【導入事例】BPaaSとは│日本で成果が出ている企業とサービスを紹介
2024/11/12
- アウトソーシング
- 生産性向上
現代のビジネス環境は、急速なデジタル化の波によって大きな変革を迎えています。企業は一層の効率化を求め、高度なITソリューションを積極的に導入しています。その中でも、「BPaaS(Business Process as a Service)」は、ビジネスプロセスの外部委託とクラウドサービスの融合として注目を浴びています。BPaaSは、コスト削減だけでなく、業務効率向上や迅速な意思決定を可能にし、多くの企業で導入が進んでいます。 本稿では、BPaaSの基本的な概念から市場規模について詳しく解説します。さらに、freee、Kubell(旧チャットワーク)、トランス・コスモスの導入成功事例やサービスをご紹介いたします。読者の皆様がBPaaSの実際の運用と効果を理解し、自社導入の判断材料となれば幸いです。
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BPaaSとは
BPaaS(Business Process as a Service)は、ビジネスプロセスをクラウド上で提供するアウトソーシングサービスです。このモデルは、従来のBPO(Business Process Outsourcing)にクラウド技術を組み合わせたもので、効率性と柔軟性が大きな特長です。対応可能な主な業務には、人事、財務、カスタマーサポートなどのノンコア業務が含まれます。これらの業務をクラウドにより最適化することが可能です。
BPOとSaaSとの違い
BPO(Business Process Outsourcing)
BPOは、企業の業務プロセスを外部の業者に委託することを意味します。具体的には、人事や財務、バックオフィス業務などのノンコア業務を外部に任せることが一般的です。
SaaS(Software as a Service)
SaaSは、インターネットを通じてクラウド上でソフトウェアを利用できる形態のサービスです。企業はソフトウェアを購入・インストールすることなく、必要なときに必要な機能を利用することができます。
BPaaS(Business Process as a Service)
BPaaSは、BPOのように業務プロセスの一部を外部委託しつつ、SaaSのようにクラウド上でサービスを提供する点が特徴です。企業は業務プロセス全体をクラウド上で運営することができ、リアルタイムにデータアクセスを行い、迅速な意思決定が可能になります。
▼詳しくはこちらの記事をご確認ください
「今知るべきBPaaSとは?BPOとの違いやメリット、成功事例を分かりやすく解説」
BPaaS市場規模と、サービス導入の背景
BPaaSは急速に市場規模を拡大していて、2023年には約623億米ドルに達しました。SDKIのBPaaS市場に関する洞察によると、市場は予測期間中に約11.9%のCAGRで成長し、さらに2036年までには約2213億米ドルの価値に達すると予測されています。
(参考:https://www.sdki.jp/reports/bpaas-market/109135)
この成長の背景には、企業がコア業務に専念しノンコア業務を効率化するニーズが高まっていることが挙げられます。特に、ITシステムを活用した業務効率化が注目され、BPaaSの導入が進んでいます。
BPaaSは、クラウド上で人事や財務、給与計算、カスタマーサポートなどのノンコア業務を提供し、高効率な運営を実現できるため、人材不足が深刻な日本でも徐々に普及しています。
特に金融業界やIT・通信業界では、クラウドテクノロジーの導入が進み、業務の自動化・効率化が推進されています。BPaaS市場が注目される理由は、企業がより重要なコア業務に集中しながら、高効率かつ低コストでノンコア業務を運営できる点にあるでしょう。
BPaas導入事例・サービスを紹介
この章では、BPaaSを日本で展開しているベンダーの事例をご紹介します。具体的には、freee、Kubell(旧チャットワーク)の導入事例、トランス・コスモスの取り組みを取り上げます。
freee
freeeの人事労務アウトソースは、給与計算や労務業務を一括で外部に委託できるサービスです。freee人事労務のプロダクトを活用して高効率な業務運営を実現し、スモールビジネスを中心に、入退社手続き、給与計算、年末調整などのノンコア業務をサポートします。
このサービスは、企業が労務関連の煩雑な手続きを専門のサービスプロバイダーに任せることで、コア業務に集中できるようにすることを目的としています。クラウドベースのプロダクトにより、データの一元管理とリアルタイムな更新が可能です。社内に人事労務の機能がなくても正常に運用できます。
株式会社神椿 – freee人事労務アウトソースの導入事例
この項目では、実際にfreeeのサービスを利用して成果をあげた企業のご紹介をします。
■会社紹介
株式会社神椿は、香川県の観光名所「こんぴらさん」の石段500段目に位置するカフェ&レストランです。パフェやドリンクを提供するカフェと、伝統的なコース料理を楽しめるため、全国各地からの観光客で賑わっています。
■企業が抱えていた課題
会社の組織変更により、従来自社内で行っていなかった人事労務業務を新たに運営する必要が生じました。人事労務に関する専門的な知識がなく、この業務の管理に不安を感じていました。
■導入したサービス freeeのクラウド人事労務BPOサービス「freee人事労務アウトソース」を導入。このサービスは給与計算や入退社手続き、年末調整などを総合的に管理します。
■成果
freeeの導入により、社内の労務業務が大幅に効率化され、日常業務の負担が軽減されました。特に給与計算のスピードが向上し、従業員への給与明細の電子配信が再開されたことで、従業員も安心感を得ています。また、freeeのサポートチームからの丁寧な指導と支援により、労務業務が円滑に進むようになりました。さらに、コスト面でも大きな効果を実感しており、全体的な業務運営が向上しました。
Kubell(旧チャットワーク)
次にChatwork アシスタントを利用し、成果が出ている企業の事例をご紹介します。
株式会社Kubellが提供するChatwork アシスタントは、必要なタイミングで必要な分だけ業務をアウトソーシングできるオンラインアシスタントサービスです。経理、労務、総務、採用とバックオフィス関連の業務を中心に、様々な業務アウトソーシングサービスを提供しています。Chatworkのユーザーであれば、アプリ上から依頼をすることができます。
Chatworkアシスタントに業務を依頼すると、専任サポートが効率的なSaaSプロダクトを使った業務設計・運用構築を行い、日々の運用も専任サポートが代行します。そのため、SaaSプロダクトに詳しくない中小企業でも業務効率化のメリットを享受でき、より注力すべきコア業務に専念することが可能です。
三喜運輸株式会社 – Chatwork アシスタントの導入事例
■会社紹介
三喜運輸株式会社は、昭和45年設立の埼玉県羽生市を拠点に運送業を営む企業です。顧客第一、安全、迅速を経営理念とし、一般区域貨物自動車運送業、貨物運送取扱業務、混載運送、貸切輸送、引越しサービスなど多岐に渡る業務を展開しています。
■企業が抱えていた課題
導入前、管理部門は最小限の人数で幅広いバックオフィス業務や運輸・倉庫管理を行っており、人手不足で業務が回らなくなることが問題でした。また、管理部の求人を出しても他部門の急募募集が優先されるため、増員すらできない状態でした。
■導入されたサービス
Chatwork アシスタントの請求業務、経費精算、採用から入社手続きまでの業務代行を導入。新たな運用の導入を全員が使用できるようにサポートし、業務プロセスをシステム化する仕組みを構築しました。
■成果
請求業務の細かいチェックが不要となり、担当者1人分の工数が削減されました。 また、経費精算の一元管理が実現し、スプレッドシートを用いて効率化が可能になりました。さらに業務の整流化が進み、経理と現場の情報連携が強化されたり、本来すべき業務に集中できる環境が整えられたりと効果を実感しています。
トランス・コスモス
トランス・コスモス株式会社は、統合人事システム「COMPANY」をベースとし、業務プロセスやオペレーション人材までを一貫して提供するアウトソーシングサービスを展開しています。
「COMPANY」は、株式会社Works Human Intelligence(ワークスHI)が提供するプラットフォームで、人事管理、給与計算、勤怠管理などの人事向け業務管理機能を備えています。このシステムを基盤に、トランス・コスモスが持つ人材とオペレーション能力を組み合わせることで、人事業務をワンストップで提供することが可能となります。
トランス・コスモスとワークスHIの協業により、BPaaS(Business Process as a Service)は、企業の人事業務の効率化と高付加価値業務への集中を実現し、事業継続のリスクヘッジにも貢献します。
▼プレスリリース情報はこちら
【ワークスHI公式サイト】
まとめ
BPaaS(Business Process as a Service)市場は急速に拡大しており、その成長背景には企業がノンコア業務を効率化し、コア業務に集中するニーズがあります。クラウド上で提供されるこのサービスは、業務の自動化と効率化を促進し、従来のBPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)よりも高効率な運営を実現します。
本稿では、freee、Kubell、トランス・コスモスのサービスや事例をご紹介しました。BPaaSの導入は、企業の競争力を高め、業務の最適化を実現する重要な手段です。クラウドテクノロジーの進化に伴い、今後さらに多くの企業がBPaaSを活用し、高効率かつ低コストでビジネスを運営することが期待されます。このような成長とともに、BPaaS市場は一層の拡大を遂げるでしょう。
本稿が、課題を抱えるご担当者様への情報提供となれば幸いです。
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Writer編集者情報
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コネナビ編集部 小林 弘明
新卒1年半は銀行にて勤務。その後 株式会社セントメディア(現:株式会社ウィルオブ・ワーク)にキャリアチェンジし、営業職と支店長を経験。
その後4年間は教育担当者として従事し、本部営業を1年間経験。現在は営業推進部マネージャとしてスタッフキャリア支援を担当。
・趣味:北海道の田舎で育ったので、自然アクティビティが大好き!特にシュノーケリング、川遊び。
・特技:飲み屋でだれとでもすぐ仲良くなること。