コールセンター運営に役立つおすすめ本18選│マネジメント、資料作成、テクノロジーまで幅広く選書

2024/09/09

新年度を迎え、転職や配置転換、昇格などで新しい挑戦をされる方も多いのではないでしょうか。新しい部署では、求められる知識やスキルを身につけることが重要です。コールセンターも例外ではなく、マネジメントスキルからIT知識まで、幅広い知識が必要とされます。

また、長年コールセンターに携わってきた方も、テクノロジーへの感度が高く変化の早い業界であるため、知識のアップデートが欠かせません。

そこで今回は、コールセンターに関わる全ての方々に向けて、スキルや知識別におすすめの本を18冊厳選してご紹介します。新たな挑戦をされる方も、スキルアップを目指す方も、ぜひ参考にしてみてください。

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コールセンターで求められる知識

コールセンターでは、幅広い知識が求められます。体系立てられた知識体系としては、COPCコンタクトセンター検定など外部資格で学ぶことができます。

しかし、実際のコールセンター運用では、それだけではカバーしきれない部分もあります。特に管理者は、コンタクトセンターの運営知識はもちろん、マネジメントやコミュニケーションに関するスキル、ドキュメント作成のスキル、テクノロジーの理解なども必要とされます。

さらに、AIや法改正、社会情勢による人々の変化など、新しいトレンドを追っていくことも欠かせません。コールセンターで求められる知識は多岐にわたるため、自己研鑽を怠らず、常に学び続ける姿勢が重要です。

本を読む理由

コールセンターで求められる知識やスキルは多岐にわたるため、学習方法も様々です。その中でも、本を読むことは効率的かつ効果的な学習方法の一つです。

本は、著者の知識や経験が凝縮されており、体系的に情報を得ることができます。また、自分のペースで学習を進められるため、仕事と並行して知識を深めることが可能です。さらに、本を読むことで、新しい視点や発想を得ることができます。著者の考え方や事例から学ぶことで、自分の業務にも活かせるヒントが見つかるかもしれません。

コールセンターに関する本は、運営やマネジメント、コミュニケーション、テクノロジーなど、多様なテーマがあります。自分に必要な知識を選んで読むことで、効率的にスキルアップを図ることができるでしょう。

コールセンター運営に関するおすすめ本 3選

図解でわかるコンタクトセンターの作り方・運用の仕方

図解でわかるコンタクトセンターの作り方・運用の仕方』(有山裕孝/仲江洋美/市瀬眞・日本実業出版社・2021年)は、コンタクトセンターの構築、運用、改善、高度化について網羅的に書かれた一冊です。

コンタクトセンターでやるべきことを具体的に説明しており、初学者でも理解しやすいように事例や図形が豊富に掲載されています。用語の解説から、実際の手順まで書かれているので、最初の一歩としておすすめの一冊です。

戦略的コールセンターのすすめ

戦略的コールセンターのすすめ』(谷口修・リックテレコム・2014年)は、コールセンターを構築・運用するための思考力を養っていただくための一冊です。

著者はAmazon.co.jpのコールセンター構築・運営をはじめ、多くのコールセンターのコンサルティングを展開してきた専門家です。センターの位置づけと役割の整理から運用設計、評価・分析、運営改善、経営貢献の一連の流れを習得できます。各章に自社のセンターの成熟度を評価することができるチェックシートもついた実践の書となっています。

コールセンターの組織力と戦略的運営 [運営者と経営者が知っておきたい]

コールセンターの組織力と戦略的運営』(石原康子・キャリア教育出版・2013年)は、コールセンターを「経営的観点」で運用していく力をつけるための考え方や知識を身につけることができる一冊です。

コールセンターの経営貢献はどのセンターにとっても重要ですが、どのように実現し、可視化するかは難しい問題です。本書はその課題に焦点を当てており、初版から10年以上経った今でも大切な考え方が書かれています。ページ数も171ページとコンパクトにまとめられており読みやすい一冊です。

コミュニケーションに関するおすすめ本 3選

具体と抽象 世界が変わって見える知性のしくみ

具体と抽象 世界が変わって見える知性のしくみ』(細谷功・dZERO・2014年)は、ビジネスコンサルタントの著者が「具体と抽象」という概念を使って、知性のしくみを分かりやすく解説した一冊です。

一見するとコミュニケーションとは直接関係のないように見えますが、顧客とコミュニケーションが噛み合わない、こちらの意図が伝わらない原因は具体と抽象を理解できていないからかもしれません。この根本的な知性のしくみを理解することで、顧客の意図を理解するためにはどうすればいいのか、こちらの意図を分かりやすく伝えるためにはどうすればいいのかが明確に理解できるようになります。

聞くスキル聞き出すスキル 顧客の心理を読み解く

聞くスキル聞き出すスキル 顧客の心理を読み解く』(藤木健・リックテレコム・2016年)は、コールセンターで長年研修講師などを担当してきた著者が、顧客対応に必要な「きくスキル」に焦点を当てて分かりやすく解説した一冊です。

コールセンターに問い合わせる顧客はコミュニケーションのプロではないという前提のもと、どうすればお客様自身がうまく説明できない課題を引き出すことができるのかに注目しています。本書では引き出す力を「きくスキル」とし、8つの要素に分解した上で、活用事例を交えながら、トレーニング方法および具体的な実践法を解説しています。

話し方の戦略 「結果を出せる人」が身につけている一生ものの思考と技術

話し方の戦略 「結果を出せる人」が身につけている一生ものの思考と技術』(千葉佳織・プレジデント社・2024年)は、スピーチライターの著者がどのように話せば伝わるのかを解説した一冊です。

本書のポイントは、どのように話をすれば伝わるのか、要素を分解して徹底的に体系化しているところにあります。そのため、才能など関係なく、身につける気持ちがあれば誰でも身につけることができる内容になっています。顧客に伝えたいことが伝わらない、SVあるいはオペレーターに伝わらないと悩んでいる人におすすめの一冊です。

マネジメントに関するおすすめ本 3選

コールセンター・マネジメントの教科書

コールセンター・マネジメントの教科書』(熊澤伸宏・リックテレコム・2018年)は、普遍的なコールセンターマネジメント手法を解説したコールセンター管理者必読の一冊です。

ストラテジー、プロセス、ピープル、ビジネス環境の4部構成となっており、コールセンターの構築から日々の運営管理まで網羅的かつ詳細に解説されています。コールセンターのマネジメントはカバー範囲が膨大ですが、まずはどこから取り組むべきか、全体像を把握するのに最適な内容です。

人を動かす

人を動かす 改訂新装版』(D・カーネギー・創元社・2023年)は、ビジネスの古典として世界中で読まれているヒューマンマネジメントの極意が解説された一冊です。

初版は1936年と90年近く前に書かれた本にも関わらず、今なお改訂版を出しながら世界中で読み継がれているのは、この本がどんな時代でも変わらない人間の特性を解き明かしているからです。ヒューマンマネジメントをする際に、この本で書かれている「人間関係の30原則」を中心にすることで、芯の通ったマネジメントが可能になります。

図解モチベーション大百科

図解モチベーション大百科』(池田貴将・サンクチュアリ出版・2017年)は、世界中の一流大学で行われた100の心理・行動実験を元に人間の「モチベーション」というものを解き明かし、ビジネスマンにも応用できるよう図解でわかりやすく解説した一冊です。

どうすればセンターで働くオペレーターやSVが自主的に考え行動してくれるか、このような悩みを持つコールセンター管理者は少なくないでしょう。この本ではスタンフォード大、ハーバード大、コロンビア大などの研究者たちが発見した人間の行動心理の法則を図解で分かりやすく解説しています。動機づけや人材育成、目標設定などにチャプターが分かれており、課題別に今すぐ取り組める手法が紹介されているので、実践に活かしやすい良書です。

資料作成に関するおすすめ本 3選

考える技術・書く技術 : 問題解決力を伸ばすピラミッド原則

考える技術・書く技術 : 問題解決力を伸ばすピラミッド原則』(バーバラ・ミント・ダイヤモンド社・1999年)は、世界有数のコンサルティング会社マッキンゼーでライティング指導を行ってきた著者がロジカルな文章を書くために必要な考え方を教えてくれる名著です。

どんな形式、どんな用途で資料を作成するとしても、分かりやすい資料を作成するためには、分かりやすい文章が書けないといけません。そして、分かりやすい文章とは、分かりやすい論理構成であることに他なりません。分かりやすい論理構成で書くために必要な考え方を著者は「ピラミッド原則」と呼び、その具体的なテクニックについて本書では詳細に解説されています。

Google流 資料作成術

Google流 資料作成術』(コール・ヌッスバウマー・ナフリック・日本実業出版社・2017年)は、世界有数の企業であるグーグルで資料作成講座を担当していた著者の資料作成ノウハウを解説した一冊です。

特に、どのようにすれば、複雑なデータをいかにシンプルに、分かりやすいストーリーで伝えることができるかを主眼に置いています。多くのコールセンターでデータ分析は行われていますが、そこから示唆を引き出すまでに至っていないケースが散見されます。本書で紹介されているテクニックを使えば、データ分析を分かりやすく、そしてストーリーで語れるようになり、結果的に効果的な施策へ繋げることができるようになるはずです。

業務改善コンサルタントの現場経験を一冊に凝縮した Excel実践の授業

業務改善コンサルタントの現場経験を一冊に凝縮した Excel実践の授業』(永井雅明・SBクリエイティブ・2020年)は、業務で効率的にExcelを利用するためのノウハウが網羅された一冊です。

センターでもツールとしてよく利用されるExcelですが、侮ってはいけません。Excelを使った業務が効率化されるだけでセンター全体でも実は大きな効率化に繋がるケースもあります。その上で、本書は効率的に現場でExcelを利用するためのテクニック、ノウハウが網羅的に紹介された一冊です。これをマスターすればExcelについては困ることがないでしょう。

コールセンターに関わるテクノロジーを知るための本 3選

マスタリングTCP/IP―入門編―(第6版)

マスタリングTCP/IP―入門編―(第6版)』(井上直也/村山公保/竹下隆史/荒井透/苅田幸雄・オーム社・2019年)は、現代のコールセンターを実現しているインターネットやネットワークなどを理解する第一歩目の一冊になります。

どのようにコールセンターが通信しているかを理解するために必要なIT知識が網羅されており、コールセンターのインフラに関わるようになった方などには必読の内容となっています。

深層学習教科書 ディープラーニング G検定(ジェネラリスト)公式テキスト 第3版

深層学習教科書 ディープラーニング G検定(ジェネラリスト)公式テキスト 第3版』(一般社団法人日本ディープラーニング協会ほか・翔泳社・2024年)は、AIについて正しい知識を身につけることができる一冊です。

これからの時代、コールセンターに関わる上でAIを避けて通るわけにはいきません。AIは急速に進歩しており関連図書もさまざまですが、AIを土台からしっかりと理解したい人にはおすすめの一冊です。試験対策用でもあるため、章の巻末には理解度を測ることができる練習問題もあり、今自分がAIについてどれぐらい正しい知識を身につけることができているかを客観的に見ることができます。

CRMの基本

Version 1.0.0

CRMの基本』(坂本雅志・日本実業出版社・2014年)は、CRMを基本から学ぶことができる教科書的な一冊です。

CRMは単なるツールのことではなく、「企業と顧客の長期的かつ良好な関係を構築する手法・戦略」のことを指します。CRMの基本的な考え方を身につけることで、適切なCRMシステムの運営が可能になります。ICT技術が発展する中でどのようにCRM戦略を実行していくべきかを学ぶことができる一冊です。

その他トレンドを知るための本 3選

カスタマーサクセス サブスクリプション時代に求められる「顧客の成功」10の原則

カスタマーサクセス サブスクリプション時代に求められる「顧客の成功」10の原則』(ニック・メータ/ダン・スタインマン/リンカーン・マーフィー・英治出版・2018年)は、日本にカスタマーサクセスの概念を広めたバイブル的な一冊です。

通称「青本」として知られ、カスタマーサクセスに関わる人間なら一度は読んだことがあると言われる本書ですが、出版から時間が経った今もその内容は色褪せません。カスタマーサクセスがなぜ必要なのか、実践するために必要な原則は何かについて書かれており、カスタマーサクセスの世界への第一歩として最良の一冊です。

カスハラ対策実務マニュアル

カスハラ対策実務マニュアル』(香川希理/島岡真弓/松田優/上田陽太・日本加除出版・2022年)は、ここ数年コールセンターでも問題視されているカスタマーハラスメントについて学べる教科書的な一冊です。

クレーム・カスタマーハラスメントについて、具体的対応から予防策までが解説されており、類型別業界別の対策なども掲載されているため、すぐに実践に活かせることができる内容となっています。すでにカスタマーハラスメントの問題を抱えているセンターも、これから対策を考えているセンターにとっても必読の一冊です。

大規模言語モデルは新たな知能か ChatGPTが変えた世界

大規模言語モデルは新たな知能か ChatGPTが変えた世界』(岡野原大輔・岩波書店・2023年)は、日本でも有数の有識者である著者により、トレンドである生成AI、とりわけChatGPTのような大規模言語モデル(LLM)について書かれた一冊です。

大規模言語モデルに関する情報はほぼ毎日のように更新されていますが、玉石混交で、本当に理解しておくべき価値のある情報は一握りです。この本はその内の一冊で、今起きている大規模言語モデルの進化について、正しく理解することができます。大規模言語モデルの基本的なことを正しく理解することで、日々のニュースの中でもどれが重要な進化なのかを見極めることができるようになります。

まとめ

今回はコールセンターに関わる全ての方々に向けて、スキル・知識別におすすめの本を18冊紹介しました。

本はネットの情報と違い、基本的には情報の正解性を担保してくれているため、正しい知識を効率的に身につけたい時に最適な勉強方法です。また、本を読んで、理解し、それをアウトプットする一連の流れそのものに、コールセンターで必要なスキルが詰まっています。そういった意味でも、読書によるスキルアップの効能は高いと言えるでしょう。

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Writer編集者情報

  • コネナビ編集部 平井 美穂

    2012年、株式会社セントメディア(現:株式会社ウィルオブ・ワーク)へ入社し、コールセンターとオフィスワークに特化した人材サービスの事業部へ配属。フィールドサポータや営業コーディネータ、キャリアアドバイザー、新規営業、人材紹介(転職支援)などを経験。
    2020年 人材紹介にて自己最高売上を記録、時短勤務×妊娠中での実績が評価され全社月間MVPにノミネート。現在5歳と2歳を育てるパワフルワーママ!

    ・趣味:断捨離、森林浴、岩盤浴
    ・特技:細かい事に気が付く点

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