採用管理システム(ATS)9選|雇用形態別のおすすめと自社に最適な選び方を解説

2025/04/14

採用活動の効率化・質の向上を図るうえで、今や欠かせない存在となっている「採用管理システム(ATS)」。応募受付から選考、内定通知、データ分析まで、煩雑な採用業務を一元管理できることから、企業規模を問わず導入が進んでいます。

しかし一口に「採用管理システム」といっても、提供されているシステムは多岐にわたり、機能や得意領域もさまざま。

どのシステムが自社に合っているのか分からない
新卒・中途・アルバイトなど複数の採用に対応できる?
といったお悩みを抱える方も多いのではないでしょうか。

本記事では、採用管理システムの基本機能や導入メリット、自社に合ったシステムを選ぶためのポイントを分かりやすく解説します。
さらに、新卒・中途・アルバイト採用に強みを持つおすすめのシステムを9つ厳選してご紹介!
はじめて導入を検討する方も、既存システムの見直しを考えている方も、ぜひ参考にしてください。

TOPICS

採用管理システム(ATS)とは?

採用管理システム(ATS)とは、求人募集から応募者対応、選考、内定通知、採用活動の振り返りまで、採用業務全体を一元管理できるシステムのことです。Applicant(応募者)Tracking(追跡)System(システム) の頭文字から「ATS」と呼ばれることもあります。

従来の採用活動では、Excelやメールなど複数のツールを併用するケースが一般的でしたが、情報の分散や入力ミス、対応漏れが発生しやすいという課題がありました。採用管理システムを導入することで、煩雑な業務の手間を減らし、業務効率化と採用精度の向上を同時に実現できます。

特に近年では、複数の媒体からの応募管理や、採用プロセスの可視化、応募者とのスムーズなやりとりが求められるようになっており、ATSの導入は採用担当者の生産性向上に欠かせない選択肢となっています。

採用管理システムの形態比較|クラウド型とオンプレミス型の違いとは?

採用管理システムには、大きく分けて「クラウド型」「オンプレミス型」の2形態があります。どちらを選ぶかは、企業の体制や運用方針によって変わります。

★クラウド型
クラウド型は、インターネット経由でサービスを利用するタイプのシステムです。サーバーやシステムの管理が不要で、導入から運用までスピーディに進められるのが大きな魅力です。月額制などのサブスクリプション型が多く、初期コストも抑えられる傾向にあります。

アップデートやセキュリティ対応もベンダー側で行われるため、社内に専任のIT担当がいない場合でも安心して運用できます。中小企業から大企業まで、幅広く選ばれている形式です。

★オンプレミス型
オンプレミス型は、自社内のサーバーにシステムを構築・運用するタイプです。自社専用の環境を構築できるため、カスタマイズ性やセキュリティ面で優れる一方、導入・構築に時間やコストがかかる点がデメリットです。

高度なセキュリティ要件が求められる業種や、業務に合わせて柔軟に機能をカスタマイズしたい場合などに適しています。

採用管理システム|機能を紹介

採用管理システム(ATS)には、多くの便利な機能があります。
その中でも、導入企業の多くが活用している代表的な機能を4つのカテゴリに分けてご紹介します。

応募者対応を自動化する機能(自動取り込み/メール自動送信)

  • 応募者情報の自動取り込み
    求人媒体や自社サイトからの応募情報を、自動的に採用管理システムへ取り込む機能です。
    応募者情報を1つのシステムで管理できるため、迅速かつ効率的な対応が可能になります。
    入力や転記の手間を省き、応募経路ごとの対応漏れを防止できます。
  • 応募者へのメール自動送信
    選考結果の通知や面接日程の案内といったメール対応を、自動で行うことができます。
    また、定型文を設定しておけば、システムが適切なタイミングでメールを送信してくれます。
    そのため、手動でのメール作成や送信を省くことができ、時間と労力を大幅に削減できます。
    大量の応募が発生した場合でも、迅速かつ均一な対応が可能です。

選考の進行管理を効率化する機能(進捗管理/面接設定)

  • 選考進捗の管理
    応募者ごとの選考ステータス(書類選考、面接、内定など)を可視化し、システム上で一元管理する機能です。これにより、選考プロセスが可視化され、担当者がスムーズに進捗状況を把握できるため、応募者の対応漏れを防ぐことができます。
    誰がどの段階を担当しているのかも共有しやすく、チーム内での連携もスムーズになるでしょう。
  • 面接日程の管理
    応募者と面接官のスケジュールを連携させ、日程調整を効率化する機能です。面接予定の設定や変更、通知の送信などがすべてシステム内で完結するため、調整工数の削減にも役立ちます。

採用データを可視化する機能(分析レポート/ダッシュボード)

  • 採用状況の分析
    応募数、通過率、採用数、媒体別コストなどを可視化・レポート化できる機能です。このデータに基づいて採用プロセスの改善点を見つけ、より効果的な採用戦略を策定することができます。
    定量的なデータを活用することで、感覚や経験に頼らない、再現性のある採用活動が可能になります。
  • ダッシュボード機能
    リアルタイムでの採用進捗を一目で確認できるダッシュボードも多くのシステムに搭載されています。現状把握や報告業務にも活用でき、採用活動の意思決定をスピーディーにサポートします。

求人作成・広報を支援する機能(自社サイト作成/求人媒体連携)

  • 自社求人サイトの作成
    企業独自の採用ページを構築・管理できる機能です。自社の採用情報や企業文化を訴求するコンテンツを充実させることで、応募者に企業の魅力を伝えることができます。
    媒体に依存しない応募獲得チャネルを持つことで、広告費の削減や母集団の質の向上が期待できるでしょう。
  • 求人媒体との連携
    主要な求人媒体とAPI連携し、求人情報の自動掲載・更新が可能です。複数媒体への投稿や更新も一括操作できるため、運用負担を大きく軽減します。

採用管理システム|4つの導入メリット

応募者情報の一元管理ができる

採用管理システムを使えば、求人媒体や自社サイトなど複数のチャネルからの応募情報を一元的に管理することが可能です。応募者の氏名、連絡先、選考ステータスなどがひとつの画面で確認でき、複数の表計算ソフトや紙ベースでの管理にありがちな情報の抜け漏れ・重複のリスクを防ぎます。
一元化された情報をチーム内でリアルタイムに共有できるため、連携ミスの防止や対応スピードの向上にもつながります。

採用業務の効率化を図れる

応募者情報の自動取り込みや、面接日程の調整、メールの自動送信など、多くの作業を自動化・効率化できる点は、採用管理システムの大きな強みです。
たとえば、書類選考後のメール送信を自動で設定しておけば、担当者の手間を大幅に削減でき、他の重要な業務に集中できます。
また、タスク管理や進捗の可視化により、選考プロセス全体がスムーズに流れるようになり、採用スピードの向上にも寄与します。

人的ミスの防止ができる

手作業での入力や対応では、どうしても人的ミスが発生しやすくなります。採用管理システムでは、選考ステータスの更新や定型メールの自動送信などを仕組み化することで、対応漏れや送信ミスを未然に防ぐことができます。
また、システム上で情報が明確に記録されるため、履歴の確認やトラブル時の対応もスムーズに行えます。

採用コスト削減ができる

採用管理システムを導入することで、業務効率が上がり、人件費や媒体費の見直しにもつながります。たとえば、自社求人サイトからの応募を促進することで、有料求人媒体への依存度を下げられれば、広告費を削減できます。
さらに、選考スピードが上がることで早期内定が実現できれば、長期戦によるコスト増も抑えられます。全体として、採用活動のコストパフォーマンスを高めることができるでしょう。

採用管理システム|自社に合った選び方

自社の採用形態や用途にマッチしたシステムを選ぶ

採用管理システムには、「新卒採用」、「中途採用」、「アルバイト・派遣採用」にそれぞれ適したシステムがあります。まず、自社でどの雇用形態の応募者を管理したいのかを明確にし、雇用形態に合ったシステムを選ぶようにしましょう。

特に、新卒採用とアルバイト・派遣採用では必要となるシステム機能も大きく異なります。また、新卒採用と中途採用を同じシステムで管理したい場合には、両方の用途に適したシステムを選ぶことが重要です。システムの機能を予め確認し、自社のニーズに合わせた選択をしましょう。

自社の採用課題に適したシステムを選ぶ

採用管理システムには、「応募者管理(情報の取り込み)に強い」、「適性検査の連携ができる」、「LINE連携でコミュニケーションが取りやすい」、「データ分析・レポート作成に強い」など、システムごとに特徴があります。

例えば、全国でアルバイト採用を行っており、スピーディーな対応に課題を感じている企業であれば、応募者管理(情報の取り込み)に強く、メール自動配信やWEB予約機能があるシステムが適しているでしょう。これにより、情報の一元管理ができ、WEB予約を通じて迅速に面接予約や応募者対応が可能となります。自社の採用課題を改めて洗い出し、それに適した機能を備えたシステムを選びましょう。

サポート体制を確認する

採用管理システムの導入時はもちろん、導入後にも不明点やトラブルが発生することがあります。そんな時に、メールやチャット、電話でのサポートが可能であったり、対面でのサポートが受けられたりする体制が整っていると安心です。

サポート体制の充実度も、システム選びの重要なポイントとなるので、事前にどのようなサポートが提供されるのか確認しましょう。

セキュリティ対策を確認する

採用管理システムには多くの応募者情報が保存されるため、個人情報漏洩のリスクがあります。特に、現在主流のクラウド型システムの場合、インターネットを介して利用するため、データの暗号化、モニタリング、サイバー攻撃への耐性など、どのようなセキュリティ対策が行われているかを確認することが重要です。

また、自社の情報管理体制も併せて構築するようにしましょう。

採用管理システム比較|3タイプ別に紹介

本章では、おすすめの採用管理システムの特徴や費用形態をご紹介します。

新卒採用に強い」「中途採用に強い」「アルバイト・派遣採用に強い」の3タイプに分けており、それぞれLINEの連携が可能かも記載しておりますので、ぜひご参考ください。

新卒採用に強いシステム

MOCHIKA(株式会社ネオキャリア)

【公式サイト】

株式会社ネオキャリアが提供するMOCHICAは、LINE連携に優れ、1,000社の企業が新卒採用で導入した実績がある採用管理システムです。申込みから最短3営業日で導入可能、管理画面で説明会や選考会の日程を設定しておけば、LINE上で学生と自動で日程調整できる点がポイントです。

ZoomやGoogleカレンダーなどの外部サービスとの連携も可能で、WEB面談や説明会のスケジュールもシームレスに管理できます。ダッシュボードでは、エントリーした学生の属性が分かるグラフや採用進捗を俯瞰できる表を完備しており、簡単にレポート作成ができます。

★LINE連携:あり(LINE公式アカウント必須)

i-web(株式会社ヒューマネージ)

【公式サイト】

株式会社ヒューマネージが提供するi-webは、業界唯一の大手就職情報サイト(リクナビやキャリタス就活)と適性検査(TG-WEB、SPI3)との完全連動が可能な採用管理システムです。「オンライン採用」「ペーパーレス採用」「採用広報」「媒体管理」「応募者コミュニケーション」「ダッシュボードと分析機能」の6つの特長を持ち、採用活動をアクティブにします。

機能も豊富で、Webページ制作、スコアリング、データ分析、録画面接、オンライン面接プラットフォームなどが備わっています。さらに、運用サポートを行う専任担当(カスタマーサクセス)が必ず付き、採用活動を伴走してくれるため、サポート体制も充実しています。

★LINE連携:あり

ACCESS ONLINE(株式会社マイナビ)

【公式サイト】

株式会社マイナビが提供するACCESS ONLINEは、マイナビ社の媒体とのシームレスな連携が可能な採用管理システムです。マイナビに登録している学生は、マイナビサイトの会員ID・パスワードでエントリーやマイページへのログインができるため、ストレスなく操作できます。

応募者管理から説明会や面接の予約管理、面接官の割り当て、データ分析まで、すべてをオンラインで完結させることができます。また、マイページや採用サイトの作成、データ集計機能が充実しており、使いやすさに定評があります。
さらに、WEB面接や適性テストなどの各種サービスとも連携できるため、応募者および採用担当者双方の負担を軽減できます。

★LINE連携:なし

中途採用に強いシステム

HRMOS(株式会社ビズリーチ)

【公式サイト】

株式会社ビズリーチが提供するHRMOS採用は、採用データの分析・改善に強い採用管理システムです。選考管理、求人管理・求人媒体連携、エージェント管理・推薦、分析レポートなど、幅広い機能が備わっています。視覚的で操作しやすいUI(ユーザーインターフェース)が採用担当者に好評で、初めてでも簡単に使いこなせます。
データ分析では、採用経路ごとの分析を行うことで辞退や内定の理由の傾向や採用活動の現状を把握し、データに基づく改善活動が行えます。
新卒採用向けには、「HRMOS採用 新卒版」もリリースされています。

★LINE連携:なし

HERP Hire(株式会社HERP)

【公式サイト】

株式会社HERPが提供するHERP Hireは、SlackとChatworkとの連携が可能な、コミュニケーション効率化に優れた採用管理システムです。社内でGoogleカレンダーを使用している場合、面接官の空いている日程を自動で抽出し、応募者の面接日程調整リンクを作成することができます。

また、約30の求人媒体からの応募情報を自動で取り込み、求人ページの作成やリファラル採用の機能も充実しています。レポートや採用ダッシュボード機能を活用すれば、採用活動の現状把握や戦略の見直しが容易にでき、採用の質を高めることができます。

★LINE連携:なし

Sonar ATS(Thinkings株式会社)

【公式サイト】

Thinkings株式会社が提供するSonar ATSは、採用担当者から面接官、応募者、人材紹介会社(エージェント)に至るまで、あらゆる人に便利な採用管理システムです。募集要項の作成後、複数のエージェントへの求人依頼やIndeed、Googleしごと検索などへの掲載がワンクリックで完了します。

また、メールやLINE機能、選考スケジュールの管理機能により、応募者ファーストな連絡が可能になります。採用フローを画面上に再現できるため、リアルタイムで採用状況の把握や共有ができるのもポイントです。加えて、優れたデータ連携サービスや高度なセキュリティ対策を備えており、企業の大切な情報を安全に管理できます。

★LINE連携:あり

アルバイト・派遣採用に強いシステム

リクオプ(HRソリューションズ株式会社)

【公式サイト】

HRソリューションズ株式会社が提供するリクオプは、自社のニーズに合わせて機能をカスタマイズできる採用管理システムです。リクオプを利用することで、公開中の求人情報をIndeedなどの求人サイトへ自動で転載でき、求職者の集客力を高めることができます。

オプション機能には、外部求人媒体からの応募自動取り込み、録画面接やオンライン面接、LINE応募やSMS機能などがあり、必要に応じて追加可能です。さらに、本部ID、スーパーバイザーID、店舗IDの3種類のIDを発行するオプションもあり、適切な権限設定を行うことで、採用進捗の確認やフォローがしやすい体制を整えることができます。

★LINE連携:なし

RPM(株式会社ゼクウ)

【公式サイト】

株式会社ゼクウが提供するRPMは、求人媒体の自動連携に強い採用管理システムです。求人媒体との連携数は全媒体の95%にあたる400以上で、全国規模であらゆる求人媒体を活用する企業におすすめです。応募者の進捗ステータス管理や面接スケジュールの自動調整機能があり、Microsoft TeamsやZoomなどの面接ツールとの連携も可能です。

さらに、メールやLINE、SMSを通じた自動連絡機能も備えており、応募者とのコミュニケーションを容易に行えます。効果分析は求人媒体別、募集職種別、応募先拠点別など様々な切り口で行うことができ、採用単価や費用対効果、ステータスごとのリードタイムの分析が可能です。

★LINE連携:あり

HITO-Manager(パーソルビジネスプロセスデザイン株式会社)

【公式サイト】

パーソルビジネスプロセスデザイン株式会社が提供するHITO-Managerは、独自性の高い採用サイト制作に優れた採用管理システムです。IndeedやGoogleしごと検索などとの連携、求人まとめサイト連携、応募フォームのカスタマイズ、スカウト機能などを通じて、求職者の集客を強化します。

自動メールや面接管理機能を利用することで、応募者とのコミュニケーションがスムーズになり、面接調整も簡単に行うことができます。初期設定サポートや導入時のレクチャー、専任サポートデスクなど、導入後のサポート体制も万全です。

★LINE連携:なし

まとめ|自社に最適なシステム導入を

採用管理システム(ATS)は、採用業務の効率化や応募者情報の一元管理など、多くのメリットを提供します。自社の採用形態や課題に合ったシステムを選ぶことで、より効果的な採用活動が実現します。システムの導入には、機能やサポート体制、セキュリティ対策をしっかり確認し、自社に最適なものを選びましょう。

より優れた人材を迅速かつ効率的に採用するために、適切な採用管理システムの導入を検討してみてください。

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Writer編集者情報

  • コネナビ編集部 上原 美由紀

    従業員1万人以上の企業の5社に1社が導入している採用支援・求人広告会社にて、アルバイト・パート採用や中途採用を中心に、約3年間にわたり企業の採用支援に従事。
    2019年9月より株式会社ウィルオブ・ワークに入社し、コールセンター・オフィスワークに特化した人材サービスの事業部でキャリアアドバイザーを担当。現場で培った知見をもとに、コンタクトセンター領域はもちろん、採用・人材分野に関する実践的かつリアルな情報発信を心がけている。

    現在は子育てと仕事を両立しながら、日々奮闘中!

    趣味:音楽、ゲーム、ディズニー、お酒
    特技:タスク管理

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