【導入事例】15年以上のパートナーシップの秘訣とは?シャープ様が語るウィルオブ・ワークのコールセンターBPOサービス

2025/06/18

コールセンター業務のアウトソーシングは、多くの企業にとって重要な経営戦略の一つとなっています。しかし、長期的なパートナーシップを築き、高品質なサービスを維持することは容易ではありません。

シャープ様では、2005年からウィルオブ・ワーク(旧ːセントメディア)のコールセンターサービスを活用し、15年以上にわたる長期的なパートナーシップを築いています。

今回は、シャープワンストップサービス株式会社 お客様相談室 室長の岩崎様に、具体的な取り組みについてお話を伺いました。

アウトソーシング導入前は、膨大な数の入電対応や、派遣社員の管理工数など、様々な課題を抱えていました。 そこから大幅な業務効率化と品質向上に成功した秘訣とは? コールセンター業務のアウトソーシングをお考えの方は、ぜひご覧ください。

【取材日時:2025年5月15日】

導入前の課題・アウトソーシング導入に至った背景とは

岩崎様

「2000年代初頭まで、お客様相談室は社員中心の体制で運営していました。ところが、2000年問題への対応や、ヒット商品『AQUOS』の発売に伴う入電数の急増により、社員だけでの対応が困難になったため、コールセンターのアウトソーシングを検討しはじめたことが利用のきっかけです。

2001年10月から細々と派遣社員の導入を始め、2002年4月頃から一部の商品でアウトソーシングを開始しました。

当初は社員、派遣社員、アウトソーシングの3つの構成でお客様対応を行っていましたが、シャープのメイン商品は全て社員で対応していました。

AQUOSの発売を機に状況は一変し、とんでもない数の入電対応に追われる状況になりました。AQUOS効果で他の家電も売れ出し、もう社員だけでは対応できないという状況になったため、派遣社員を増加したのです。西日本お客様相談室では白物家電と情報商品、東日本お客様相談室ではAQUOS専門のコールセンターという体制を当時はとっていました。

私は当時、東日本のAQUOS専門コールセンターで、70名ほどの派遣社員の管理を担当していましたが、シフト管理や人員調整などの業務が煩雑化し、限界を感じるようになったのです。私ともう1名の管理者、2名で70名の派遣社員を管理するのに限界を感じ、AQUOS業務のアウトソーシングもこの頃から開始しました。」

ウィルオブ・ワークをアウトソーサーとして選んだ理由

―西日本お客様相談室のアウトソーサーとしてウィルオブ・ワークを選んでいただけた理由は?

岩崎様

「もともと、派遣社員としてウィルオブ・ワーク(旧ːセントメディア)の方が白物家電業務を担当してくれていたのですが、派遣社員の質の高さにありました。

ウィルオブ・ワークの派遣社員の方は非常に優秀で、業務について深く理解し、真摯に対応してくれていました。

また、当時の派遣リーダーの存在も大きな要因でした。チームメンバーをしっかりとまとめてくれていましたし、私たちに真摯に向き合って対応してくれる姿勢に信頼していました。

このような実績と信頼関係があったからこそ、ウィルオブ・ワークをアウトソーサーとして選定したのです。」

導入時の課題とその解決策

岩崎様

「西日本お客様相談室のアウトソーシング化を進めるにあたっての課題は、当時社内からさまざまな意見があがったことです。特に、『オペレーターへの直接的な指導が難しくなるのは大丈夫なのか』『シャープマインドの継承が十分に行えるだろうか』といった点に、不安の声が上がっていたことを記憶しています。

この状況を乗り越えるため、既存のウィルオブ・ワーク(旧ːセントメディア)の派遣社員が対応してくれることを条件に、ウィルオブ・ワークをアウトソーサーとして進めることができました。

また、アウトソーシング化に伴い、“委託先のオペレーターに直接指揮命令することができない”という問題が起こりました。自社社員に、派遣と委託の違いを理解してもらうことから取り組み、要望や連携を取る場合は、アウトソーサーの責任者や管理者を通して行うことを徹底しました。

この問題は、社員向けの研修会を実施し、アウトソーシングの仕組みや適切な関わり方について教育を行った結果、解決することができたのです。」

アウトソーシング開始後の効果について

岩崎様

「運用開始後も、ウィルオブ・ワーク(旧ːセントメディア)と密接に連携を取り、サービス品質の向上に努めました。当社の教育担当が地道に研修を行い、シャープの応対品質をアウトソーサーに浸透させるよう努めました。

また、ウィルオブ・ワークの元派遣社員だった優秀なスタッフが継続して業務に携わってくれたことで、スムーズな移行が可能になったのです。」

アウトソーシング化による業務効率化

岩崎様

「アウトソーシング化により、シフト管理や人員調整にかかっていた時間や業務工数が激減し、その分を他の重要な業務に充てられるようになりました。また、繁忙期の急な人員増強にも柔軟に対応できるようになり、お客様の待ち時間短縮にもつながり、顧客満足度向上にも寄与しています。」

シャープマインドの浸透と品質向上

岩崎様

「長年の取引を通じて、ウィルオブ・ワークのスタッフにシャープのルールや品質基準、方針、考え方が浸透していきました。これは新規のベンダーにはない強みとなっています。

具体的には、お客様応対品質の向上、シャープブランドの一貫した発信、クレーム対応時の適切な判断・迅速な対応などが挙げられます。

特に印象的だったのは、ある複雑なクレーム案件に対し、ウィルオブ・ワークのスタッフが、まるでシャープの社員のように適切な対応をしてくれたことです。このような事例を見ると、長年のパートナーシップの価値を実感しますね。」

ウィルオブ・ワークを選び続ける理由

岩崎様

「15年以上にわたってウィルオブ・ワーク(旧ːセントメディア)とのパートナーシップを継続している理由は、

当時のウィルオブ・ワーク社員の木村さんをはじめ、派遣リーダーだった小枝さん、米田さんに対する信頼があったこと、業務に対する真摯な姿勢、何か問題が起こった時の問題解決能力の高さにあります。

何より、シャープマインドを理解してくれていて、何かあったときには自分たちで考え行動してくれたり、解決できない場合は相談してくれたりと、安心して任せることができる点です。

また、私たちもベンダーに丸投げするのではなく、お互いが考えて意見を出し合うことが大切だと思います。社員にも『ベンダーに任せきりにするな、一緒に考えろ』と言っています。これがパートナーシップの本質だと思います。」

アウトソーシング成功のポイント

岩崎様

「アウトソーシングを成功させるうえで最も重要なのは、“どこまで任せられるか”という視点だと思います。そのためには、まず業務フローをしっかりと整理し、誰が見ても迷わない状態にしておくことが不可欠です。

また、指示を一方的に出すのではなく、双方向のコミュニケーションを通じて、より良い運用を一緒に模索していく姿勢が大切です。お互いの意見を出し合える関係性が、現場力の向上にもつながると感じています。

さらに、アウトソーサーへの適切な権限移譲も欠かせません。細部まで管理してしまうと、相手の力を活かしきれませんし、創意工夫も生まれにくくなってしまいます。任せるべきところは任せることで、組織としての柔軟性が高まります。

品質維持のためには、定期的なチェックと改善活動も必要です。私たちも月次の報告会を通じてKPIの確認や課題の共有を行い、常に改善を意識した運用を心がけています。

そして何より、アウトソーシング先を“共に成長するパートナー”と捉える意識が重要です。単なる業務委託ではなく、同じ方向を向いて取り組むことで、長期的な信頼関係が築かれていくのだと思います。」

今後の展望とウィルオブ・ワークへの期待

岩崎様

「今後は人材不足への対応が課題となります。AIやITを活用し、お客様自身で解決できる方法を構築していく必要があります。

その中で、ウィルオブ・ワークには引き続き高品質なサービスの提供を期待しています。お客様と接している中で、我々が気づかない課題や改善点に気づいた時は、改善提案も積極的にしてほしいと思います。効率化を進めていく手段として、生成AIの活用も進めていきたいと思っていますが、人でしかできない対応については、柔軟に対応できる体制を維持してほしいと思います。

そして何より、長期的視点でのパートナーシップの継続を期待しています。15年以上の信頼関係を築いてきましたが、これからも共に成長し、お客様満足度の向上に貢献していけると信じています。」

最後に

今回のインタビューで、シャープ様とウィルオブ・ワークの長期的なパートナーシップの秘訣を伺うことができました。単なる業務委託ではなく、相互理解と信頼関係の構築が、15年以上の継続的な関係を支えています。

コールセンター業務のアウトソーシングを成功させるためには、アウトソーサーとの密接なコミュニケーションと、双方の成長を目指す姿勢が不可欠です。シャープ様の事例は、多くの企業にとって参考になるでしょう。

このたびは貴重なお話をお聞かせいただき、誠にありがとうございました。

シャープ株式会社 様
公式サイト:https://corporate.jp.sharp/

シャープ株式会社は、テレビ、冷蔵庫、エアコンといった家電製品、企業向けのデジタル複合機・複写機・プリンタ、デジタルサイネージソリューション、オフィスソリューションなど、法人向けの先進的な製品も幅広く展開する総合エレクトロニクスメーカーです。長年にわたり、あらゆるお客様の声に真摯に耳を傾け、製品やサービスの品質向上に絶え間なく取り組んでいます。

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「コンタクトセンターの人材採用がなかなかうまくいかない」「定着率をあげたい」「生産性を高めたい」とお悩みのご担当者様、まずはお気軽にウィルオブ・ワークにご相談ください。コールセンター専門特化25年以上、実績多数のウィルオブ・ワークが、お客様の運営課題にカスタマイズのご提案をさせていただきます。まずはお気軽にご相談ください。

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Writer編集者情報

  • コネナビ編集部 平井 美穂

    2012年、株式会社セントメディア(現:株式会社ウィルオブ・ワーク)へ入社し、コールセンターとオフィスワークに特化した人材サービス事業部に配属。大手携帯キャリアのコンタクトセンターにて、カスタマーサポートを行いながら、自社派遣社員のサポートやフォローに努める。CSを2年経験した後、営業コーディネーターやキャリアアドバイザー、転職支援など幅広い業務を経験。現在は、2人のこどもを育てるワーキングマザー。

    ・趣味:森林浴、神社巡り、アートに触れること
    ・特技:細かい点に気が付くところ

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