【2024年最新】カスタマーサポートにおける代表的なCRMの導入成功事例10選を紹介
2024/09/25
- システム導入
- 生産性向上
カスタマーサポートにおいて、CRMシステムは欠かせない存在です。CRMシステムによって顧客データを適切に管理することができ、顧客に適切な課題解決を提供できます。
本記事では、そんなカスタマーサポートには欠かせないCRMシステムの導入成功事例をご紹介します。日本のカスタマーサポートで多く利用されている代表的なCRMシステムの導入事例にフォーカスし、それぞれの特徴がどのように現場で活用されているかを解説します。
CRMとは
CRM(Customer Relationship Management)とは、直訳すると「顧客関係管理」を指します。顧客のデータを収集・管理・分析することが顧客関係管理の要であり、これらを実現するのに不可欠なツールがCRMシステムです。
CRMシステムがカスタマーサポートに導入される背景には、顧客との効果的なコミュニケーションを実現し、顧客満足度を向上させたいというニーズがあります。顧客からの問い合わせに対して、より迅速で適切な対応をするためには、その顧客がこれまでに何を購入したのか、どのような問い合わせをしたのかといった情報がすぐに手元にあることが重要です。
CRMの詳細についてはこちらの記事も参照ください。
カスタマーサポートにおけるCRMの導入事例
ここからは日本のカスタマーサポートでよく利用されるベンダーごとに、様々な業界でのBtoB、BtoCのCRM導入事例を紹介します。
【BtoB】セーフィーの事例(セールスフォース)
セーフィー株式会社は、カメラ映像データをクラウド化し様々な用途に活用できる「映像プラットフォーム」を提供している会社です。
従来のシステムでは顧客情報の一元管理が困難で、問い合わせ対応に時間がかかっていたため、一元管理ができるCRMシステムの導入が急務でした。そこで、すでに導入されていた「Sales Cloud」と連携が可能なセールスフォースの「Service Cloud」を導入しました。
移行にあたり、まずは既存システムで使用している機能を洗い出し、移行先である「Service Cloud」に落とし込む作業を実施、テスト運用を開始しました。
顧客情報が一元化され、問い合わせの追跡と解決が格段にスムーズになったことで、テスト運用時点から問い合わせ対応時間が3分の1、コストが10%削減できたといいます。さらに、セールスフォース製品の拡張利用によって、現場でのやり取りも一元管理を行い、お客様サポート全体をカバーした一元化の実現を目指しています。
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【BtoC】パイオニアの事例(セールスフォース)
パイオニア株式会社は、モビリティサービスカンパニーを通じてテレマティクス事業を中心にデータ活用を推進している会社です。
新市場でのビジネス開拓に向けてデータをもとにしたパイプラインとターゲティングが不可欠となり、これらを実現するため「Sales Cloud」及び「Account Engagement」「Service Cloud」を導入しました。
これまでは利用していたCRMとMAがバラバラのメーカーによるもので、一貫したデータ管理ができていなかったところをセールスフォース製品に統一することでシームレスに連携することを実現しました。また、KGIやKPIを「バトンタッチ形式」で考え、部署間の縦割りによって発生しがちな個別最適化を防ぎ、全体最適になるように設計しています。これにより、BtoB直販の強化、顧客データの一元管理、高精度なターゲティングが可能となり、新規顧客受注台数が前年比8倍以上に増加しました。
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【BtoB】ネットプロテクションズの事例(Kintone)
株式会社ネットプロテクションズは、個人および法人向けに後払い決済事業を展開している会社です。
掛け売りに関する全ての代行業務を請け負う同社では日常的にメールや電話でのやり取りが発生していましたが、従来のCRMツールでは問い合わせに関連したメール情報などが一元管理できておらず、顧客からの問い合わせに対し迅速に対応ができていませんでした。また、管理が煩雑になり、業務が属人化していたことも課題でした。
そこで、情報一元化を目的にCRMツールのリプレイスを実施。柔軟な対応が求められる業務のため、改修に時間やコストがかからないツールを選定した結果、業務部門だけでも自由度高くアプリが作成できる「kintone」が選ばれました。
現場でのkintoneの導入により、問い合わせに関するデータが集約され、顧客情報が迅速に確認できるようになりました。その結果、月間8000件を超える問い合わせ対応の品質と速度が大幅に改善され、業務の可視化も進んでいます。業務がシンプルになったことで人材定着にも貢献しています。
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【BtoC】幸楽苑ホールディングスの事例(kintone)
幸楽苑ホールディングスは、昭和29年創業の外食チェーンで、日本国内外に546店舗を展開している会社です。
幸楽苑ホールディングスでは毎日約30件ほどの問い合わせをカスタマーサポート室で対応していましたが、代表メールに届いたメールが散々している状況でした。そこで、メールの対応履歴等を管理できるCRMシステムの導入を検討、kintoneとメールワイズ、Microsoft Azureの組み合わせで問い合わせ管理システムを構築し、メールの履歴管理を一元化できるようにしました。
導入後、メール返信時間が大幅に短縮され、9割のメールが1日以内に返信されるようになりました。これにより、従業員は顧客対応以外の業務に集中できるようになりました。
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【BtoB】日立システムズの事例(FastHelp5)
株式会社日立システムズは、ITサービスを提供する企業で、全国に広がるコンタクトセンター事業を運営している会社です。
同社は長年、自社開発のCRMシステムを利用していましたが、ハードウェアの老朽化と維持費の増加が課題となり、リプレイスを検討。情報セキュリティの観点からオンプレミスで構築できるものを中心に、クライアントから請け負う業務内容に合わせてチーム単位に表示項目が柔軟に変更でき、カスタマイズが自社でも容易なCRMシステムを検討した結果、「FastHelp5」へリプレイスを決定しました。
これにより、業務の標準化が進み、月に500時間の業務削減が実現しました。また、BCP対策としても機能し、新たな在宅勤務の検討にも役立っています。
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【BtoC】ダイキン工業の事例(FastHelp5)
ダイキン工業株式会社は、空調技術を中心に多岐にわたる製品を提供している会社です。
CRMシステムやFAQシステムの老朽化やサポートの終了が近くなり、既存業務フローを維持して移管できることを前提に、お客様満足度の向上と業務効率化に貢献する基盤を模索していました。そこで、繁忙期と閑散期の差が激しいコンタクトセンター業務に対応できるよう、同時接続数でのライセンス体系を持つ「FastHelp5」と「FastAnswer2」を導入しました。
これにより、東西2箇所のコンタクトセンター合わせて1000名以上が「FastHelp5」を利用し応対業務を実施、複数チャネルを統合して管理することで管理工数の大幅削減や作業の平準化、SVの負荷軽減にも寄与しています。また、応対完了までの時間短縮と情報共有の効率化が改善し、顧客満足度の向上にも繋がっています。
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【BtoB】Sansanの事例(Zendesk)
Sansan株式会社は、法人向けクラウド名刺管理サービスを提供している会社です。
同社では「サポートが要らなくなる世界」を目指し、Zendeskの豊富な機能を駆使したサポート業務の徹底的な自動化を実現しています。特に、マクロやトリガーを使用して問題解決までの時間を短縮し、サポートチケットの管理も効率化しており、こうした自動化への取り組みの成果は、チケットの起票から問題が解決されるまでの平均解決時間のほか、MAU(マンスリーアクティブユーザー)に対する手動回答率で計測しています。また、「Zendesk Guide」を活用したFAQページの構築も効率化に大きく寄与しています。
これにより、この5年間ほどで問い合わせ件数も倍近く膨らんでいるものの、一人のエージェントが対応するチケット数に大きな変化はない状態を実現できています。
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【BtoC】GMOペパボの事例(Zendesk)
GMOペパボ株式会社は、「minne」や「カラーミーショップ」など、複数の個人向けインターネットサービスを提供している会社です。
同社は複数のインターネットサービスを手がけており、複数のサービスを利用しているユーザーはロイヤルカスタマーのため、サービス横串で顧客の状況を把握することは適切なカスタマーサポートの提供に不可欠でした。そこで、同社ではマルチブランド機能でサービスを越えて管理が可能な「Zendesk」を導入しています。
これにより、顧客問い合わせの効率管理が可能になり、異なるサービス間でも一貫性のある対応を提供することが実現しています。さらに、副次的な要素として、Zendeskを利用することでカスアマーサポートのグローバルスタンダードを取り入れることができています。
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【BtoB】かんでんCSフォーラムの事例(楽テル)
株式会社かんでんCSフォーラムは、多岐にわたるクライアントからの委託業務を請け負う会社です。
従来のシステムでは、履歴の登録とクライアント宛の報告などメールの送信を別のシステムで行う必要があるため、作業が二度手間になっていました。これはオペレーターの後処理だけではなく、SVの報告作業の工数もかかっていました。
そこで、ラクスが提供するCRM「楽テル」を導入。「自動処理」というルーティン作業を自動化できる機能を活用することで、オペレーターの後処理業務が半減し、誤登録防止で管理作業が大幅に減少しています。また、そのほかにもアウトバウンドの架電効率が改善し、接触率が1.2倍になるなどの効果が見られました。
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【BtoC】カカクコムの事例(楽テル)
株式会社カカクコムは、多くの「価格.com」や「食べログ」などウェブメディアを運営している会社です。
CRM導入前では、直近1~2日分の履歴はテキストで検索ができるものの、それより前の履歴になると検索できないため、1週間など継続して対応をするような案件では履歴が見られない問題が発生していました。
楽テルを使用することで、過去の対応履歴を迅速に検索できるようになり、対応の質が向上しました。また、問い合わせの傾向をリアルタイムで把握し、効率的なデータ集計が可能になりました。この導入により、顧客対応がスムーズになり、高いホスピタリティを提供できるようになりました。
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まとめ
本記事では、カスタマーサポートで利用されるCRMシステムの具体的な事例を10個紹介しました。
各社CRMを導入したことで、管理が一元化され、オペレーター工数だけではなく、管理者工数の削減も実現しています。また、それぞれの企業で共通化していることは課題が明確であり、それらを解決するための機能が備わったシステムを選んでいることです。もちろん、価格は重要な要素ですが、それよりも重要なのは自社の課題が解決できることです。
そのため、CRMをこれから導入する企業はまずは自社の課題、目的を明確にしましょう。その課題を解決できると何がどれだけ改善されるのかを明確にすることで、選ぶべきシステムが決まってきます。また、自社の運用リソースとポリシーも明確にしておくといいでしょう。自社でカスタマイズが可能なものを選ぶのか、ある程度出来上がったものを組み合わせて使えるものを使うのかは必要なリソースが大きく変わってきます。
これらを明確にすることで適切なシステム導入が実現するでしょう。
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Writer編集者情報
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コネナビ編集部 小林 弘明
新卒1年半は銀行にて勤務。その後 株式会社セントメディア(現:株式会社ウィルオブ・ワーク)にキャリアチェンジし、営業職と支店長を経験。
その後4年間は教育担当者として従事し、本部営業を1年間経験。現在は営業推進部マネージャとしてスタッフキャリア支援を担当。
・趣味:北海道の田舎で育ったので、自然アクティビティが大好き!特にシュノーケリング、川遊び。
・特技:飲み屋でだれとでもすぐ仲良くなること。