CSATとは│コールセンターで必須のKPI計測方法と施策を紹介

2025/01/14

CSAT(Customer Satisfaction Score)は、顧客対応やサービスの満足度を数値化する指標です。コンタクトセンターでは、顧客の声を可視化し、サービス改善に役立てるために活用されています。 本記事では、CSATの基本、測定方法、導入メリット、具体的な向上施策をわかりやすく解説。顧客満足度を高めたい方は、ぜひ最後までご覧ください。

コールセンター運営に課題を抱えている方は、ウィルオブ・ワークにご相談ください。

「コンタクトセンターの立ち上げにあたり、適切なKPI設定が出来ずに困っている」「顧客満足度向上が課題だが、具体的な施策が打ち出せていない」「センターの安定した運営のためにKPIの見直しを行いたい」このようなお悩みをお持ちの方は、一度ウィルオブ・ワークにご相談ください。コンタクトセンター運営実績25年以上のウィルオブ・ワークは、高品質でコスト削減に寄与する地方BPOセンターでの運営代行が可能です。企業内でのインハウス運営もご相談可能!まずは以下ボタンよりお気軽にご相談ください

BPOのプロに相談する

CSATとは? 基本概念の解説

CSATの定義

CSAT(Customer Satisfaction Score)とは、顧客満足度を数値化する指標です。特定のサービスや製品に対する顧客の満足度を測るために使用されます。一般的には「このサービスにどの程度満足しましたか?」といった質問に対し、5段階または10段階で評価を得る形式が多いです。

コンタクトセンターでは、オペレーター対応後のアンケートを通じてCSATを計測し、サービス改善に役立てています。高いCSATはリピーターの増加が期待できますが、低いCSATはクレームの発生や顧客離れのリスクを示すため、継続的なモニタリングと改善が重要です。

CSAT導入で期待できる効果

CSATを導入することでどのような効果が期待できるのでしょうか。CSAT導入により、コンタクトセンターの課題を可視化し、具体的な改善策を講じることができます。

例えば、クレームの減少につながる点が大きなメリットです。顧客の不満点を早期に把握し、対応を改善することで、トラブルを未然に防げます。

また、リピート率の向上にも貢献します。顧客満足度が高い場合、サービス利用継続率が高まり、ブランドロイヤルティの向上にもつながります。

さらに、オペレーター評価の明確化にも役立ちます。個々の対応のばらつきを可視化し、改善することで応対品質の向上ができます。

CSATは「顧客がどのように感じたか」を直接測定できるため、どのタッチポイントで満足度が低いのかを把握し、優先的に改善することができます。これにより、センター全体の品質向上が期待できます。

NPS・CESとの違い

顧客満足度を測る指標には、CSATのほかにNPS(Net Promoter Score)CES(Customer Effort Score)があります。それぞれの違いを見ていきましょう。

NPS:顧客のブランドロイヤルティを測る指標。「この企業を友人や同僚に勧めますか?」という質問を用いて、企業全体の評価を長期的に測定
CES:顧客の負担を測る指標。「この問題を解決するのに、どれくらい努力しましたか?」という質問を通じて、利便性を評価
CSAT:顧客満足度を測る短期的な指標。「今回の対応に満足しましたか?」といった質問で測定

例えば、「顧客が現在の対応に満足しているか」を知りたい場合はCSAT、「企業のファン度を測りたい」ならNPS、「問い合わせがスムーズだったか」を評価するならCESが適しています。

コンタクトセンターでは、CSATをベースにしつつ、目的に応じてNPSやCESも組み合わせることで、より総合的な顧客満足度の把握が可能になります。

▼関連記事はこちら
CES(カスタマーエフォートスコア)とは?基本定義から導入方法まで徹底解説
NPS®(ネットプロモータースコア)とは|コンタクトセンターでの計算方法や運用方法を解説

CSATを導入するメリット

導入が容易であること

CSATは、他の顧客満足度指標と比べて導入が容易で、すぐに運用できる点が大きなメリットです。基本的な設計は、1〜2問のシンプルなアンケートを送るだけで、顧客満足度を数値化できます。例えば、「今回の対応に満足しましたか?」といった質問を5段階評価で尋ねる形式が一般的です。

また、メールやSMS、Webアンケートなど、さまざまな方法で収集できるため、既存のカスタマーサポートシステムとも簡単に連携できます。特にコンタクトセンターでは、顧客対応後に自動でアンケートを送信する仕組みを整えれば、オペレーターの手間を増やさずにデータを取得可能です。

導入コストが低く、すぐに運用できるため、まずは顧客満足度を把握したい企業に最適な指標です。

ユーザーの負担が少ない

CSATのもう一つの強みは、顧客が回答しやすいシンプルな設計になっていることです。長文での回答を求めるアンケートや質問が多いと、ユーザーの回答率は下がりますが、CSATは簡易的でユーザー負担が少ないため、回答率が高い傾向にあります。

また、回答データをリアルタイムで収集できるため、迅速な改善にもつなげやすい点もメリットです。顧客の声を素早く反映し、継続的なサービス向上に役立てることができます。

メジャーな指標で競合と比較できる

CSATは、業界全体で広く活用されている指標であるため、競合他社との比較が容易です。業界平均値を把握することで、自社の顧客満足度がどの水準にあるのかを明確にできます。

例えば、EC業界の平均CSATが80%だった場合、自社のCSATが70%なら「業界平均より低い=改善が必要」と判断できます。また、同じ業界でも、競合より高いスコアを維持できれば、顧客対応の強みをアピールできる材料になります。

さらに、CSATスコアの変化を追うことで、施策の効果測定にも活用可能です。例えば、新しいオペレーター研修を導入した後にCSATが向上すれば、施策の成功を示す指標になります。より一層顧客満足度を高めるためにPDCAを回しやすくなるのです。

CSATを計測する方法

アンケートの実施(タイミング・質問例)

CSATを正しく計測するためには、適切なタイミングでアンケートを実施することが重要です。特にコンタクトセンターでは、顧客の体験が新鮮なうちにフィードバックを収集することで、正確な満足度を把握できます。

5段階評価の例
1. 非常に不満(1点)
2. やや不満(2点)
3. どちらでもない(3点)
4. 満足(4点)
5. 非常に満足(5点)

実施タイミングの例

問い合わせ対応直後

サポート終了後に、自動でアンケートを送信

購入・サービス利用直後

ECサイトやSaaSサービスなら、購入・利用後に評価を依頼

定期的な満足度調査

半年ごとや年に1回、顧客全体の満足度を調査

これらの質問をメールやSMS、チャットボットを通じて送ることで、手軽に顧客満足度を把握できます。回答率を上げるために、回答がワンクリックで完了する設計にするのも効果的です。

測定方法(スコアの計算方法)

CSATのスコアは、「満足」または「非常に満足」と回答した顧客の割合をパーセンテージで表すのが一般的です。

計算式

「CSAT(%) = (満足した顧客の数 / アンケート全体の回答数) × 100」

例えば、100人の回答のうち「非常に満足」が40人、「満足」が30人だった場合、CSATスコアは
「(40 + 30) / 100 × 100 = 70%」
となります。

5段階評価のうち、4点・5点を「満足」とカウントし、CSATスコアを算出します。企業ごとにスコアの評価基準を設定し、一定の基準を超えた場合は「顧客満足度が良好」と判断するのが一般的です。

測定した数値の評価方法

CSATスコアを正しく評価するためには、業界平均や過去データと比較することが重要です。単にスコアが何%かを見るのではなく、競合や自社の過去データと比べて向上しているかどうかを確認します。

評価のポイント
業界平均との比較

例えば、コールセンター業界の平均CSATが75%なら、自社が70%の場合は改善の余地あり

時間経過での変化

1カ月単位や四半期ごとのスコア推移を分析し、施策の効果を測定

顧客属性別の分析

新規顧客とリピーターで満足度が異なるかを確認し、それぞれに適した施策を検討

CSATスコアが低い場合は、その原因を特定し、改善策を打ち出すことが重要です。例えば、特定のオペレーターや対応フローでスコアが低い場合、教育強化やスクリプト改善など施策を実行してみましょう。CSATは測定して終わりではなく、継続的に施策を実行し、改善していくことが大切です。 

コンタクトセンターにおけるCSAT向上施策

CSATを向上させるための施策は多岐にわたりますが、大切なのは 「自社の課題に合った手段を選ぶこと」 です。 本章では、一般的にコンタクトセンター運営において有効とされる施策をご紹介します。単に導入するのではなく、自社の状況や目的と照らし合わせて最適な施策を選択し、実行してみてください。

オペレーターの応対品質の向上

CSATを向上させるためには、オペレーターの応対品質を高めることが不可欠です。顧客の満足度は、対応のスムーズさや言葉遣い、問題解決能力に大きく影響されます。オペレーターのスキルが向上することで、顧客の問題をより迅速かつ的確に解決でき、CSATスコアの改善につながります

施策の一例
1. トークスクリプトやマニュアルの改善
• よくある問い合わせに対する最適な回答フローを作成し、コミュニケーター間の対応のバラつきをなくす
• 顧客の感情に配慮したフレーズを取り入れ、「共感」を示すコミュニケーションを徹底
• WEBマニュアルや社内FAQの見直し など

2. オペレーター教育の強化
• ロールプレイ研修を実施し、顧客対応の実践的なスキルを磨く
• CSATスコアの低い対応を分析し、改善策をオペレーターと共有
• 管理者(SVやリーダー)が新人オペレーターの通話内容をモニタリングし、適切なフィードバックを行う など

AIやFAQの活用で顧客の自己解決率を上げる

顧客が「オペレーターへ問い合わせなくても解決できる環境」を整えることも、CSAT向上に直結します。簡単な問い合わせが多い場合は、AIチャットボットFAQ活用により、顧客満足度の向上と業務負担の軽減を同時に実現できます。

施策の一例
1. FAQの最適化
• よくある質問をカテゴリごとに整理し、顧客が探しやすい設計にする
• 実際の問い合わせデータをもとに、検索されやすいワードをタイトルに含める
• すでに導入している場合は見直しと改善を定期的に行う

▼FAQの詳細についてはこちらの記事をご覧ください。
コンタクトセンターFAQ5選│導入メリットや注意点・システム比較ポイントを解説

2. AIチャットボットの導入
• 簡単な質問(例:「返品方法を教えてください」)に即時回答できる仕組みを構築
• 必要に応じて有人対応にスムーズに引き継げる設計にすることで、顧客のストレスを軽減

▼チャットボットに関する記事はこちら
チャットボットとは│基礎知識と導入ステップ・メリットを簡単に解説

フィードバックループを作り、継続的に改善

CSATスコアを一度測定するだけではなく、継続的な改善サイクルを回すことが重要です。CSATデータを分析し課題を特定、施策を実施しその結果を再評価することで、持続的に顧客満足度を向上させることができます。

フィードバックループの構築手順

1. 定期的にCSATデータを収集・分析

• 月次・四半期ごとにCSATスコアの推移を確認
• スコアの低下が見られる場合、その原因を特定

2. 課題を特定し、改善策を実施

施策の一例
• 「特定のオペレーターのスコアが低い」→ 個別研修を実施
• 「ある時間帯のスコアが低い」→ 待ち時間を短縮する施策を導入
• 「特定の問い合わせ内容で低評価が多い」→ FAQやスクリプトを見直す

3. 施策の効果を測定し、PDCAを回す

• 施策実施後のCSATスコアを再測定し、改善が見られるかを確認
• もしスコアが改善しない場合は、別の施策を検討し、再度実施

4. 顧客のリアルな声を活用

• アンケートの自由記述欄から、顧客の具体的な意見を抽出
• 「この対応は良かった」「○○の部分が分かりにくかった」といった顧客の生の声を、オペレーター教育やサービス改善に反映

CSATを単なる指標として扱うのではなく、改善のための「行動指標」として活用することが重要です。

まとめ

CSATは、顧客満足度をリアルタイムで測定できる有効な指標です。特にコンタクトセンターでは、オペレーターの応対品質の評価やサービス改善の指標として活用でき、顧客満足度の向上に貢献します。また、AIやFAQの活用、フィードバックの仕組みを整えることで、効率的な運営と満足度向上を両立させることが可能です。

ただし、CSATの数値だけを鵜呑みにするのは危険です。顧客が一時的な感情で評価するケースも多く、必ずしも正しい顧客体験を反映しているとは限りません。結果の変動要因を分析し、NPSやCESなど他の指標と組み合わせて活用することで、より正確な顧客満足度の把握と改善につなげることができるのです。

本記事が、顧客満足度向上の一助になれば幸いです。

コールセンター運営の業務効率化についてはウィルオブ・ワークにご相談ください

「コンタクトセンターを立ち上げにあたり、適切なKPI設定が出来ずに困っている」「顧客満足度向上が課題だが、具体的な施策が打ち出せていない」「センターの安定した運営のためにKPIの見直しを行いたい」このようなお悩みを抱える方は、一度ウィルオブ・ワークにご相談ください。コンタクトセンター運営実績25年以上のウィルオブ・ワークは、高品質でコスト削減に寄与する地方BPOセンターにてコールセンター運営代行が可能です。企業内でのインハウス運営も可能!まずは以下ボタンよりお気軽にご相談ください。

ウィルオブ・ワークBPO担当者に相談する

Writer編集者情報

  • コネナビ編集部 平井 美穂

    2012年、株式会社セントメディア(現:株式会社ウィルオブ・ワーク)へ入社し、コールセンターとオフィスワークに特化した人材サービス事業部に配属。フィールドサポーター、営業コーディネーター、キャリアアドバイザー、新規営業、転職支援など幅広い業務を経験。2020年には転職支援サービスにおいて自己最高売上を記録し、育児中の時短勤務ながら成果を上げた実績が評価され、全社月間MVPノミネートおよび事業部内MVPを受賞。同時期に、西日本営業部MVPも2か月連続で受賞。現在は、6歳と4歳の子どもを育てるワーキングマザー。

    ・趣味:森林浴、神社巡り
    ・特技:細かい点に気が付くところ

Related article関連記事

法人お問合わせ・資料ダウンロード

コンタクトセンターの採用・運営に関してお悩みの方、お仕事探しの方はお気軽にお問合せください。