RPAの導入メリット|種類や導入時の注意点、対策方法を徹底解説
2024/11/20
- システム導入
- 生産性向上
令和時代の働き方改革が進む中、多くの企業が業務効率化と生産性向上を求めています。特にコールセンター業界では、多岐にわたる業務を効率的に処理することが重要です。そこで注目されているのが、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)です。
日本企業におけるRPAの普及率は全体で38%、大手企業に限定すると51%にもなると言われており(参照:RPA国内利用動向調査2020)、年々増加しています。生産性向上が喫緊の課題である日本において、事務作業を自動化することができるRPAは非常に有効なツールです。
RPAを導入することで、ルーチンワークの自動化と人為的ミスの削減が実現でき、より高い業務品質を維持しながら効率化を図ることが可能になります。本記事では、RPAの基礎からその導入効果、導入時の注意点・対応方法を詳しく解説しますので、ぜひご覧ください。
業務効率化や生産性向上に課題を感じているご担当者さまへ・・・
「業務の自動化を進めたい」「ルーチン業務を効率化して生産性を上げたい」「人的ミスを減らして品質を確保したい」といったお悩みを抱えていませんか?RPAを活用して、業務プロセスの自動化を実現しましょう。ウィルオブ・ワークが豊富な経験とノウハウを活かして、貴社の業務効率化を全力でサポートいたします。
RPAとは
RPAとは「Robotic Process Automation (ロボティック・プロセス・オートメーション)」の頭文字を取った略称で、主にオフィスワークで行われている定型業務を自動化できるソフトウェアのことです。コンピューター上で24時間休むことなく働き続ける特徴から「仮想知的労働者(デジタルレイバー)」とも呼ばれています。
例えば、日々のエクセル集計作業やリスト抽出作業など、業務フロー上、明確な定義とルールのもとで行われる(都度判断が必要ない)業務でPC上に完結するものはRPAで自動化の対象になります。
RPAは決められたルールをもとにPC画面を操作するため、いわゆるAIのように何かを認識して振る舞いを変えることはできませんが、その分、ルール通りに確実にタスクを遂行することができるため、効果が発揮しやすいツールと言えます。
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「RPAの活用事例10選│実際に効果を上げた業務について具体的な事例をご紹介」
RPAの種類
RPAは主に「デスクトップ型」「サーバー型」「クラウド型」の3種類に分けることができます。
デスクトップ型
デスクトップ型では、PC1台(ノートパソコンでも可)に対し、RPA1台をインストールし、作業を自動化します。デスクトップ上でできる作業は自動化の対象になります。
デスクトップ型は1台数十万円から導入が可能で、担当者レベルでも設定、運用が可能です。そのため、小規模企業やスモールスタートで始めたい場合はデスクトップ型を選ぶとよいでしょう。
サーバー型
サーバー型では、オンプレミスのサーバーに対し、RPAを複数導入することができるので、同時並行で複数の作業を自動化することができます。複数のシステムや業務をまたいで大量のデータを一括管理することができます。
サーバー型の導入には数百万円から数億円規模の費用がかかります。また、導入に際しては自社サーバーの構築が必要など、情報システム部の支援が必要です。RPAで大量の作業を自動化したい大企業向けの方法と考えておくとよいでしょう。
クラウド型
クラウド型では、ベンダー側が契約しているクラウドサーバーでRPAを稼働し、インターネットを経由して、WEBブラウザ上の作業を自動化することができます。インターネット上にあるアプリケーションが自動化の対象になります。
クラウド型はPCやサーバーを自社で準備する必要がなく、初期コストを抑えられるほか、機器の管理もベンダー側で行うため、ランニングコストも抑えることができます。自社システムなどには適用できないなど、用途が限定される一方、セットアップの必要もなく、インターネットを介してすぐにスタートできるのがクラウド型のメリットです。
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「RPAツール徹底比較11選!各ツールの特徴と導入メリットを解説」
5つのRPA導入メリット
RPAを導入することでどのような効果が得られるのでしょうか。ここでは、RPA導入によるメリットをご紹介します。
ヒューマンエラーを防止できる
人間は長時間単純な作業を繰り返すと、認知ミスや不注意、意識の低下などでいわゆるヒューマンエラーを起こす可能性があります。身体的、精神的疲労などのによる機能低下などによってもヒューマンエラーは引き起こり、特に多忙な時期には多発する可能性があります。
ヒューマンエラーの対応策としては、一人当たりの作業量を減らすことやダブルチェックを行うなどの対策がありますが、いずれの対策も生産性を低下させる可能性があります。
一方、RPAは決められたルールのもと、確実に業務を遂行することができます。ヒューマンエラーを防ぐことで業務品質を安定する効果も期待できるでしょう。
人件費を削減できる
RPAを導入する企業が期待する効果の中で最も分かりやすいのが、人件費の削減効果でしょう。これまで、従業員を採用して行っていた業務を自動化することで、採用費や人件費を削減できます。
また、請求業務のように月間で繁閑差があるものや、年末調整のような1年の中で繁閑差のあるような業務もあります。これらを人で行うと思うと、繁閑にあわせて採用を柔軟に行う必要がありますが、近年労働力不足などもあり採用の難易度は上がっているため、どうしても人を余剰に採用しておく必要があったり、本当に必要な時に人が足りなくなり、既存社員に大きな負担を負わすことになることもあります。その点RPAはシステムのため、繁閑に対して増減を容易に行うことができ、無駄なコストを払うことなく、業務量への調整が可能です。
24時間365日で稼働できる
RPAは基本的にはサーバー代と電気代だけで24時間365日稼働させることができます。そのため、1日で進めることができる作業量が多く、業務のスピードアップができるため、作業完了までのスケジュールを短縮することも期待できます。
単純作業を自動化し、人間がやるべき付加価値の高い業務に集中できる
業務には高度なスキルや経験、判断が要求されるものもあれば、スキルや経験、判断の必要ない単純な作業のものもあります。これまでは後者のような単純作業であっても、人間がやる必要がありましたが、これらをRPAが代替してくれることで、より付加価値の高い業務に人は集中することができます。
リソースをどのように配分するかは経営において最重要の課題です。特に労働力が不足してくる日本では人のリソースをいかに価値を生み出すところに配分できるかがポイントです。RPAの導入は現場課題の解決だけではなく、経営課題にとっても意味のあるソリューションです。
従業員に効率化の意識が芽生える
RPAを導入するまでは疑うことなく行っていた事務作業も、RPA導入後には「これは自動化できる業務ではないか」と従業員が業務効率化に対し、意識が芽生えることがあります。
また、RPAを活用するためには現在の業務の棚卸やフローの見直しを行う必要があります。その過程の中で、RPA活用以前にやらなくてもいい業務が見直せたり、改善ポイントが見つかるきっかけになるかもしれません。
導入時の注意点・対応方法
さまざまなメリットのあるRPAですが、導入に際していくつか注意点もあります。RPAをうまく活用するためにも注意点を理解し、その対策を検討しましょう。
RPAのメンテナンス工数が発生する
RPAは人が定義したルールのもと、業務を遂行します。そのため、ルールが頻繁に変わるとその度RPAのシナリオを修正する必要があります。また、画面のレイアウトなどが変更された場合も修正が必要です。
そのため、頻繁に業務フローや画面レイアウトが変更になるような業務にRPAを適用する場合は、メンテナンス工数を加味して本当に効率化できるのか、変更になった際に変更箇所をすぐに検知し変更が可能かなど、あらかじめ検討しておく必要があります。
業務が停止する可能性がある
RPAがシステムである以上、他のシステム同様にサーバー障害やネットワーク障害等で停止する可能性があります。また、前述した通り、画面レイアウトが変更になった場合など、ルールが変わった際にRPAのシナリオを変更しないとうまくタスクが実行できない可能性もあります。
RPAに限らずシステムのメンテナンス作業を行うことや、システムを冗長化しておくことで安定的な稼働が実現できます。また、RPAに関わるアプリケーションやOSのアップデートやメンテナンス情報を把握しておくことで、急にRPAが停止することを防ぐことができます。
情報漏洩の可能性がある
RPAに限らず、ネットワークに繋がっているシステムは不正アクセスなど、情報漏洩のリスクがあります。PC内やサーバー内で閉じている場合はそのリスクは高くないですが、クラウド製品など、外部ネットワークと繋がっている場合は対策が必要です。クラウド上のセキュリティが万全でも、通信ネットワークや受け先となる端末のセキュリティが脆弱だと、リスクは回避できません。
対策としてはRPAに限らず、セキュアな通信を行う、アクセス制限を設定する、2段階認証を設定するなどの基本的なセキュリティ対策が有効です。
業務がブラックボックス化する可能性がある
RPAは一度指示を出せば、業務フローが変わらない限り、人が意識しなくても半永久的に業務を自動化します。そのため、RPA導入時から時間が経つと、本来その現場にあったノウハウやドキュメントなどが失われる可能性があります。
RPAを導入した際のメンバーがいれば問題ありませんが、担当者が異動や退職になり、適切な引継ぎができていない場合、作業手順やルールなどがブラックボックス化してしまう可能性があります。
対策として、誰が見ても明らかになるようにRPAのシナリオや操作手順をドキュメントに残しておくのが有効です。また、導入時だけではなく、継続的に社内にRPAを使いこなせる人材を育成しておくことが大切です。
まとめ
本記事ではRPA導入におけるメリットと注意点を中心にご紹介しました。
RPAはすでに多くの現場で効果を発揮しており、当たり前になりつつあるシステムです。デジタル技術による生産性向上が求められる中、導入難易度が低く、効果が出やすいRPAはまさに現場にとって救世主になるソリューションと言えるでしょう。
RPAの導入を検討する際は、まずは小規模なプロジェクトから始め、徐々にスケールアップしていくことがおすすめです。導入前にしっかりと要件を定義し、導入後には定期的な評価とメンテナンスを行うことで、RPAの効果を最大限に活用できます。
メリットと注意点を意識しながら、適切に導入することが大切です。RPAを活用して業務効率化を図り、企業の競争力を高める一助としてください。
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Writer編集者情報
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コネナビ編集部 吉田 章孝
2011年、株式会社セントメディア(現:株式会社ウィルオブ・ワーク)に入社。
3年目に支店長として支店の新規立ち上げを経験。その後は札幌支店長として着任し、2年間で売上倍増に貢献する。
その後、首都圏管轄マネージャに着任し、営業推進部へ異動。営業推進部では、金融系プロジェクトチームの立ち上げや、部内重点顧客の本部営業などを担当。
2020年4月より、営業推進部 部長として、本部営業や社員教育、求人広告や転職支援チームなどを担当。現在は本部営業をメインに担当。
・趣味:散歩、語学
・特技:料理
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