の向上など多岐にわたります。

業務効率化ができる

CTIにはコールセンター業務を効率化するさまざまな機能がついています。

例えば、着信画面ポップアップは着信時に顧客情報を即時に表示ができ、オペレーターが顧客情報を確認する手間を短縮できます。また、アウトバウンド業務などは自動ダイヤルを使えば大幅な業務効率化が期待できます。その他に、IVRを利用すればオペレーターを介さず、自動的に応対することもでき、オペレーターの能力に頼らず業務効率化ができます。

顧客満足度向上ができる

顧客満足度は電話が繋がった後の応対だけではなく、顧客の問い合わせから解決までにかかる体験すべてが影響してきます。特に電話が繋がるまでの体験が重要で、電話がつながりにくい状況は最も顧客満足度を損ねる原因になります。

CTIシステムを利用することで、呼量の分配を適切に行うことができ、結果応答時間を短縮することができます。また、コールリーズンに合わせて、適切な部署、スキルを持ったエージェントスムーズに繋ぐことができ、たらい回しになるリスクも軽減することができます。

さらに、顧客管理システムと連携することで、過去の問い合わせ記録を表示することができ、パーソナライズ化された対応が可能です。

CTIシステム導入の注意点

このようにさまざまなメリットのあるCTIシステムですが、導入の際に注意すべき点もあります。

導入時に管理者・オペレーターの研修が必要

CTIシステムに限りませんが、何か新しいシステムをセンターに導入する際には、現場で利用ができるように研修が必要になります。特にCTIシステムは全員が必ず利用する機能で、利用できるようにならないと業務を遂行することができないシステムになるため、必ず現場で使いこなしてもらう必要があります。

誰が研修をするのか、どこで研修をするのか、研修の時間はとれるのかなど、あらかじめ研修の計画を立てておく必要がある点は注意しましょう。

既存のオペレーションの変更が必要

CTIシステムはただ導入すれば、勝手に効率化や顧客満足度の向上ができるわけではありません。CTIシステムを活用するためにも、今あるオペレーションを変更する必要があります。

現場の管理者やオペレーターの中には慣れ親しんだやり方を変更することに抵抗感をもつ方もいるでしょう。そういった方々へのケアや説得も必要になってきます。システム導入は現場の理解も含めて、一丸となって取り組む必要があります。

導入時のポイント

実際にCTIシステムを導入する際は、以下3つのポイントに注意して導入の検討をしていきましょう。

自社コールセンターの業務形態

コールセンターの業務形態は顧客からの電話を受け付けるインバウンド型と企業から顧客に対して電話をかける業務のアウトバウンド型の2つの種類があります。

業務形態によって搭載されているCTIの機能は違うものがあるので、自社コールセンターの業務形態にあったCTIを利用しましょう。

システムの連動性

CTIシステムと自社ですでに使っているシステム(基幹システムやCRM)と連携できるかどうかを確認する必要があります。

特に、利用している基幹システムやCRMが自社で独自に開発したものだと、CTIシステムと連携するのに新たなにシステムインテグレーションをしないといけません。これには相応の費用がかかるため、先にシステム管理をしている部署と連携しながら調査しておくとよいでしょう。

サポート体制

システムの導入をした際は、うまくシステムが起動しないことや、他システムとの連携に問題があるなどのトラブルが発生する場合が多々あります。

導入時から導入後の社内体制の構築までしっかりとサポートしてくれるベンダーを選定することで、このようなトラブルを防げる可能性が上がります。サポート体制は事前に確認しておくことをおすすめします。

CTIシステム5選

ここからは、弊社がおすすめするCTIシステムを5つ紹介します。近年は導入の容易さからオンプレミスではなく、クラウド型が選ばれる傾向にあり、今回も主にクラウド型のシステムをご紹介します。

BIZTEL

【特徴】

  • 2000社を超える導入企業数。国内シェアNo.1
  • 金融機関が採用するセキュリティ(クラウドCTIで国内唯一FISC・PCI DSSに対応)
  • Salesforceを始めとする各種システムとの連携も簡単
費用

BIZTEL コールセンター料金表
(BIZTEL 公式サイトより)

CTIの種類

クラウド型

BIZTELは国内シェアで圧倒的な実績のあるCTIシステムです。基本機能はもちろんオプション機能も充実しており、あらゆる用途に対応することができます。また、金融機関でも多く採用されており、クラウド型で不安視されがちなセキュリティ面についても安心して使うことができます。また、CRMシステムとして利用者数が非常に多いセールスフォースとも連携が容易にできる点も選ばれる理由です。

MiiTel

【特徴】

  • トーク解析AIが標準で搭載
  • 2000社、5万人ユーザーに選ばれている実績
  • オンボーディングや活用支援セミナー
費用

月額固定費用:5,980円/ID(税抜)~
初期費用:無料

CTIの種類

クラウド型

MiiTelは株式会社RevCommが運営するCTIシステムで、最大の特徴はトーク解析AIが標準搭載されている点です。コールセンターはもちろん、インサイドセールスなどの用途での利用も多く、AIの音声解析により、トップ営業の話し方の特徴を分析・可視化することができます。

Amazon Connect

【特徴】

  • 従量課金制のため最低月額料金、長期契約、前払いライセンス料が不要
  • AI と ML を搭載したオールインワンのコンタクトセンター構築が可能
  • 世界最高水準のクラウドサービスであるAWSのあらゆる機能と連携
費用

料金表

(公式サイトより)

CTIの種類 クラウド型

Amazon Connectは米国アマゾンが展開するAWS(Amazon Web Service)上で展開されているCTIシステムです。米国のサービスですが、ここ数年で日本国内でも利用社数が急激に増えています。費用は従量課金で利用した分を支払う形態になっており、センターによっては大幅にコストを削減できます。また、AWSは世界中で最も利用されているクラウドサービスの一つで最高水準の技術を持っています。AIを中心に日々進化する機能がアップデートされていき、高度なコンタクトセンターを目指すことができます。

Zendesk

【特徴】

  • 多様なチャネルを同じチケットで管理することができる統合型チケット管理システム
  • ヘルプセンターや顧客とコミュニケーションをとれるチャット機能も搭載
  • CTIの機能だけでなく、FAQやCRMとしても活用可能
費用

Zendesk Suiteプラン料金表
(Zendesk 公式サイトより)

CTIの種類

クラウド型

Zendeskとはデンマークの企業が開発したカスタマーサポートとサービス管理を効率的に行うためのCTIシステムです。あらゆるチャネルに接続可能かつZendesk内ではチケットという形で一つにまとめて管理することができる統合型チケット管理システムの性質を持ちます。そのため、コールだけではなく、メールやチャットも行っているセンターで多く導入されています。

Infini Talk

【特徴】

  • PBXやコールセンターのシステム知識がなくても簡単に使える操作性・視認性
  • 48業種、400社、10,000席以上の導入実績
  • 導入時から導入後までの丁寧なサポート体制
費用

クラウド版:料金表
オンプレミス版:料金表
(Infini Talk公式サイトより)

CTIの種類 クラウド型・オンプレミス型

InfiniTalkはジェイエムエス・ユナイテッド株式会社が提供するCTIシステムです。クラウドでも、オンプレミスどちらでも対応ができます。CRM、SMS、チャットアプリ、IVR、通話録音、テキスト分析などの機能を搭載しており、カスタマーサポートや受付業務で多く支持されています。

まとめ

本記事では、現代のコールセンターには欠かせないCTIシステムについて解説しました。

最近のCTIは多機能化しており、さまざまなことができるようになりました。単に電話業務を効率化するだけではなく、データ分析を容易にしたり、他チャネルとの統合を支援することもできます。

CTIサービスはコールセンターの根幹に関わるシステムであり、手軽に導入しやすくなったとはいえ、オペレーションの変更や教育コストを考えると、頻繁に変えるようなシステムでもありません。そのため、自社の今のオペレーションに合っていることはもちろん、将来的な展望も見据えて導入を検討することが望ましいでしょう。

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Writer編集者情報

  • コネナビ編集部 吉田 章孝

    2011年、株式会社セントメディア(現:株式会社ウィルオブ・ワーク)に入社。
    3年目に支店長として支店の新規立ち上げを経験。その後は札幌支店長として着任し、2年間で売上倍増に貢献する。
    その後、首都圏管轄マネージャに着任し、営業推進部へ異動。営業推進部では、金融系プロジェクトチームの立ち上げや、部内重点顧客の本部営業などを担当。
    2020年4月より、営業推進部 部長として、本部営業や社員教育、求人広告や転職支援チームなどを担当。現在は本部営業をメインに担当。

    ・趣味:散歩、語学
    ・特技:料理

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