コンタクトセンターFAQ5選│導入メリットや注意点・システム比較ポイントを解説 

2025/01/31

今日のビジネスはより複雑になっており、対応するコンタクトセンターも高度な対応が求められており、ナレッジを管理する重要性が高まっています。
また、一つのキーワードとして顧客が自己解決できるエフォートレス化が求められており、ナレッジへのアクセスしやすさが重要になっています。

これらの課題を解決する方法として、コンタクトセンターにFAQシステムを導入する企業は増えてきています。今回は業務効率化と顧客満足度の向上が見込めるFAQシステムについての詳細を解説し、おすすめするFAQシステム5つを紹介します。

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FAQシステムとは

FAQシステムとは、顧客からよく問い合わせのある質問やお悩みとそれらの回答をWebページに集約して、顧客が検索できるようにするシステムのことです。

コールセンター白書2024によると、優先度の高いシステムとして41.3%の企業がFAQシステムを挙げています。前年と比較すると減少傾向にありますが、依然として40%以上の企業が優先度が高いと認識しており、その重要性がうかがえます。

FAQシステムを導入することで、顧客が商品やサービスに関して疑問点を抱いた際に、疑問点を検索することで解決方法や対応策を把握することができるので、わざわざ企業や業者に問い合わせをする必要がなくなります。

FAQシステムの用途

FAQシステム用途は大きく「社外向け」「社内向け」に分けることができ、利用目的が異なります。

■社外向けのFAQシステム
主に顧客が自身の疑問を自ら解消するために利用されます。
自社のWebサイトにヘルプページ等にまとめられ、顧客がコンタクトセンターに問い合わせなくても自身で解決ができるようにサポートします。

■社内向けのFAQシステム
社員が日々の業務を遂行するために利用されます。
自社のイントラやFAQサイトに社内システムの使い方や社内ルールの確認などが記載されています。また、コンタクトセンターでは主にオペレーター向けに、顧客との応対の際に、どのような回答をすれば良いのかをサジェストしてくれます。

社外、社内どちら向けであっても、利用者が自ら疑問を解決できることが重要で、検索が容易にできることや、FAQの中身が分かりやすいことが求められます。

FAQシステムの主な機能

一般的な機能としては検索機能とFAQ管理機能の2種類があります。

検索機能

FAQシステムの主な役割は顧客がFAQに辿り着くのをサポートすることです。

例えば、よくある質問をランキング形式でまとめておいたり、キーワードでFAQを検索できるようになれば、多くの顧客がFAQを見つけやすくなります。

顧客自らが疑問点を解消することができれば、自社への問い合わせ数削減に繋がります。また、自身で解決できる状態は顧客にとっても望ましく、顧客満足度の向上にも繋がります。

多くのFAQシステムではAIを搭載しているので、検索結果の正確性や関連キーワードと結び付けて、顧客の疑問に対して、より正確な検索結果を表示するなど検索機能は充実しているといえます。

FAQ管理・分析機能

FAQのコンテンツを管理したり、分析することもFAQシステムの重要な役割です。検索性が上がっても、FAQの中身そのものが管理されていないと顧客の疑問を解消することはできません。また、ヒットしても解決に至らなかったFAQはその内容を見直す必要がありますし、そもそもヒットしていないFAQは検索しやすいように工夫するのか、要否の判断も必要です。

このように、FAQの中身そのものを分析したり、管理する機能がFAQシステムにはあります。これらの機能を使って適切に管理されることで、FAQはその効果を発揮するのです。

FAQシステム導入のメリット

FAQシステムの導入によって、コンタクトセンターが得られるメリットについて解説します。

問い合わせ件数の削減

人材不足が深刻化するコンタクトセンターにとって呼量の削減は喫緊の課題ですが、FAQシステムを活用することで、顧客の自己解決率を高め、問い合わせ件数を削減することができます。

コールセンター白書2021によると、顧客の7割はすぐにコンタクトセンターに問い合わせるのではなく、自らが検索して解決しようとします。そこで、ヘルプページが分かりやすければ、問い合わせをするよりも時間をかけずに解決できるので、顧客からの問い合わせ数は減っていきます。

顧客満足度の向上

顧客が問い合わせをする際に、オペレーターの対応が不十分だったり、顧客を待たせてしまうことがあるとサービス品質が低下してしまい、顧客からの印象もよくないでしょう。特に新人のうちは自社のマニュアルやナレッジを整備していても、どこに書かれているか検索するのが難しくて時間がかかることがあります。

FAQシステムを導入することで、ナレッジの検索性が上がるため、問い合わせ時に顧客からの質問に正確かつスムーズに答えることができます。正確かつスムーズに疑問が解消されれば、当然顧客満足度も向上します。

また、先に挙げた通り、自ら解決したいと考えている顧客は多く存在します。実際、自己解決率が高いと顧客満足度も高いという関連性も指摘されています。最近ではエフォートレス(顧客が努力せずに解決できること)を標榜するセンターも増えてきていますが、FAQシステムはまさにそれらを支援するシステムとして有効です。

離職率防止にも繋がる

FAQシステムの副次的な効果として、離職率の防止にも繋がる点も強調しておきたいです。

なぜ離職率が下がるかというと、一つには問い合わせ数が減ることで、適切な稼働率を保つことができるからです。常に、稼働率が100%に近いセンターだと、オペレーターは疲弊しますし、満足のいく研修や教育もできません。稼働率を適切に保つことで、オペレーターのコンディションを維持することができたり、しっかりと研修や教育を行うことで、スキルアップやマインドセットができます。

また、応対のサポートとしてもFAQシステムは心強いです。特に、新人のときは何を答えれば良いのかわからないというのが1番の不安になります。そのとき、管理者が適切にフォローできれば良いですが、管理者だけでのサポートには限界があります。そこで、FAQシステムが適切なナレッジをレコメンドし応対をサポートしてくれることで、新人でも適切な対応が可能になります。

FAQシステム導入の注意点

FAQシステムを活用するにあたって注意しなければいけない点もあります。

疑問点の解消につながらない可能性がある

FAQはこれまでの問い合わせから、よくある疑問などをあらかじめ想定して作られています。そのため、想定外の質問には答えられることができません。特に、最新の情報にはFAQの作成が間に合わないケースもありますし、年に1回や2回しかないような質問は想定していないこともあります。

また、FAQの中身が悪いとかえって混乱させることもありますし、顧客の理解度に応じては解決できる場合とそうでない場合があります。FAQは必ずしも万能ではないことを理解しながら、なるべく多くの方が利用しやすいように心がけましょう。

費用がかかる

どんなシステムでも、価値を得るためにはそれ相応の対価を支払う必要があります。

FAQシステムもクラウド化が進んでおり、導入しやすい金額になってきているものの、運用には費用がかかります。そもそも、FAQを準備する必要がないシンプルなセンターなどではFAQシステムを導入しても費用対効果を回収するまでには至らないケースもあります。

また、FAQの運用コストもかかります。FAQを誰が更新するのかなど、直接的ではないコストも考慮する必要がある点には注意しましょう。

定期的な更新が必要

新商品の発表や、社会情勢の変化等で、FAQの中身も常にアップデートする必要があります。FAQが古い情報のままだとかえって顧客を混乱させたり、満足度を下げる結果にもなります。

問い合わせ内容の増加や質問に対する回答のアップデートに伴い、FAQシステムを定期的に更新するのはそれ相応の工数が必要です。あらかじめ誰が担当するのか、その業務を遂行することができるのかなど、運用面の考慮が必要です。

FAQシステム導入の際の選定・比較ポイント

FAQシステムを実際に導入するにあたってのポイントについて、3つご紹介します。

自社の問い合わせ傾向にあった検索機能があるか

検索機能はシステムごとに大きく異なるため、自社にあった機能を搭載しているシステムを選定する必要があります。

例えば、問い合わせの傾向に偏りがあり、問い合わせ数の上位10%で全体の大半がカバーできてしまうようなセンターではいかにその上位10%に辿り着けるかがポイントです。「よくある質問」や「問い合わせランキング」のような形式で表示することで、わざわざキーワード検索しなくても辿り着けるかもしれません。

逆に、問い合わせの傾向にばらつきがある場合は、キーワードによる検索性が高いシステムの方が有効かもしれません。

このように、問い合わせの傾向などで必要な検索機能は変わってくるので、自社の問い合わせ傾向がどうなっているのかをまずは把握した上で、自社にあったシステムを選定しましょう。

自社のコスト計画にあったシステム形態か

導入形態には大きく分けると、クラウド型とオンプレミス型の2種類があります。

クラウド型は、インターネットを経由してオンライン上でサービスを提供する形態で、オンプレミス型はサーバーを自社で用意し、ソフトウェアをインストールして運用する形態です。

導入時のコストや手間がかかってしまうオンプレミス型に対して、データやソフトウェアをインターネット上のサーバーに設置することが可能なクラウド型は、手軽に導入することができます。

しかし、多くがライセンス型課金のクラウドシステムは、大型のセンターでは運用費用が膨大になる可能性があります。

最近では「SaaS」と呼ばれるソフトウェアをクラウド経由でサービスとして利用する傾向が高まっており、クラウドを選択する企業は増えてきていますが、それぞれのメリット・デメリットを把握し、自社にあった導入形態を選定するようにしましょう。

自社現場担当者が使いこなせるか

FAQシステムは使いやすいことが重要です。多機能すぎても自社のオペレーターが使いこなせなければ、かえって業務効率を低下させてしまう可能性があります。

システム選定でよくあるミスがシステム部門だけで導入を進めてしまい、実際に利用する現場の意見を選定時に取り入れないことです。そういう場合はいざ導入となった時に、現場からの抵抗や利用率の低下に繋がります。

そのため、現場担当者には選定時から意見を聞く機会を設けて、選定しているシステムが彼らにとって直感的に使いやすいインターフェースになっているのかを確認しておくことが重要です。

FAQシステム5選

ここからは弊社がおすすめするFAQシステム5つを紹介していきます。

FastAnswer2

特徴
  • 導入実績800社以上、国内シェアNo.1の実績
  • 1,200万語の言語辞書を保有しており、AIを使った高い検索性を実現
  • 導入時・導入後のサポート体制が充実
費用 要相談(自社に合った見積もりを提案)

PKSHA FAQ(旧:OKBIZ. for FAQ)

特徴
  • 長年コンタクトセンター業界に携わってきたテクマトリックス社が開発
  • FastHelpとデータの一元管理が可能
  • APIを通じて外部システムにあるコンテンツの検索も可能
費用 要相談(自社に合った見積もりを提案)

アルファスコープ

特徴
  • 用途に応じた3つの料金プラン
  • 8種類の検索方法で情報アクセスを強化
  • ナレッジ精度を高める15種類以上のメンテナンス機能
費用 料金表
(公式サイトより)

Helpfeel

特徴
  • トップブランド200社以上の導入実績
  • 質問の予測パターンを50倍以上に拡張・1000倍高速の応答速度
  • AIの予測機能で曖昧な検索結果でも正確な回答をヒット
費用 要相談(自社に合った見積もりを提案)

Zendesk

特徴
  • 10万社以上の導入実績
  • FAQ、問合せ管理、チャット、CTI機能などを結合利用可能
  • 40以上の言語に対応
費用 Zendesk Suite料金プラン
(公式サイトより)

まとめ

今回はFAQシステムについて、機能やメリット・デメリット、システムの選定ポイントの解説、また弊社がおすすめするFAQシステム5つをご紹介しました。

年々FAQシステムを導入しているコールセンターが増えてきており、コールセンターには欠かせないシステムとなってきています。今回ご紹介したシステム選定ポイントとおすすめのFAQシステムを参考に、自社にあったシステムを導入することで、業務効率化や顧客満足度の向上を目指していきませんか?

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Writer編集者情報

  • コネナビ編集部 平井 美穂

    2012年、株式会社セントメディア(現:株式会社ウィルオブ・ワーク)へ入社し、コールセンターとオフィスワークに特化した人材サービス事業部に配属。大手携帯キャリアのコンタクトセンターにて、カスタマーサポートを行いながら、自社派遣社員のサポートやフォローに努める。CSを2年経験した後、営業コーディネーターやキャリアアドバイザー、転職支援など幅広い業務を経験。現在は、2人のこどもを育てるワーキングマザー。

    ・趣味:森林浴、神社巡り、アートに触れること
    ・特技:細かい点に気が付くところ

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