【2024年最新】コールセンター業界の今後は │ 市場の変化や課題・解決策について解説
2024/10/02
- アウトソーシング
- 人材採用
- 在宅勤務
2020年新型コロナウィルスの大流行によってコールセンター市場は大きく変化しました。その変化はパンデミックが終息した今なお影響を与えています。また、2023年は「生成AI」の登場により、新たな変化の波が起こりつつあります。
本記事ではここ数年に起きたコールセンターの変化を振り返り、業界動向や課題、解決策について解説したいと思います。
コロナパンデミックにより起こった変化とは?
まずここ数年で起きた最も大きな変化の一つにコロナウィルスの大流行による変化があります。”100年に一度の危機”とも言われる未曾有の事態に、「この先数十年かけて起こると言われていた変化が一気に起こった」とも言われています。それぞれどのような変化があったかを見てみましょう。
在宅化の推進
在宅化については、採用の優位性などからコロナパンデミック以前から検討されてきましたが、なかなか進まないのが実情でした。しかし、コロナ禍ではセンター内での感染を避けるため、多くのセンターで在宅化が進められました。
そして、それらが起こした変化は今なお続いています。実際、コロナウィルス終息後もBCP対策の一環として在宅勤務を続ける企業は弊社調べで25.7%と多く存在します。
求職者が求める条件の変化 (時給よりも働き方)
一度在宅勤務が可能と分かったことで、求職者の意識にも変化が起きています。コロナ流行前までは、「高時給」「勤務地」などの希望条件での検索が上位でしたが、2022年6月時点での検索上位3位以内に「在宅」がランクインしており、2020年コロナが流行して以降、急激に検索順位を上げています。
地方都市への移住が増えるなどライフスタイルにも変化が起きており、在宅勤務を前提にしている求職者も増えています。
ノンボイスチャネルへの移行・人による対応の有償化
コロナ禍ではやむなく店舗での対応ができなかったり、センターの人員を減らす必要があり、これまで通りの「人による対応」が難しい局面が増えました。そこで、多くの企業ではWEBフォームやchatbotなど、いわゆるノンボイスと呼ばれるチャネルの活用が急激に増えました。
また、人による対応を有償化する動きも出てきています。例えば、NTTドコモでは2023年12月1日より契約変更などの手続きをコールセンターを利用して行った場合の事務手数料を一律税込み3850円に値上げを発表しています。
生成AIによる変化は
2023年は日本でも「生成AI」元年となりました。コールセンター業界でも大きな話題となり、専門誌やイベント等でも大きなテーマとして扱われています。これまでも日本にワトソンが上陸して以来、AIの活用は進んできましたが、生成AIのブームはそれらをさらに加速するものになるでしょう。
しかしながら現状生成AIがコールセンター業界にもたらしている変化は限定的なものと言えます。以下は現状生成AIが適用されている業務です。
来年以降、さらに導入が進んでいくことは疑う余地はありませんが、業界構造を大きく変化するのはもう少し先になりかもしれません。
なお、生成AIの最新事例を知りたい方はこちらの記事も参照ください。
「【最新】コンタクトセンターでの生成AI活用方法と具体的な事例の紹介」
コールセンター業界の動向
ミック経済研究所が発表した「BPO総市場の現状と展望 2023年度版」によると、2023年はそれまで続いてきたコロナ特需の反動もあり2.5%増と成長率は低くなっていますが、コールセンター業界の市場は1兆円規模を維持し、ゆるやかに成長しています。
今後は引き続き「生成AI」という大きなテーマを軸に、人材不足やデジタル化を背景としたノンボイスへのシフトが進んでいくことが予想されています。実際、多くのBPO企業で生成AIを活用した次世代のコンタクトセンターへの挑戦を発表しております。今年は各社実証実験の段階でしたが、成果は出つつあり、来年はより本格的に社会実装が進むことが予想されます。
コールセンターの今後の課題
ここまで、コールセンターで起こった変化と現在の動向を振り返りましたが、ここからは今後の課題について整理します。
BCP対策
元々、日本は地震や台風などの自然災害が多く発生する国であり、東日本大震災を経験してからはより一層BCP対策への意識は高まっていました。しかし、これまでのセンターを分散化し地理的な距離によってBCP対策を行うやり方では、自然災害など局地的な危機には対応できても、コロナパンデミックのような全地域での同時多発的な危機への対策は不十分であったことが露呈しました。
今後、グローバル化がより一層進み人の往来が増えると、今回のコロナウィルスのようなパンデミックが頻発するのではないかと言われています。
▼BCP対策について詳しく書かれている記事はこちら
「コールセンター業務を守るBCP対策とは│必須の知識とステップについて解説」
採用難による人材不足
引き続き波はあるものの、全体の大きな流れとして採用難が続くことが予測されます。これは生産年齢人口の減少という日本全体が抱える大きな課題に起因するためです。人口は最も予測可能性が高い指標の一つで今後急速に改善されることはありません。
労働人口不足への対応として期待される外国人労働者の受け入れも、言語の壁が大きいコールセンターではなかなか効果のある施策にはなり得ないでしょう。
実際、2021年コールセンター白書のデータによると、コールセンターの運営課題のうち「オペレーターの採用・育成」は35.2% 「SVの採用・育成」は40.8%となり、大量採用が必要なオペレーターだけでなく、SVの採用も難しいことが分かります。
チャネルの多様化
人材不足やデジタル化に伴い、企業側もしくはエンドユーザーの要請により、どちらにしてもチャネル手段の多様化は進むでしょう。現在、多くの人はわからないことがあるとまず「WEB検索」を行い、自己解決を図ろうとします。その過程でデジタルチャネルを用意し、自己解決を促すことはエンドユーザーの利便性を上げることだけでなく、企業側から見ても呼量の抑制にも繋がります。
しかし、ただ闇雲にチャネルを多様化しても、かえってエンドユーザーの利便性を下げるだけになる可能性があります。エンドユーザーが求めているのは「便利、容易に」解決できることを望んでおり、自己解決のために設置したチャネルの一次解決率が低い場合、多様なチャネルはかえって複雑になる可能性があります。そして、一度使いづらいと思った顧客はサービスから離れる可能性もありえるのです。
コールセンター運営の課題解決策
今後、コールセンター運営をするにあたりどのような施策を検討していけばよいでしょうか。
アウトソーシング
一つに自社リソースだけで完結するのではなく、外部リソースをうまく活用するという方法があります。アウトソーシングはうまく活用すれば、BCP対策、採用難による人材不足、チャネルの多様化も対応できます。
BPOが発達しているアメリカなどではノンコア業務は外部リソースに全て委託し、自社は競争優位性の源泉となるコア業務にリソースを集中させるといった戦略をとる企業が多いです。日本でも比較的若い企業ではそのような戦略を採用する企業も増えてきています。
もちろん、サービス内容によってはカスタマーサポートが大きな意味を持ち、内製でやるべき企業もあると思います。まずは自社のカスタマサポートがアウトソーシングに向いているのか否かを見極めましょう。
▼参考記事はこちら
「コールセンター代行10社|メリットとデメリット・代行会社選定ポイントを解説」
コールセンターの在宅化
フリーワードランキング上位に「在宅」がトレンド入りしていることからも分かる通り、働き方の変化を求める求職者が増加しております。企業も市場の変化に適応していくことで求職者を確保することが可能となるでしょう。とはいえ在宅化のハードルは低いとは言えないため、在宅支援会社にまずは相談するとよいでしょう。
▼在宅化に関する記事はこちら
「【法人向け】今知っておくべき最新の在宅コールセンターを解説│現在地と今後の展望」
まとめ
本記事では、ここ数年のトレンドの振り返り、動向、今後の課題や解決策について解説しました。
VUCAと呼ばれる変化の激しい時代ではコールセンターも柔軟に、素早く変化していく必要があります。その際、従来の労働集約的な考え方で自社だけで全てを賄おうとするとどこかで厳しい局面が出てきる可能性があります。その際、外部リソースを活かすことは一つの解決手段になります。
自社だけの検討が難しい場合はまずは専門家に相談するところから始めてください。
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