バーバルコミュニケーションとは?コールセンターで応対スキルを向上させる秘訣を解説 

2025/03/17

コールセンターの運営において、オペレーターの言語コミュニケーション(バーバルコミュニケーション)スキル向上は欠かせません。 
言葉遣いや声のトーンが適切でないと、顧客満足度が下がり、クレームにつながるリスクも高まります。しかし、具体的にどのように指導すればよいか悩むことも多いでしょう。 

本記事では、バーバルコミュニケーションの基本から、オペレーターの育成に役立つ指導のポイントを解説します。応対品質を向上させ、顧客との良好な関係を築くためのヒントをぜひご活用ください。 

バーバルコミュニケーションの概要

バーバルコミュニケーションとは、言葉を使って情報を伝えるコミュニケーション手法です。対面での会話に加えて、電話応対メールチャットなども含まれます。 
コールセンター業務では「言葉」のみを使用して相手の理解を得る必要があるため、特に重要なスキルとなります。

ノンバーバルコミュニケーションとの違い 

バーバルコミュニケーションが言葉を介した情報伝達であるのに対し、ノンバーバルコミュニケーションは、身振りや手振り、表情、声の抑揚などの非言語的要素を含みます。 

コールセンターでは視覚的なノンバーバル要素(ジェスチャーや表情)を活用できませんが、聴覚的な要素である声のトーン、話すスピード、間の取り方は、顧客との信頼関係を築く上で非常に重要です。 

▼ノンバーバルコミュニケーションに関してはこちらの記事をご覧ください
ノンバーバルコミュニケーションとは?コールセンターでの活用法とその効果を解説

コールセンターにおけるバーバルコミュニケーションの重要性 

コールセンターでは、顧客とのやり取りが音声や文字で行われるため、バーバルコミュニケーションのスキルが極めて重要です。 

顧客満足度は、声のトーン、話す速度、言葉選びによって大きく影響を受けます。特に、明瞭な言葉遣いや適切な敬語、共感を示す話し方が求められるでしょう。 

また、クレーム対応時には、具体的で丁寧な言葉選びが顧客に安心感を与えます。 
相槌やクッション言葉を適切に使うことで、顧客は自分の声がしっかりと受け止められていると感じることができます。 

このように、バーバルコミュニケーションの質を向上させることが、顧客との信頼関係を築き、リピート利用を促進する鍵となるのです。 

コールセンターで活用できるバーバルコミュニケーション

前章で述べた通り、コールセンターにおいてバーバルコミュニケーションは顧客との信頼関係を築く重要な柱です。 
本章では、具体的にコールセンターで活用できるシーンを【通常の電話応対】【FAQやチャットなどのテキストベースのサポート】【クレーム対応】の3つに分けてご紹介します。 

通常の電話応対 

【参照:Cotra/カスタマーサポートに対するカスタマーニーズ調査2024】 

トランス・コスモス社が実施した、カスタマーサポートに対するカスタマーニーズ調査(2024)によると、電話以外にもチャットやFAQなどのサポート手段が増加している中でも、電話の需要が依然として高いことが読み取れます。 

顧客との電話でのやり取りにおいて、丁寧な言葉遣いは重要です。 
「お世話になっております」や「ありがとうございます」といった礼儀正しい表現は、顧客に対して敬意を示し、信頼感の向上につながります。特にサービスに対する期待が高い顧客に対しては、丁寧な言葉遣いがその体験をさらに良くする重要な要素となるでしょう。 

FAQやチャット形式などの言語だけを用いたサポート

コールセンターでは、FAQ(よくある質問)やチャット形式のサポートが重要な役割を果たします。FAQは顧客が迅速に情報を得られる手段であり、基本的な問題を解決することで問い合わせの軽減にも寄与します。 

FAQを効果的に活用するには、バーバルコミュニケーションの要素を意識することが重要です。FAQの質問や回答を明瞭で分かりやすく構成することで、顧客の疑問を効果的に解消できます。 
例えば、専門用語を避け、シンプルな表現や具体例を用いることで、顧客が情報を理解しやすくなります。また、丁寧な言葉遣いを心掛けることで、顧客に対して敬意を示し、親しみやすさを感じさせます。 

チャット形式ではリアルタイムの対話が可能で、顧客が即座に質問できるため、オペレーターとの信頼関係を築く機会が増えます。バーバルコミュニケーションを活用し、言葉選びや返答のトーンに工夫を凝らすことで、顧客の安心感を高めることができるのです。 

クレーム対応の技術 

クレーム対応においては、バーバルコミュニケーションのスキルが特に求められます。 
顧客の不満を真摯に受け止め、「申し訳ございません」と謝罪する際に、声のトーンや言葉遣いに誠意を込めることが重要です。 
また、顧客の意見をしっかり聞いた後に、具体的な解決策を提示することで、顧客の信頼を回復できます。場合によっては、顧客の要望に沿えないこともあるでしょう。その際は、クッション言葉を前置きすることで、相手にしっかりと話が伝わり、受け入れてもらえる可能性が高まります。 

▼クレーム対応に関してはこちらの記事をご覧ください
元CS担当者が解説│クレーム対応の心得・NG対応・発生させない仕組みづくり

オペレーターの応対スキルを向上させる3つの手法 

顧客対応の質を向上させるためには、オペレーター自身のバーバルコミュニケーションスキルを強化することが欠かせません。 
本章では、オペレーターが実践すべき具体的なスキル向上法をご紹介します。 

顧客の感情を読み取るヒアリング技術

オペレーターは、顧客の声のトーンや話し方から感情を読み取る能力を養う必要があります。 
たとえば、顧客が怒りを抱えている場合、声が大きく、早口になる傾向があります。このような非言語的なサインに気づくことで、顧客の本当のニーズや感情を理解し、より適切に応じることができます。 

ヒアリングスキルを高めるためには、定期的にロールプレイを行い、実際の顧客対応に近い状況でトレーニングすることが効果的です。
さらに、感情分析の技術を活用することも有効です。音声やテキストデータから顧客の感情を自動的に分析することで、リアルタイムで感情を把握し、より的確なフォローが可能になります。これにより、顧客との信頼関係が深まり、満足度の向上が期待できるでしょう。 

わかりやすく伝えるための言い換えテクニック

顧客への説明が必要な際、わかりやすく伝えるための言い換えテクニックが非常に有効です。専門用語や業界用語は理解しづらいことがあるため、日常的に使われる言葉に置き換えることが重要です。例えば、「サポート」や「システム」といった用語を使用する代わりに、「助ける」や「仕組み」と表現することで、高齢の方はより理解しやすくなるでしょう。 

また、さまざまな言い回しを練習し、適切な状況で使い分ける能力を磨くことが大切です。これにより、顧客とのコミュニケーションが円滑に進むようになり、信頼構築できるようになります。 

信頼を築くための話し方と間の取り方 

顧客との信頼関係を築くためには、オペレーターは声のトーンや発音、話すスピードや間の取り方にも注意を払う必要があります。 

顧客がリラックスできる声のトーンを保持し、顧客の反応に応じてペースを調整すること大切です。 
また、適切な間を取ることで、相手に安心感を与えられます。たとえば、顧客が悩みを話しているときにしっかりと耳を傾けつつ、少しの間を置くことで「話を聞いてもらえている」と感じてもらうことができます。このように、状況に応じた適切な話し方や間の取り方を心掛けることが、顧客との信頼を深める鍵となります。 

まとめ

バーバルコミュニケーションは、コールセンター業務において顧客満足度を高める重要な要素です。 
言葉の選び方や声のトーン、適切な相槌を活用することで、顧客の安心感や信頼を得ることができます。また、FAQやチャット対応では、わかりやすく丁寧な表現を心掛けることがポイントです。 
さらに、クレームにおいては、共感を示しながら誠意をもって対応することで、企業の信頼度を高めることができます。日々の業務の中でバーバルコミュニケーションスキルを意識し、改善に努めることが、より良い顧客対応へとつながるでしょう。 

これらのポイントを実践することで、顧客との関係を深め、安定したリピート利用を促進し、さらにはコールセンター全体の業務の質を高めることが期待できます。ぜひ、本記事を通してバーバルコミュニケーションを効果的に活用してください。 

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Writer編集者情報

  • コネナビ編集部 上原 美由紀

    従業員1万人以上の企業の5社に1社が導入している採用支援・求人広告会社にて、アルバイト・パート採用や中途採用を中心に、約3年間にわたり企業の採用支援に従事。
    2019年9月より株式会社ウィルオブ・ワークに入社し、コールセンター・オフィスワークに特化した人材サービスの事業部でキャリアアドバイザーを担当。現場で培った知見をもとに、コンタクトセンター領域はもちろん、採用・人材分野に関する実践的かつリアルな情報発信を心がけている。

    現在は子育てと仕事を両立しながら、日々奮闘中!

    趣味:音楽、ゲーム、ディズニー、お酒
    特技:タスク管理

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