コンタクトセンター構築の手順│必要なシステムや立ち上げのポイントを解説
2025/02/02
- システム導入
- 生産性向上

コンタクトセンターは、企業と顧客が円滑にコミュニケーションを取るために重要な役割を果たしています。
近年、その役割はますます拡大しており、これからコンタクトセンターを構築しようと考えている企業のご担当者様も増えています。
• 「コンタクトセンターを構築したいが、何から始めればよいかわからない」
• 「コンタクトセンターの立ち上げ手順を知りたい」
• 「必要なシステムやツールについて詳しく知りたい」
本記事では、このような疑問を持つご担当者様に向けて、コンタクトセンターの構築に必要なシステムと具体的な手順を分かりやすく解説します。
コンタクトセンターの構築はウィルオブ・ワークへ!
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コンタクトセンターの必要性
コンタクトセンターとは、Web、メール、SNS、チャット、FAX、電話など、さまざまな問い合わせチャネルに対応する拠点を指します。近年、顧客の問い合わせ手段は多様化しており、企業がスムーズに対応できる環境を整えることが求められています。
本項目では、コンタクトセンターを構築する意義とその必要性について説明します。
多様化する問い合わせへの対応が必須
インターネットやスマートフォン、SNSの普及により、顧客が企業にコンタクトを取る手段は急速に増えています。問い合わせ方法は、電話だけでなく、メールやチャット、LINEなど、多岐にわたります。
企業がこれらのチャネルを適切に活用し、一貫性のある対応を行うことで、顧客満足度の向上やブランドイメージの強化につながります。また、スムーズな対応はリピート率の向上や売上増加にも貢献します。
コンタクトセンターは価値を生む場へ
従来、コールセンターは「コストセンター」として位置づけられていました。しかし、現在のコンタクトセンターは「プロフィットセンター(利益を生む部門)」としての役割が期待されています。
顧客は単なる問題解決だけでなく、企業とのスムーズで質の高いコミュニケーションに価値を見出すようになっています。たとえば、適切な提案や迅速なサポートを行うことで、顧客のロイヤルティを高め、企業の収益にもつながります。
企業のビジネス成長を加速
コンタクトセンターは、単なる問い合わせ対応窓口ではなく、企業の重要な情報資産です。顧客の声をリアルタイムで収集し、製品・サービスの改善やマーケティング戦略の精度向上に活用できます。
さらに、コンタクトセンターはアップセル・クロスセルの機会としても機能します。適切な対応を通じて顧客のニーズを把握し、最適な商品・サービスを提案することで売上向上につなげることが可能です。

コールセンターシステムの紹介
オンプレミス型とクラウド型
コンタクトセンターのシステムにはオンプレミス型とクラウド型2つの種類があります。どちらを選択するかは、企業のニーズや状況により異なります。まずはそれぞれの特徴を理解しておきましょう。
オンプレミス型
オンプレミス型とは、システムを企業の社内に設置し、自社のネットワーク上で運用する方式です。この方法では、企業がシステムを完全に制御できるため、セキュリティやプライバシー管理を強化しやすいというメリットがあります。また、企業の要件に応じたカスタマイズが可能であるため、業務に最適化したシステムを構築できます。
一方で、導入コストや運用コストが高くなりやすいこと、システムの保守やアップデートを自社で対応する必要があることがデメリットです。また、導入までに時間がかかることも考慮する必要があります。
クラウド型
クラウド型は、インターネットを通じてサードパーティのプロバイダーが提供するシステムを利用する方式です。インターネット環境があれば、場所を問わずシステムを利用できるのが大きな特徴です。
また、システムの運用・保守はプロバイダーが管理するため、企業側の負担が軽減され、導入コストを抑えやすいというメリットがあります。必要な機能を柔軟に追加・変更できる点も魅力です。
ただし、データのセキュリティやプライバシー管理はプロバイダーに依存するため、自社の基準に合ったサービスを選定することが重要です。
検討すべきシステム
次に、コンタクトセンターの運営には欠かせないシステムをご紹介します。
PBX
PBX(Private Branch Exchange)は、企業内の通話を管理するシステムです。社内の通話をルーティングし、外部の通話と内線を適切に制御する役割を担います。これにより、拠点間や部署間での通話転送や、外部からの着信管理が可能になります。
また、内線通話、通話の転送、保留、コールバックなどの機能があり、コールセンター業務を効率的に運用できます。
▼PBXに関する記事はこちら
「クラウドPBX主要ベンダー5社比較│システム概要・選定方法・各社の特徴を解説」
CTI
CTI(Computer Telephony Integration)は、CTIは、コールセンターの電話システムとPCを統合し、オペレーターが電話を受ける前に顧客情報を表示できるシステムです。電話・メール・チャットなど複数の顧客接点を一元管理できるため、対応のスピードと品質が向上します。
また、オペレーターが顧客対応をスムーズに行えるだけでなく、通話履歴の記録や分析にも活用できます。
▼CTIに関する記事はこちら
「コールセンターCTIとは│システム5選とメリット・導入ポイントを徹底解説」
CRM
CRM(Customer Relationship Management)は、CRMは、顧客情報を一元管理するシステムです。顧客のコール履歴、購買履歴、問い合わせ内容、嗜好データなどを蓄積し、マーケティングや営業活動に活用できます。
CRMを導入することで、顧客ごとの最適な提案が可能となり、カスタマーエクスペリエンスの向上やLTV(顧客生涯価値)の最大化に寄与します。
▼CRMに関する解説記事はこちら
「コンタクトセンターでCRMを効果的に活用する方法とは?導入から見直しまで解説」
ACD
ACDは、コールセンターにかかってきた電話を適切なオペレーターに自動振り分けするシステムです。ACDを活用することで、オペレーターの業務負担を軽減し、適切な担当者が迅速に対応できるようになります。
また、自動音声応答(IVR)、キューイング、転送、リアルタイム監視、レポート機能などを組み合わせることで、コールセンター業務の効率化が可能です。
FAQ
FAQ(Frequently Asked Questions)は、よくある質問への回答を事前に用意し、顧客が自己解決できる環境を整えるシステムです。これにより、24時間対応が可能となり、電話問い合わせの負荷を軽減できます。
また、適切なFAQの整備により、オペレーターの負担を減らし、対応品質の均一化や顧客満足度の向上にも貢献します。
▼FAQに関する記事はこちら
「コンタクトセンターFAQ5選│導入メリットや注意点・システム比較ポイントを解説」
IVR
IVR(Interactive Voice Response)は、顧客が電話をかけた際に、自動音声案内で操作方法をナビゲートし、適切な対応を提供するシステムです。オペレーターにつなぐ前に、顧客自身が簡単な手続きや情報確認を行うことができるため、コールセンターの負担軽減にも寄与します。
IVRの活用により、シンプルな問い合わせを自動対応し、オペレーターはより高度な対応に集中できる環境を整えることが可能です。
▼IVRに関する記事はこちら
「IVR(自動音声応答システム)とは│コールセンターでの活用方法を解説」
コンタクトセンター構築手順
本稿では、コンタクトセンターの構築に必要な準備と具体的な手順について解説します。

目的とゴールの設定
最初に、コンタクトセンターを構築する目的とゴールを明確にします。たとえば、以下のような目標が考えられます。
- 顧客満足度の向上(応対品質の改善・迅速な対応)
- 売上向上(アップセル・クロスセルの強化)
- 新規顧客の獲得(マーケティング施策との連携)
- 業務効率化(応答率の向上・オペレーターの生産性向上
コンタクトセンターの方向性と目標を明確にすることで、運営スタッフ全員が共通認識を持ち、一貫性のある運営が可能になります。
▼関連記事はこちら
「コールセンターのKGIとは│KPIとの違い・設定手順とポイントを解説」
現状把握と課題の特定
コンタクトセンターを構築する前に、現状の運営状況を把握し、課題を特定することが重要です。以下の観点から分析を行い、必要な改善点を洗い出しましょう。
- 運用プロセス: 問い合わせ対応の流れ、エスカレーションルール
- マネジメント: KPIの管理方法、評価基準
- 組織体制: オペレーター・SV(スーパーバイザー)の役割分担
- オペレーター管理: 教育制度、勤怠管理、評価制度
- システム: PBX、CRM、CTIなどの導入状況
現状の課題を把握することで、構築時に必要なシステムや運用フローを的確に設計できます。
コンタクトセンターの設計
課題を明確にしたら、運用プロセス、マネジメント、組織体制、人材育成の4つの観点から設計を進めていきます。
運用プロセス
業務の流れを整理し、オペレーターや管理者がどのように対応するかを明確にします。
【検討すべき項目】
- オペレーターの担当業務と対応範囲
- エスカレーションルール(SV・管理者への引き継ぎ)
- 定期報告の方法・頻度
- イレギュラー対応、緊急時の対応フロー
- センターの組織図、オペレーターの緊急連絡先管理など
マネジメント方針の決定
運用プロセスに応じた管理指標(KPI)を設定します。
【代表的なKPI】
- 受電件数(1日あたり・1時間あたり)
- 平均通話時間(ATT)
- 平均処理時間(AHT)
- 応答率・稼働率・顧客満足度
- オペレーターの定着率
組織体制の構築
マネジメントの枠組みが決まったら、適切な組織体制を整えます。
【主な役割】
- オペレーター: 一次対応を担当
- SV(スーパーバイザー): オペレーターの管理・指導
- 研修担当者: 新人教育・スキル向上の支援
- 品質管理担当: 応対品質のモニタリングと改善
人材育成の計画
組織体制の設計ができたら、管理者やオペレーターの育成スキームを設計します。
【必要な研修項目】
- 座学研修: 企業理解、製品・サービス知識、対応スクリプト
- システム研修: PBX・CTI・CRMの操作
- ロールプレイ研修: 実践形式の応対トレーニング
- 定期的な研修ː 製品・サービス情報アップデートの際の研修、オペレーターの知識理解を深めるための確認テスト等
▼関連記事はこちら
「コールセンター教育完全ガイド|オペレーター研修や重要ポイントを解説」

コンタクトセンターの構築
設計が完了したら、以下の要素を準備し、センターの立ち上げを進めます。
システムと設備
【検討すべきポイント】
- オンプレミス型 or クラウド型の選定
- 必要なシステム: PBX、CRM、CTI、ACD、IVR など
- 設備の準備: ヘッドセット、PC、デスク環境
運用フローの確立
オペレーター向けのマニュアルを整備し、スムーズな運営を支援します。
【必要なマニュアル例】
管理者用マニュアル:
- スタッフマネジメント
- 管理者用システム操作
- 管理者用FAQ
- スタッフ勤怠管理
業務マニュアル:
- 会社概要・製品やサービス基礎知識
- オリエンテーション資料
- 座学研修用資料(業務手順書、応対方法、システム操作、トークスクリプト)
- オペレーター用FAQ
- 継続研修資料
▼コールセンターマニュアル作成に関する記事はこちら
「【実践ガイド】完全解説!コールセンターマニュアル作成 – その重要性と手順」
人材採用
組織体制設計で決めたオペレーター人員数に対して、計画的に採用活動を行います。
「ここのセンターで働きたい」と思ってもらえるような魅力的なポイントを取り入れた求人票を作成しましょう。 人材採用を行う前に、必要人材の要件と選考方法を明確にしておきます。
必要人材の要件:
- コールセンター経験者、もしくは未経験者であること
- 基本的なPC操作ができること
- 電話対応において抵抗やストレスなく対応ができること
- コンプライアンス遵守ができること など
選考方法:
- 書類選考で見るべきポイント
- 面接時に見るべきポイントやヒアリング項目
- 面接時に実施するタイピングテストや筆記テストの用意
- 二次面接の有無 など
人材育成
オペレーターの早期離職を防ぎ、長期的な活躍を促すために、研修初日からフォローを徹底します。
- オリエンテーションの実施
- トレーニング: 座学・システム・ロールプレイ研修
- フォローアップ: 定期的な個別面談・追加研修
座学研修
製品やサービスの基礎研修、電話対応の流れや手順、電話応対のトーク練習、電話機やシステムの操作方法など基礎的なことから学びます。基礎を学んだら、次にイレギュラー対応などステップアップしていきます。
システム研修
実際に使用する電話機やコールセンターシステムを操作し、オペレーターに覚えてもらいます。顧客との対話履歴を残す方法や、受注受付方法など、未経験の方でもわかりやすいカリキュラムをこころがけましょう。
ロールプレイ研修
座学研修とシステム研修で学んだことの応用編になります。同期スタッフ、もしくはリーダーやSVとロールプレイを行います。新人スタッフはオペレーター役になって、トークフロー通り進めながら、同時にシステムの操作も練習します。十分に練習したうえで問題なければ、実際に顧客対応にチャレンジしていきます。その際、隣に管理者がついた状態にし、何かあった際にいつでもフォローができる体制にしておきます。
▼オペレーター育成に関する記事はこちら
「CS向上させるオペレーター育成法とは│具体的な研修内容やポイントについて解説」
まとめ
コンタクトセンターの構築には、多くの準備が必要です。 目的を明確にし、適切なシステム・運用フロー・人材育成を計画することで、安定した運営が可能になります。
「やるべきことが多すぎて、何から手をつければよいかわからない」「専門的な知識がなく、スムーズに構築できるか不安」という方は、ウィルオブ・ワークにご相談ください。
本記事が、コンタクトセンターの構築の一助となれば幸いです。
コンタクトセンターの構築はウィルオブ・ワークへ!
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