コールセンターシステムとは│CRM・CTI・FAQの役割と導入ポイントを解説!

2024/10/02

コールセンター業務はこれまで技術進歩に伴い、さまざまなテクノロジーが活用されてきました。今日のコールセンター運営を実現するにはCTIやCRMなど多くのシステムが稼働しています。

そこで本記事では、コールセンター運営に重要な役割を持つ「コールセンターシステム」について、概要や種類、主な活用シーンを解説していきます。

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コールセンターシステムとは

コールセンターシステムとは、コールセンター向けの業務支援システムの総称です。コールセンターのシステムを導入することによって、一つ一つの業務効率を向上させ、オペレーターができるだけ簡単に業務を行うことが可能になります。

主なコールセンターのシステム

多くのセンターで採用されている代表的なシステムはCRM、CTI、FAQの3つです。

CRM(顧客管理システム)

CRM(Customer Relationship Management)は、顧客情報の参照、電話の応対記録を一元管理するシステムです。ビジネスにおいて顧客との継続的な関係性を重視されるようになり発展してきました。

主な役割は、顧客情報の収集、管理、分析、そして活用です。CRMツールを活用することで、企業は顧客の購入傾向、嗜好、ニーズを把握し、それぞれの顧客にパーソナライズされたマーケティングやカスタマーサービスの提供を可能にします。

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CTIシステム

CTI(Computer Telephony Integration)は、コールセンターに必要な電話やFAXをパソコンと連携させるシステムです。コンピューターがビジネスに活用されるようになり、従来の電話システムと統合されていく形で発展してきました。

電話がかかってきた時に顧客の名前や履歴を表示したり、稼働状況に応じたオペレーターの振り分けや作業の進捗管理などを行うことができます。CTIはCRMなどの他システムと連携する上でも重要な役割を果たします。

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FAQシステム

FAQシステムとは、顧客からよく問い合わせのある質問やお悩みとそれらの回答をWebページに集約して、顧客が検索できるようにするシステムです。インターネットの発展とともに、顧客が自ら解決手段を探す行動様式が広がっていくとともに発展してきました。

FAQシステムを導入することで、顧客が商品やサービスに関して疑問点を抱いた際に、疑問点を検索することで解決方法や対応策を把握することができるので、わざわざ企業や業者に問い合わせをする必要がなくなります。

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コールセンターシステムのメリット

コールセンターシステム導入の主なメリットをご紹介します。下記、4つが大きなメリットです。

業務効率化に繋がる

コールセンターシステムを導入することで、センター運営の業務効率化に繋げることができます。例えば、CTIの機能である自動音声機能での案内を使えば人を介さずに処理できる件数が増えますし、呼の振り分け機能を使えば、適切なオペレーターに繋ぐことができ、全体的な効率化に繋がります。

オペレーターが新人でも高品質の対応が可能

システムは単に業務を効率化するだけではなく、人をエンハウスすることもできます。例えば、社内向けのFAQシステムなどを駆使することで、オペレーターの知識を補完することができます。このようにシステムを駆使することで、新人であっても高品質の対応が可能になります。

顧客の声を営業・マーケティング戦略に還元できる

現代のビジネスにおいて、データの活用は必須です。特に、コールセンターはエンドユーザーとの貴重なタッチポイントであり、顧客の声(VOC)が蓄積されます。例えば、CRMにこれらのデータを蓄積していれば、マーケティングや営業活動にフィードバックすることができます。

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費用削減(人件費・通信費など)

システムの導入はうまく利用すれば費用削減の効果もあります。業務効率化ができれば当然オペレーターを適正な数で運営することができるので人件費削減につながりますし、うまくコールフローができれば無駄な電話が減り、通信費の削減にも繋がります。

コールセンターシステムの注意点

多くのメリットをもたらすコールセンターシステムですが、一方で注意すべき点もあります。

導入コスト

システム導入にはコストがかかります。大きく分けると、導入時にかかる初期費用と、システムを運営するのにかかる運営費用の二つです。システムにもよりますが、高品質かつ高機能なシステムは高額な費用がかかることもあるため、投資対効果を見極め適切なシステム導入を行うことが必要です。

最近では多くのシステムがクラウド化しており、初期費用を抑えた上で導入することが可能になっています。

オペレーターに対するシステム運用研修が必須

システム導入には直接かかるコストだけではなく、運用にかかる間接的なコストも検討することが必要です。特に、実際にシステムを使うオペレーターが操作できるように研修をする必要があります。これは一時的に業務効率を低下させる可能性がありますし、研修体制を整える必要があるなど管理者の業務負担にもなります。

これらの注意点を理解した上で、適切な計画、運営が求められます。

コールセンターシステムで行う業務の種類

コールセンターで行う業務を大きく分けると、「インバウンド型」と「アウトバウンド型」の2種類に分類されます。それぞれに求められるコールセンターシステムにも違いがあるので、これらの特徴を見ていきましょう。

インバウンド型

インバウンド型のコールセンターは、顧客からの注文受付や申込み受付、携帯のテクニカルサポート業務、お悩み・疑問の解決など、顧客の問い合わせに対応することが主な仕事となっています。

インバウンドで特に重要なのは「応答率」で、多くのセンターで最重要指標としてみられています。この指標を達成するために、コールセンターシステムが活用されます。

例えば、インバウンド型では、受信した電話を効率的に対応することが求められるため、「ACD機能」が導入されています。ACDは「Automatic Call Distributor」の略で、受信した電話を稼働状況や習熟度に応じて自動でオペレーターに振り分ける機能です。ACD機能は臨機応変な対応が可能で、コールセンターの状況や業務内容に合わせて随時変更することができます。

アウトバウンド型

アウトバウンド型のコールセンターは、テレアポ業務や、お客様への確認連絡、工事日設定のためのご連絡など企業から顧客に対して電話をかける業務となります。

成果型のアウトバウンドにしても、リマインドコールにしても、「架電数」は重要なポイントです。いかに、効率よく架電ができるかはアウトバウンド型のコールセンターのパフォーマンスに繋がります。

例えば、アウトバウンド型のコールセンターシステムには、自動架電が可能なオートコール機能や画面上でのクリックのみで発信が可能な機能などが備えられています。これらのシステムを駆使することで効率的なアウトバウンド業務を実現することができます。

コールセンターシステムの種類

システムの導入の形態は「オンプレミス型」と「クラウド型」の大きく2つに分けられます。

オンプレミス型

オンプレミスはシステムを自社で導入・運用するという意味です。自社でコールセンターシステムを設置し、運用も自社で行います。

オンプレミス型のシステムでは自社のデータセンターやオフィスに機器を設置し、運営を行います。ネットワークが自社内で閉じることができるため、セキュリティ面で非常に強固であるメリットなどがありますが、導入時には自社内に専用機器の設置が必要なため、コストや手間がかかってしまうデメリットがあります。

クラウド型

クラウド型はインターネット経由でサービスを提供する形態です。

オンプレミスでは自社にサーバーやシステムを設置する必要がありますが、クラウド型のコールセンターはベンダーが用意するクラウド環境からインターネットを経由してシステムを利用することができます。

導入時のコストや手間に課題があるオンプレミス型に対して、クラウド型は手軽に導入が可能な点に優位性があります。またインターネットに接続できる環境下であれば、利用場所やデバイスによる制限を受けないという点も大きなメリットです。

ただし、システムの連携や業務内容に応じた細かな調整が可能な範囲には制限があるため、柔軟なシステムの運用を行いたい場合はオプションや拡張性などをよく確認しましょう。オンプレミスと比べると柔軟性に欠けますが、最近は各提供会社がさまざまな機能やサービスを提供しています。

コールセンターの委託運営形態の種類

コールセンターの委託運営形態には「アウトソーシング」と「インソーシング」の2つがあります。

アウトソーシング

アウトソーシングは、電話応対をはじめとするコールセンター業務を他社へ外注する形態です。設備・人材管理をまるごと外部に委託します。

電話応対業務を全て自社内で行うには人件費や機材、拠点といったコストの負担や、高品質な対応を行うための人材育成を行う手間や時間がかかるなど、解決しなければならない課題が山積みです。アウトソーシングの場合、これらをまとめて業務委託することができます。

また、社内にコールセンターの設備の設置、拠点の確保が不要なのでコストの削減が可能です。このようにコールセンターシステムや設備・運営など一切の業務を、ノウハウがある外部のコールセンター代行会社へ委託する運営形態をアウトソーシングと呼ばれています。

インソーシング

自社内にコールセンターの設備を設置し、オペレーターの手配や運営は専門業者へ委託する方法をインソーシングと呼びます。

アウトソーシングのコールセンターの運用場所は社外になりますが、インソーシングは自社内にコールセンターを設置するため、日常的なオペレーターの稼働状況や顧客情報を把握しやすいです。また、対応記録を基にしたマーケティング業務など、より迅速な企業活動がしやすくなるでしょう。

また、顧客情報をはじめとする機密情報を外部へ流出させてしまうセキュリティ面での不安が軽減されます。アウトソーシングだとセキュリティに不安がある場合は、インソーシングでの運用が向いているでしょう。コールセンター運営のノウハウを自社内に蓄積できる点もインソーシングの長所の一つです。

コールセンターシステムの導入ポイント

コールセンターシステムを導入する際に重視すべきポイントは主に3つあります。

自社業務を把握する

まず自社のセンターがどのような目的で、何を目指してどのような業務が行われているのかを把握しましょう。まずは業務を可視化することで、どのようなシステムが必要になるのかを見極めることができます。

また、システム導入には必ず目的と投資対効果が必要です。センターの課題を把握した上で、効果的なシステムを選定しましょう。

必要な回線数やオペレーター数を把握する

現状どれほどのコール数を処理していて、オペレーターが何人ぐらいいるのかにも注意が必要です。規模によってはシステム効果が出しづらい可能性もあったり、逆に従量課金のシステムだと運用費用が高額になる恐れがあるため、自社業務のボリュームと導入するシステムが適切かを把握してきましょう。

また、オペレーターの人数によってはシステム導入時の体制が十分に取れない可能性があります。人が足りていないからといって、無理にシステムを導入するとかえって、業務を圧迫し悪循環に陥る可能性もあります。そのため、十分な体制確保が可能かも確認しましょう。

コールセンターシステムの導入形態

コールセンターでは顧客情報も扱うため、セキュリティ面も十分に対策をする必要があります。特にアウトソーシングで運用する場合、セキュリティは入念にチェックしておきましょう。

既に自社内でコールセンター業務を行っていて既存のシステムがある場合や、顧客管理システムなどとの連携が必要な場合は、それらとコールセンターシステムの連携が可能かも重要なチェックポイントです。

これらを踏まえ、自社内にシステムを設置するオンプレミス型か、もしくはインターネットのサーバー上のシステムを利用するクラウド型を選択するか、よく検討しましょう。

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まとめ

コールセンターシステムにはさまざまな種類があり、その導入形態や実際のコールセンターの運営形態など、検討すべき項目は多岐にわたります。

それぞれの検討において、自社のコールセンター業務について正しく把握、整理をすることが重要です。必要な業務量や内容を把握し、システムのメリット・デメリットを理解することで、より適切なコールセンターシステムの導入に少しでも参考になれば幸いです。

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Writer編集者情報

  • コネナビ編集部 平井 美穂

    2012年、株式会社セントメディア(現:株式会社ウィルオブ・ワーク)へ入社し、コールセンターとオフィスワークに特化した人材サービスの事業部へ配属。フィールドサポータや営業コーディネータ、キャリアアドバイザー、新規営業、人材紹介(転職支援)などを経験。
    2020年 人材紹介にて自己最高売上を記録、時短勤務×妊娠中での実績が評価され全社月間MVPにノミネート。現在5歳と2歳を育てるパワフルワーママ!

    ・趣味:断捨離、森林浴、岩盤浴
    ・特技:細かい事に気が付く点

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