IVR(自動音声応答システム)とは│コールセンターでの活用方法を解説

2024/07/08

コールセンターにおいて、オペレーター不足による応答率の低下は喫緊の課題になります。しかしながら、年々労働者人口は低下の一途をたどり、オペレーター採用は難しくなっています。そこで、IVR(自動音声応答システム)などを利用することで課題解決を目指す企業が増えてきています。

IVRは、事前に設定された音声案内を使用することで、顧客を適切な部署へ繋ぐことができたり、簡単な手続きを完了することができます。顧客側は待ち時間を短くできたり、たらい回しになることがなくなり、満足度の向上も期待できます。

本記事では、IVRの概要やメリット、導入時の注意点等について詳しく解説します。

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コールセンターのIVRとは?

IVR(Interactive Voice Response)とは、顧客からの受電に対して自動応答する音声案内のことです。

顧客が音声案内に従い必要な対応に合わせたダイヤル入力を行うことにより、自動音声による問い合わせへの回答ができます。また、事前に顧客の問い合わせ内容をヒアリングし、分岐させることで適切な部署に繋げることができるのもIVRの効果的な利用方法です。

IVRの導入により24時間の電話受付が可能となり、自動案内によって処理件数を増やすことができます。問い合わせ内容ごとにあらかじめ振り分けされた電話を受け付けできるため、オペレーターの負担も軽減することができます。

コールセンターで導入される割合は年々増えており、コールセンター白書2021によると72.6%のセンターがIVRを導入しています。

IVRが必要とされるようになった背景

IVRが必要とされる背景には、コールセンター業界が抱える高い離職率に起因する慢性的な人手不足があります。コールセンターは、労働者人口の減少に加えて、若者の電話離れやストレスフルな職場であるというイメージから常に人材不足に悩まされています。採用コストをかけてオペレーターを採用しても、新人が戦力化するまでには研修や教育が必要であり、それまでに離職してしまうこともあります。

そこで、呼量を減らしてオペレーターの負担を減らすことができるIVRが注目されるようになりました。また、IVRを利用すれば、オペレーターが応対する前に、顧客の問い合わせ内容を把握することができます。問い合わせ内容が事前にわかっていれば、応対もスムーズになりますし、部署やスキルごとに業務を振り分けることができます。

新人オペレーターには、難易度の低い問い合わせを振り分ければ、業務負担やプレッシャーを軽減することができ、早期退職の軽減に繋がります。またスキルのある熟練したオペレーターには、より難易度の高い案件を優先して担当させることで、コールセンター全体での生産性の向上や業務の効率化が期待できます。

IVRを導入するメリット

IVRを導入する場合のメリットとして、以下が挙げられます。ここではメリットについて詳しく解説します。

  • 営業時間外の対応が可能になる
  • オペレーターのスキルに合わせた電話の割り振りができる
  • 本当に有人対応が必要な業務にオペレーターは集中できる
  • 折り返しの連絡予約ができる
  • 応答率の改善ができる
  • 顧客満足度の向上ができる
  • 人手不足の解消に繋がる

営業時間外の対応が可能になる

営業時間外においても、IVRを活用した自動音声による案内を行うことで24時間・365日の対応が可能となります。担当者不在時にも自動応答できるのもIVRを導入するメリットです。

オペレーターのスキルに合わせた電話の割り振りができる

IVRで電話の内容に応じた振り分けを行うことで、その用件に対応可能なスキルを持ったオペレーターに優先的に電話を取り次ぎできます。自動振り分けにより、処理時間の短縮やミスの軽減、顧客満足度の向上といった効果が見込めます。

本当に有人対応が必要な業務にオペレーターは集中できる

用件によっては必ずしもオペレーターによる対応が必要とは限りません。定型的な業務の受電対応を削減し、より詳細なご案内が必要な受電対応へ集中することで、オペレーターのリソースを効率的に活用することができます。

折り返しの連絡予約ができる

コールが集中しオペレーターによる対応が間に合わない場合、顧客は長時間待たされ続けることになります。そうすると応答率の低下や満足度の低下を招きます。IVRを導入すると、一定時間以上待った顧客に対して折返し連絡の受付に誘導し登録をしてもらい、後ほどオペレーターからの折り返し連絡を行うという運用ができます。問い合わせが重なって混雑する時間帯がある場合、IVRで顧客に折り返し電話の登録をしてもらうと不満の解消に繋がるでしょう。

応答率の改善ができる

コール数に対して対応可能なオペレーター数を常時確保できているとは限りません。IVRは簡単な案内であれば自動音声のみで問い合わせを処理することができるため、オペレーターの負担が減ります。オペレーター以外が対応すべき案件であれば、IVRで担当部署への直接取り次ぎを行うほうが効率的です。このように、IVRはコールセンター全体の応答率を改善する効果が見込めます。

顧客満足度の向上ができる

電話をかけた顧客にとってストレスになる要因のひとつが不必要な転送、いわゆる「たらい回し」です。何度も同じ内容をオペレーターに話すのは疲れますし、「さっきも話したのに…」という不満に繋がります。IVRでオペレーター応答前に内容に応じて振り分けをすれば、不必要な転送を回避できます。問い合わせ内容によって対応部署が分かれる場合は、IVRが不可欠です。

人手不足の解消に繋がる

通話時間が短縮されることによりCPHやATTの改善効果が期待できます。コールセンターは常時人手不足の業界ですので、現状の業務効率を見直しが必要です。IVRを導入して電話応対の効率化が実現すれば、オペレーターを増員することなくコールセンター全体のキャパシティ増加や人手不足を解消できるでしょう。

IVR導入時の注意点

このように多くのメリットを持つIVRですが、導入する際には以下のような注意が必要です。ここではそれぞれについて詳しく解説します。

  • 設定や変更が容易なシステムを選ぶ
  • 適切なシナリオを設計する
  • 顧客にとって分かりやすいアナウンスを設定する
  • 定期的にIVRの見直しを行う

設定や変更が容易なシステムを選ぶ

システムによっては、操作権限が制限されていて柔軟な修正が難しいものもあります。IVRのシステム導入時には設定や変更が容易かどうかという点も重要な検討要素です。

顧客からのコール内容の想定を十分に行う

問い合わせ内容の想定が不十分な場合、顧客はいつまでも必要な案内や情報を受け取れず、コールを切断してしまう恐れがあります。IVRを活用するためには、顧客からの電話内容を想定し、顧客が音声に従って必要な部署、担当者へ適切にたどり着けるようなシナリオを設計しましょう。

顧客にとって分かりやすいアナウンスを設定する

案内アナウンスが長すぎたり選択肢のメニューが多すぎたりすると、顧客は適切な選択肢を選ぶことができずストレスを感じてしまいます。選択肢の数は適切か、アナウンスは分かりやすいかといった視点での設計が必要です。

定期的にIVRの見直しを行う

一旦IVRによる案内の流れや選択メニューを設定した後も、定期的な設定内容の見直しが必要です。最初の設定がベストとは限りませんし、問い合わせ内容の傾向が変わることもあるでしょう。コールセンター運用の効率を高めるためにも、定期的な設定の見直しは不可欠です。

まとめ

IVRはコールセンター全体の業務の効率化、生産性の向上を目指して導入が進んでいます。上手く活用できれば顧客の満足度が向上するとともに、オペレーターの負担の軽減や人材育成にも効果が表れるでしょう。

一方で自動音声での応対であるがゆえにその運用方法を間違えてしまうと、顧客の不満が高まり企業やサービス全体の印象が悪くなりかねません。最近ではIVRの弱点を補うソリューションとしてボイスボットビジュアルIVRなども開発されています。必要に応じて検討しましょう。

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Writer編集者情報

  • コネナビ編集部 丸山 実咲季

    2022年4月に入社し、コールセンターとオフィスワークに特化した人材サービスの事業部へ配属。
    営業推進部にてインサイドセールスに従事し、テレアポからメールマーケティングなどのプル型施策によりリード獲得に貢献。
    2022年5月からTwitterアカウントの運用も担当。2022年度のグループ全体「新卒新人賞」にノミネートされる実力者。市場価値爆上がり中の2年目社員!
    ・趣味:お洒落なカフェの空間を探したり、自然の中をお散歩することが好きです!その他、バスケ 料理 音楽など多趣味です。
    ・特技:相手の表情を汲み取って行動や発言ができる点。

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