CS向上させるオペレーター育成法とは│具体的な研修内容やポイントについて解説

2025/09/02

この記事を読んでわかること
 ✔ オペレーター育成が顧客満足度(CS)向上に直結する理由
 ✔ コールセンターで実施されている具体的な研修内容
 ✔ 応対品質を安定させるための育成・マネジメントのポイント
 ✔ 自社での育成が難しい場合の代替策(アウトソーシングの活用)

オペレーターのスキルは、顧客満足度やコンタクトセンターの運営品質に直結します。しかし現場では、「新人が定着しない」「研修方法がわからない」といった課題を抱えるケースも少なくありません。
本記事では、CS向上につながるオペレーター育成の考え方や、具体的な研修・マネジメントのポイントを解説します。

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オペレーター育成が必要な理由

コールセンター運営において、オペレーター育成は欠かせない取り組みの一つです。
本章では、その主な理由を解説します。

応対品質を高め、顧客満足度の向上につながる

良質なコールセンターの運営には、応対品質の向上顧客満足度の向上が欠かせません。言葉遣いや電話の受け答え、業務フローの確認などの研修をしっかりと行うことで、オペレーターは顧客とのやり取りをスムーズに行うことができます。その結果、応対品質が向上し、顧客満足度も向上します。

離職率の軽減につながる

コールセンターは離職率が高い業界です。業務の難しさやクレーム対応に加え、サポート体制の不十分さも要因となります。丁寧な育成とフォロー体制を整えることで、定着率の向上にもつながります。

応対の一貫性を保てる

育成やマニュアルを通じて対応を標準化することで、オペレーターごとのバラつきを抑え、顧客に安心感を与えられます。また、「SVによって言うことが違う」といった現場の混乱も防げます。

ミスや工数の削減につながる

教育が不十分なまま現場に立たせると、ミスが増え、管理者の負担も増加します。研修にしっかり時間をかけることで、現場の業務効率化にもつながります。育成リソースの確保が難しい場合は、アウトソーシングの活用も選択肢の一つです。

▼コールセンターアウトソーシング会社一覧はこちらの記事をご覧ください

オペレーター育成に必要なコンタクトセンター研修の目的

コンタクトセンター運営において、オペレーターへの研修は欠かせません。
取り扱う商材や対応範囲に応じて内容は異なりますが、研修の目的は主に以下の3つに集約されます。

コンタクトセンターの研修目的3つ
1.企業や製品・サービスの理解
2.オペレーターのスキルアップ
3.顧客満足度向上

企業・製品・サービスの理解を深める

オペレーターが企業のビジョンや製品特性を理解することで、顧客へ正確かつ有益な情報を提供できるようになります。企業文化や価値観の共有は、帰属意識を育み、質の高い対応につながります。

オペレーターのスキル向上を図る

オペレーターが業務知識・コミュニケーション力・問題解決力など、現場で求められるスキルを身につけることも研修の大きな目的です。イレギュラーな対応や複雑な問い合わせにも柔軟に対応できる力を育てることで、顧客対応の質が高まります。

顧客満足度(CS)を高める

適切な研修を受けたオペレーターは、顧客のニーズを的確に把握し、スムーズに対応できます。
加えて、モニタリングやSVからのフィードバックを通じて応対品質を継続的に改善する仕組みを整えることで、CS向上とリピーター獲得につながります。

コンタクトセンター研修の種類と内容

本章では、一般的なコンタクトセンターで実施される研修内容を紹介します。

基礎研修(座学研修)

いわゆる「新入社員研修」にあたるもので、会社概要や取り扱う商品・サービスについての基礎知識を学びます。本研修では、以下の内容が含まれることが一般的です。

  • 会社概要や、取り扱う商品・サービスの特徴
  • 電話応対の基本スキル(先輩オペレーターのモニタリング含む)
  • トークスクリプトを使った実践的な電話練習
  • パソコンや電話機器などの操作方法
  • セキュリティ研修(私物の持ち込みルール、勤怠管理、個人情報の取扱い など)

コンタクトセンターでは、セキュリティや情報管理が厳格に運用されているため、基本業務だけでなく就業ルールや環境面の理解も重要です。

システム研修

コンタクトセンター業務では、顧客対応の記録や事後処理(ダイレクトメールの発送や商品注文)のためにさまざまなシステムを使用します。
主な研修内容は以下の通りです。

  • CRM(顧客管理システム)やFAQなどの操作方法
  • 各システムが導入されている目的や役割の理解
  • 顧客対応中・対応後の入力作業や情報の扱い方
  • 業務に必要な画面の見方や、電話受電システムの使い方など

単なる操作方法だけでなく、なぜこのシステムを使うのか」まで理解することが、実務での応用力につながります。

電話応対研修

電話応対研修では、大きく分けて「インバウンド(受信)」と「アウトバウンド(発信)」の2種類があります。研修内容は業務内容によって異なりますが、どちらも顧客との会話を通じた高品質な対応が求められます。

インバウンド(受信)の場合

インバウンド研修では、顧客からの注文受付や問い合わせ対応に必要なスキルを、トークスクリプトを用いたロールプレイ形式で習得していきます。

たとえば通販のコンタクトセンター業務の場合は、以下のような基本の流れを理解・習得したうえで、対応範囲を段階的に広げていきます。

電話応対の基本手順を記載
1.オープニング
2.顧客情報確認
3.注文内容確認
4.住所確認
5.お届け日のご案内
6.クロージング

一方、テクニカルサポートのような専門性の高い業務では、ある程度のトークフローはあるものの、顧客の状況によって臨機応変な対応が求められます。新人オペレーターの場合は、まず難易度の低い問い合わせから対応を始め、徐々に応用スキルを習得していく段階的な研修設計が一般的です。

また、応対品質を高めるためには、単にスクリプト通りに話すだけでは不十分です。
オープニングでは温かみのある声のトーンを意識し、クッション言葉を使うなど、顧客が話しやすい雰囲気づくりを大切にします。こうした気遣いが、マニュアル的な印象を与えない、自然で信頼感のある応対につながります。

アウトバウンド(発信)の場合

アウトバウンド業務では、企業側から顧客に連絡を取るためのスキルを習得します。
内容は多岐にわたり、たとえば以下のようなケースがあります。

  • 営業アポイントの獲得
  • 契約内容や手続きに関する確認連絡
  • ネット回線工事などの日程調整のご案内

基本的にはトークスクリプトに沿って応対しますが、営業要素を含む業務の場合にはより高度なスキルが求められます。
顧客のニーズを引き出すヒアリング力や、商品・サービスの価値を伝える説明力、最終的にクロージングへとつなげる提案力などが重要です。

これらのスキルは、ロールプレイングを通じて繰り返しトレーニングし、実践的に身につけていきます。
顧客との対話の中で「押しつけ」にならず、信頼感を持って納得してもらえるようなコミュニケーションが求められます。

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オペレーター育成のポイント

本章では、オペレーターを育成する際の5つのポイントについて解説します。

オペレーターを育成における5つのポイントを記載
1.モチベーションを保つ環境づくり
2.応対品質のばらつきを減らす
3.評価軸を明確にする
4.業務の意味や役割を理解してもらう
5.管理者(SV以上)の育成にも注力する

モチベーションを保つ環境づくり

オペレーターは日々多くの顧客対応を担うため、精神的・体力的な負荷がかかりやすい職種です。
そのため、1on1ミーティングや相談しやすい環境づくり、チームでの目標設定とインセンティブ制度の導入など、継続的にやる気を引き出す工夫が重要です。これにより、帰属意識が高まり定着率向上にもつながります。

応対品質のばらつきを減らす

オペレーターごとに応対品質に差があると、顧客に不信感を与え、満足度の低下やクレームにつながる恐れがあります。
そのため、着台後も定期的なフォロー研修やモニタリングを実施し、対応の差を埋めていくことが重要です。
また、SVや教育担当者の指導内容にばらつきが出ないよう、マニュアルや評価基準を統一して育成の方向性を揃えることもポイントです。

評価軸を明確にする

評価者や部署によって判断基準が異なると、オペレーターの納得感を得られません。
社内で統一された評価軸を設定し、透明性のある評価とフィードバックを行うことで、モチベーションと成長意欲を高めることができます。

業務の意味や役割を理解してもらう

オペレーターは企業の第一印象を左右する重要な存在です。
なぜこの対応を行うのか」「自分の業務がどう企業価値につながっているのか」を伝えることで、責任感やプロ意識が育ち、応対の質も自然と向上します。

管理者(SV以上)の育成にも注力する

オペレーターの育成や支援を担うSV(スーパーバイザー)自身の教育も欠かせません。
SVには応対スキルだけでなく、感情労働の負荷を抱えるオペレーターへの精神的サポートや、やる気を引き出すマネジメント力が求められます。現場ではクレーム対応や業務改善など負荷の高い場面も多く、SVが信頼される存在であることがチームの安定につながります。

そのため、管理者向けにも研修や定期フォローを設け、SV自身が学び続けられる環境づくりを行うことが重要です。

▼SVの効果的な教育方法やポイントに関連する記事はこちらもご覧ください

自社対応が難しい場合はアウトソーシングという手段

このようなコンタクトセンター研修をすべて社内で完結しようとすると、担当講師の確保や教育体制の整備に多くの手間とコストがかかります。現場と兼任で育成を担うことが難しい場合、研修そのものが形骸化してしまうリスクもあります。

そうした課題を解決する手段のひとつが「コンタクトセンターのアウトソーシング」です。

専門性の高いアウトソーサーを活用することで、自社でゼロから構築するよりも効率的に、質の高い応対体制を整えることができます。業務設計から研修、品質管理までトータルで任せられるため、自社のリソースをコア業務に集中させたい企業にも最適です。

▼コンタクトセンターのアウトソーサーをご紹介している記事はこちらをご覧ください

コンタクトセンターをアウトソーシングするメリット

コンタクトセンターをアウトソーシングすることで得られる代表的なメリットは、以下の3点です。

業務効率向上

コンタクトセンターの立ち上げ・運営には、人材採用・教育・マネジメントなど多くの工程が発生します。アウトソーシングすることで、そうした負担を軽減でき、社内人材は営業や企画などの中核業務に集中可能。結果として、組織全体の生産性向上が見込めます。

応対品質向上

多くのアウトソーサーでは、入社前からの徹底した研修制度や応対マニュアルを整備しており、対応スキルの高い人材が育成されています。自社では難しい品質管理や教育がプロによって行われるため、顧客満足度の向上にもつながります。

コスト削減

自社運営では、設備投資・マニュアル整備・人材育成など、継続的なコストが発生します。アウトソーシングを活用すれば、これらの負担を抑えることが可能です。特に、地方拠点を活用するアウトソーサーを選べば、都市部と比較してさらにコストメリットが出るケースもあります。

地方でコールセンター運営をしている代行会社だと、主要都市に比べてさらにコスト削減につながる可能性があります。

「実際にアウトソーシングでどう変わったのか?」
コンタクトセンターの課題を解決した企業事例を下記記事でご紹介しています。

オペレーター育成のまとめ

本稿では、コンタクトセンター運営における研修の重要性と、オペレーター育成のポイントについて解説しました。
オペレーターに対する研修は、1度きりの実施で終わらせるのではなく、継続的に実施し、理解度の確認やスキルの定着を図ることが重要です。

こうした育成の取り組みは、応対品質や業務効率の向上、さらには顧客満足度の向上にもつながります。結果として、センター全体の安定運営と企業の信頼性向上にも貢献できるでしょう。

現場の課題や人材育成にお悩みのご担当者さまにとって、本記事が少しでもヒントとなれば幸いです。

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Writer編集者情報

  • コネナビ編集部 平井 美穂

    2012年、株式会社セントメディア(現:株式会社ウィルオブ・ワーク)へ入社し、コールセンターとオフィスワークに特化した人材サービス事業部に配属。大手携帯キャリアのコンタクトセンターにて、カスタマーサポートを行いながら、自社派遣社員のサポートやフォローに努める。CSを2年経験した後、営業コーディネーターやキャリアアドバイザー、転職支援など幅広い業務を経験。現在は、2人のこどもを育てるワーキングマザー。

    ・趣味:森林浴、神社巡り、アートに触れること
    ・特技:細かい点に気が付くところ

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