BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)とは│アウトソーシングやBPRとの違い、メリットを解説
2025/06/11
- アウトソーシング
- コスト削減
- 品質向上
- 業務効率化
- 生産性向上

事業課題を解決するために、業務の効率化はつきものです。昨今、企業における業務プロセスを外部委託する「BPOサービス」を利用する企業が増えています。
本記事では「業務効率化をどのようにすればいいか分からない」「一部の業務のみならず、業務プロセスすべてを外部委託したい」とお悩みのご担当者様へ、BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)サービスについてご紹介させていただきます。
業務効率化をしていきたいとお考えのご担当者さまへ
「生産性を高めたい」「BPOのプロに業務を任せて主軸業務に専念したい」「BPOサービスを利用したいが何から手をつければよいか分からない」とお悩みのご担当者さま、ウィルオブ・ワークはBPOサービスを展開しております。企業さまの運営課題に寄り添ったカスタマイズのご提案が可能です。ご相談・お見積りは無料ですので、下記ボタンよりお気軽にご相談ください。
BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)とは
BPO(Business Process Outsourcing)とは、企業の業務プロセスを一括して外部の専門企業に委託することを指します。
委託先の企業は「BPOベンダー」とも呼ばれ、コールセンター業務やカスタマーサポートをはじめ、経理・人事・総務など幅広い業務をサポートしています。
BPOを活用することで、企業は自社のリソースを戦略的なコア業務に集中させることができ、定型的で工数のかかる業務は専門知識を持つ外部パートナーに任せることで、業務の効率化やコスト最適化が期待できます。
アウトソーシングとBPR、BPOの違い
「BPO」と「アウトソーシング」という言葉は、しばしば同じ意味で使われることがありますが、実際には異なる概念です。BPOはアウトソーシングの一種ですが、明確な違いがありますので、次の項目で詳しく見ていきましょう。
アウトソーシングとは
アウトソーシングとは、業務の一部やタスクを外部の専門業者(アウトソーサー)に委託することを指します。よく利用される業務としては、コンタクトセンター業務や事務業務などがあります。業務効率の向上を目的に、多くの企業がアウトソーシングサービスを利用しています。
BPRとは
BPR(Business Process Reengineering)とは、組織内の既存のワークフローやプロセスを全面的に見直し、再設計することで、業務効率の向上や生産性の向上を目指す手法です。業務改革を通じて、組織全体のパフォーマンスを向上させることが目的です。
▼BPRに関する記事はこちら
「BPR(ビジネスプロセス・リエンジニアリング)完全ガイド:基本概念から注意点や効率的な進め方までを徹底解説」
目的 | 概要 | |
アウトソーシング | 業務の一部を外部委託し、業務効率向上を目指すこと |
カスタマーサポートなどの業務を委託会社に運営代行をしてもらう。 |
BPR | 既存業務を抜本的に必要性から見直し、業務改革を目指すこと |
組織の業務プロセスを根本的に見直し、再設計を行う。 |
BPO | 企業の業務プロセスを一括して外部委託することにより、業務の生産性向上を目指すこと |
BPO会社により非中核プロセスを特定し、費用対効果を評価する。 |
BPOに向いている業務
BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)に向いている業務には、いくつかの共通した特徴があります。
代表的なのは、定型化されていてマニュアルに沿った対応が可能な業務や、高頻度で繰り返される事務的業務です。
◎BPOに適した業務の特徴
- 業務プロセスが明確で標準化されている
- 属人化を避けられる(特定の人に依存していない)
- 業務量が多く、人的リソースが足りていない
- 専門的なノウハウやツールの外部活用で効率化が期待できる
◎具体的な業務例
カテゴリ | 主な業務内容 |
バックオフィス | 経理、請求処理、給与計算、人事労務、総務事務など |
カスタマーサポート | インバウンド・アウトバウンド、チャット対応、FAQ管理など |
マーケティング | メールマーケティング運用、リード管理、データ分析など |
IT・デジタル系 | データ入力、簡易なRPA運用、Web更新・管理など |
BPOのメリット
BPO導入によって得られるメリットは数多くあります。
業務効率化、品質向上、コスト削減、BCP対策ができる点が主なメリットです。

業務効率向上
ノンコア業務を専門のBPOベンダーに任せることで、企業は効率性と生産性を向上させることが可能となります。社員がコア業務に集中でき、中核的な活動や優先業務に専念することで、企業の売上向上も期待できます。
ノンコア業務をBPOベンダーに委託することで、社内リソースを効率的に活用できます。社員は中核業務に集中できるため、重要な意思決定や新規事業の計画に注力が可能です。BPOサービスを活用することで業務効率の向上とともに、生産性や売上拡大が期待できます。
品質向上
BPOベンダーは各分野の専門知識を持ち、特にカスタマーサポートやバックオフィス業務で高いパフォーマンスを発揮します。プロの手による業務遂行は、応対品質の向上や顧客満足度の向上につながります。結果として、ブランドイメージの向上やリピーター獲得が期待できるでしょう。
コスト削減
ノンコア業務をBPOベンダーに委託することで、人件費や採用費用、オフィスの維持費用を削減できます。固定費の圧縮により、予算を戦略的な投資に振り向けられるのが魅力です。また、ベンダーのスケールメリットを活用することで、従来よりも効率的かつ低コストで業務を運営可能です。無駄を省き、賢くコスト管理を行うことができます。
BCP対策
BCP(事業継続計画)とは、自然災害やシステム障害などの緊急事態において、重要な業務を中断することなく継続するための計画を指します。BPOの活用により、データの分散管理やリモート対応の強化が可能になり、事業停止リスクを軽減できます。
また、緊急時には専門のBPOベンダーが迅速かつ的確に対応し、信頼性を確保します。不測の事態に備え、事業継続性を確保するための強固な体制を構築しましょう。
BPOのデメリットと解消方法
BPOサービスを利用するうえで、デメリットについても理解する必要があります。
本章では、考えられるリスクに加えて、解決方法も解説します。
BPOサービス利用の デメリット |
自社内へノウハウが蓄積されにくい |
コストが見合わない場合があること | |
導入スピード |
自社内へノウハウが蓄積されにくい点
BPOを導入することで、顧客の声や運営ナレッジなどが社内に蓄積されにくい点が懸念事項としてあげられます。業務の外部委託により、情報が外部ベンダーに集中し、自社の知識資産が不足する恐れがあります。
◎解消方法
- 定期的な情報共有会を実施
BPO業務の進捗や顧客の声を共有するためのミーティングを設定し、社内担当者とBPOベンダー担当者が情報交換を行う場を設けましょう。 - KPIの設定
成果を測定するための指標を設定し、業務内容や改善点を迅速化する仕組みを構築します。
これにより、進捗管理が容易になります。 - ドキュメント管理
ナレッジ共有プラットフォームを活用した結果、委託業務のプロセスや記録することで、社内でいつでも参照できる環境を整えましょう。
コストが見合わない場合があること
コスト削減を目的にBPOを検討したにも関わらず、初期費用や運用費用が予算を超えるケースがあります。特に業務調査やシステム構築費用が高額になる場合があります。中長期的に初期費用を回収できることもありますが、予算超過を防ぐための対策が必要です。
◎解消方法
- 初期コストの見積もりを精緻化
複数のベンダーから初期費用・ランニングコストの見積もりを取得して、十分に比較検討しましょう。 - スモールスタート
全業務を一度に委託するのではなく、まず一部業務から始めましょう。
成果が見込める場合に徐々に委託範囲を拡大していきます。
導入スピード
BPOを導入するには、業務内容の調査や委託内容の整理、システムの構築など、準備に時間がかかります。特に複雑な業務の場合、依頼までに数カ月を要することもあります。
◎解消方法
- 緊急かつ重要度が高い業務を優先
すべての業務を一度に委託するのではなく、緊急性の高い一部業務からスモールスタートします。
これにより、導入スピードを最短にし効率的にBPOサービスを始めることが可能です。 - 逆算でスケジュールを計画
BPOサービスを導入する計画をしっかり立てます。
複数のベンダーを比較検討する期間も含め、余裕のあるスケジュール設定を行いましょう。

BPOサービス導入前の注意点
BPOサービスを導入する際は、業務効率化やコスト削減といった短期的なメリットだけでなく、長期的な視点でのリスクや影響についても考慮する必要があります。特に、以下のポイントには注意が必要です。
外部委託する業務の「将来的な内製化」の可能性を検討する
一度BPOベンダーに委託した業務は、ベンダー側にノウハウが蓄積され、依頼元企業に知見が残りにくくなります。
将来的にその業務を社内へ戻す(内製化する)可能性がある場合は、以下の対策をあらかじめ講じておきましょう。
マニュアル・ノウハウの継続的な共有を依頼する
BPOベンダーに対して、業務マニュアルやノウハウを定期的に提供してもらうよう依頼しましょう。文書化された情報を社内に蓄積しておくことで、業務のブラックボックス化を防ぎ、再内製化の際の立ち上がりもスムーズになります。
情報共有の体制を社内で整える
社内でも業務内容を把握できるように、BPOベンダーとの定期的なミーティングや進捗報告の場を設けることが大切です。担当者が業務内容や改善提案を共有することで、組織全体でナレッジの蓄積が可能になります。
このように、BPO導入に際しては知識資産を外部に依存しすぎない仕組みづくりが欠かせません。
業務の効率化を実現しつつも、将来を見据えた柔軟な運用体制を整えることが、BPOを最大限に活用するためのカギとなります。
BPOベンダー選定ポイント
BPOを成功させるためには、適切なBPOベンダーを選ぶことが重要です。以下の選定ポイントを確認していきましょう。

実績と評判
BPOベンダーの実績や評判、得意とする領域をチェックしましょう。導入実績があれば、自社で依頼したい業務と類似するサービスの実績があるか確認するとよいでしょう。
専門性
BPOベンダーが自社で依頼したい業務に精通しているか、専門知識を保有しているかを確認しましょう。専門性の高い業者であれば、安心して業務を任せることができます。
拡張性・柔軟性
BPOベンダーが自社のビジネスニーズに応じてサービスを拡張できるか、柔軟に対応できるかを確認することも重要です。将来的に業務を社内に戻す可能性がある場合、業者にマニュアルの共有を依頼するなどの対応が必要です。柔軟に対応できる業者かどうかを見極めましょう。
セキュリティ対策
顧客情報や社内の機密情報を外部に渡す場合、セキュリティ対策がしっかりしている業者を選びましょう。情報セキュリティに関する対策や、オペレーターや社員への教育・研修の頻度と内容を確認すると安心です。
担当者とのコミュニケーション
営業担当者との連携やコミュニケーションはぜひ蔑ろにせず確認しましょう。企業の成長・成功のために一緒に取り組んでくれるスタンスのBPOでベンダーかどうかは、営業担当者の対応からも垣間見えるものです。信頼できる担当者かどうかぜひ見極めてください。
▼おすすめのBPOベンダーを知りたい方はこちらをご覧ください
「【最新】コールセンターBPO8選│概要や選定時のポイント、ステップを解説」
まとめ
BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)は、企業が業務効率を最適化し、コア業務に集中できるようにする戦略的アプローチです。ノンコア業務を外部のBPOベンダーに任せることで、企業は本来の潜在能力を引き出し、成長を促進させることが可能になります。
しかし、BPOを成功させ実りあるものにするためには、BPOベンダーの選定、綿密な計画が不可欠となります。
BPOを賢く導入すれば、事業課題を克服し、生産性を向上させることが可能になるでしょう。 本記事が、BPOを検討されているご担当者様のお役に立てれば幸いです。
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BPOに関する「よくある質問」
BPOとは何ですか?
BPO(Business Process Outsourcing)とは、企業の業務プロセスの一部を一括して外部の専門企業に委託することを指します。コールセンター業務や経理・人事・総務など、定型的で時間のかかる業務をBPOベンダーに任せることで、業務効率化やコスト削減を図ることができます。企業はリソースをコア業務に集中できるため、経営の最適化にもつながります。
BPOとアウトソーシング・BPRの違いは何ですか?
BPOは、業務プロセス全体を一括して外部に委託する手法であり、継続的かつ包括的な業務支援が特徴です。アウトソーシングはその一形態で、特定の業務単位のみを外部に依頼するケースが一般的です。
一方、BPR(ビジネス・プロセス・リエンジニアリング)は、業務を外注するのではなく、社内の業務フローや体制を抜本的に見直し、再設計する取り組みです。
つまり、BPOとアウトソーシングは「外部への業務委託」に焦点があるのに対し、BPRは「業務そのものの改革」に焦点を当てているという点で目的と手法が異なります。