コールセンターのインバウンドとは?│業務内容と運営における問題点・解決策を解説

2024/10/08

コールセンターとは、顧客接点の場です。顧客がかかえる疑問を解決したり、ニーズに応えたり、業務内容によっては売上を生み出す企業にとって重要な役割を担う部門です。
本稿ではコールセンターにおける「インバウンド業務」に重きをおいて、解説していきます。

「インバウンド業務って具体的にどのようなものなのか」
「これからコールセンターを立ち上げるので分からない点を解消しておきたい」
「インバウンドコールセンターの課題を解決したい」

このような方向けの解説記事となっておりますので、ぜひ最後までご覧ください。

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コールセンターとは?コンタクトセンターとの違い

先に「コールセンターは顧客接点の場であり、顧客の課題解決とニーズに応える重要な部門である」とご説明しました。よく似た言葉で「コンタクトセンター」というものがあります。まずはそれぞれの特徴についてお話しましょう。

コールセンターとコンタクトセンターの違いは、主に対応するコミュニケーション手段にあります。
コールセンターは、お客様からの電話応対を専門とし、電話でのコミュニケーションに特化しています。一方、コンタクトセンターは電話だけでなく、メール、チャット、ソーシャルメディアなど、さまざまなコミュニケーション手段を活用してお客様にサポートを提供します。 どちらもしばしば、同じ意味で使われることが一般的です。

インバウンドとアウトバウンド

次に、コールセンターの業務内容について詳しく見ていきましょう。 コールセンターの業務は、インバウンド(受信業務)とアウトバウンド(発信業務)、大きく2つにわけることができます。

インバウンド(受信業務)とは

インバウンドは、お客様からの問い合わせに対応をする「受信業務」のことを指します。
例えば、商品についての質問やトラブル対応、商品の注文受付など、お客様からかかってきたお電話に対応し、顧客の要望に応じる形態のことです。お客様のニーズを正確に理解し、適切かつ効率的に対応することが求められます。インバウンド業務の内容は多岐にわたりますので、下記表にまとめてみました。

  主な業務内容

カスタマサポート業務

製品やサービスに関する問い合わせ対応、顧客からの要望やクレーム対応、登録情報の変更や各種手続き対応など

EC業務

通販受注業務、商品の返品交換対応、クレーム対応、商品の梱包発送対応(フルフィルメント)など

テクニカルサポート

社内・社外ヘルプデスク業務、ITやシステムに関する問い合わせ対応、情報システムに関する問い合わせ対応、PCや携帯電話などの操作案内・不具合に関する問い合わせ対応など

インバウンドセールス

企業が提供する製品やサービスの購入に関心を持つ顧客に対してアップセル、クロスセルを行う業務 効果的なコミュニケーションとセールス手法により、リード顧客から優良顧客にすることを目的とした部署

アウトバウンド(発信業務)とは

アウトバウンドは、企業やコールセンターからお客様への「発信業務」のことを指します。これには、営業電話やアンケート調査、プロモーションのための電話などが含まれます。主体的にお客様へアプローチし、商品やサービスを紹介するというものです。効果的なコミュニケーションスキルと、相手の反応に適切に対応する能力が必要となります。

  主な業務内容

営業アウトバウンド

テレアポ業務、顧客に対し製品やサービスの購入を目的とした架電業務

アポイントメント・スケジュール調整

すでに契約がとれている顧客に対して訪問日を調整したり、相談などのアポイントメントを取ったりするための発信業務(インターネットなどの工事日調整など)

市場調査

企業イメージや製品・サービスに関するアンケート調査、ならびに競合他社やその他 市場調査のための発信業務

アンケートとフィードバック

商品を購入した顧客に対して、商品やサービス、顧客体験、企業や担当者に対する満足度調査のための発信業務

代金回収

未払い請求書や請求書のフォローアップのための発信業務

コールセンター運営における問題点

コールセンターでは日々さまざまな問題が起こっています。教育体制が整っておらずオペレーターが早期離職してしまう、リーダーやSV(スーパーバイザー)などの管理者が育たない、顧客の入電に対応しきれずお待たせしてしまう、応対品質の低下、並びに顧客満足度の低下・・・等々。 コールセンターの現場で起きている問題点をピックアップしましたので、それぞれの解説を見ていきましょう。

オペレーターの離職

コールセンターの重要指標のひとつとしてオペレーターの「定着率」があります。お客様に良いサービスを提供するためにはオペレーターの存在が必要不可欠ですが、そのオペレーターがいなくなってしまっては、言うまでもなくコールセンターとして機能しません。 実際にはオペレーターの離職で困っている企業は多くあります。離職理由はさまざまですが、よくある原因は「業務の難易度が高い」「毎日ルーティンワークで成長実感がない」「職場環境(人間関係)・制度(賃金)」などです。

管理者が育たない

コールセンター運営のカギを握るSV(スーパーバイザー)を含む管理者のスキル不足に悩む担当者さまも多くいます。3-1の項目でオペレーターの離職理由についていくつかピックアップしましたが、中には「管理者によって言うことが違う」というオペレーターの不満の声もあります。
また、業務スキルはあるけれど、チーム全体を見る判断力やコミュニケーション能力が足りないといった問題もあります。日々の業務に追われ、なかなか管理者の教育や研修に手が回らないというセンターも多い現状です。

応答率低下

コールセンターの重要指標で応答率というものがあります。「応答率」は、「センターにかかってくる電話に対して、どれだけ対応ができているか」を表している指標です。コールセンター運営の基本は繋がることですが、繁忙期や繁忙時間帯に顧客からの問い合わせに対応しきれず、待ち呼*が発生してしまうときがあります。誰しも1度はコールセンターに電話したけどなかなか繋がらないという経験があるのではないでしょうか。応答率が悪化すると、顧客満足度の低下や機会損失につながる恐れ、また、長時間待った顧客からのクレームによるオペレーターの精神的ダメージなども考えられます。 *待ち呼とは:顧客からの入電にオペレーターの対応が追い付かず、お待たせしている状態のこと

業務効率の低下

コールセンターの運営をする中で、人材採用や研修・教育・フォローの実施、品質管理や顧客ニーズへの対応など、対応すべきことが非常に多くあります。本来コールセンターが目指すべき姿に向けて最短でたどり着けるようにしたいのはどのセンターも望んでいることですが、先に述べたようにオペレーターが定着しない問題があったり、応答率の低下によるクレーム対応や付随する業務が発生してしまったりと、なかなかスムーズに運営できるケースは少ないと思います。 業務効率を向上させることができれば生産性向上につながり、かつては「コストセンター」と呼ばれていたコールセンターでも売り上げを生み出すプロフィットセンターを目指すことが可能になります。

課題を解決する方法

それでは、コールセンターの問題を解決する手段や方法について解説していきます。

教育体制強化

オペレーターの応対スキル向上は、優れた顧客対応を提供するための鍵となります。教育体制を構築することで、新しい情報のインプットや、オペレーターのスキル向上を目指すことができます。
継続的なオペレーター教育は、コミュニケーション能力や問題解決能力を向上させ、業務の変化に対応できる柔軟性を養うことが可能となります。

▼オペレーターについて解説している記事はこちら
CS向上させるオペレーター育成法とは│具体的な研修内容やポイントについて解説

また、オペレーターの教育だけではありません。コールセンター運営の成功のカギを握るのはSV(スーパーバイザー)です。優れた管理者がいるチームはオペレーターの応対品質や出勤率が高く、顧客満足度もそれに比例して高い傾向があります。

▼SV育成について解説している記事はこちら
コールセンターSVの必要スキルとは│効果的な教育方法についてポイントを解説

職場環境整備・制度の見直し

オペレーターの離職理由に「人間関係」や「制度(賃金)」も含まれることは先ほどの章3-1で簡単にご説明しました。

人間関係でいうと、管理者と合わないケースや同僚と合わないケースなどさまざまです。この問題に対してはチーム編成をする、もしくはオペレーターと普段コミュニケーションをとらない別の管理者との1on1面談の実施をする等、対応できることはあります。お客様からの電話対応だけでも疲弊してしまう業務ですから、オペレーターが「働きやすい!」といえる職場環境をつくる努力をしていきましょう。

制度(賃金)については、業務内容に対して支払われている賃金が割に合わないと感じるといった意見もありますし、評価制度が曖昧で将来に不安を感じるというケースもあります。 評価制度に関する周知や、評価見直し期間ではオペレーターとの面談、並びにフィードバックはぜひ蔑ろにせず行いましょう。

システム導入

効果的なシステムの導入は、コスト削減や業務の効率向上に貢献します。最新のコールセンターソフトウェアやCRM(顧客関係管理)ツールを活用し、自動化されたプロセスやデータ分析を導入します。これにより、問題迅速な対応やスムーズな業務フローを実現し、オペレーターがより効果的に業務に集中できるようサポートします。 また、FAQシステムを充実させることで、お客様の自己解決率を高めることで、応答率改善につながる可能性も高くなります。

▼システムについて解説している記事はこちら
コールセンターシステムとは?メリット・デメリットや種類と導入ポイントを解説!
コンタクトセンターFAQ5選│導入メリットや注意点・システム比較ポイントを解説 
話題のChatGPTについて解説!ChatGPTによってコンタクトセンターはどのように変化する?

コールセンターサービスの利用

外部のコールセンターサービスを活用することも、課題解決に効果的です。特に人材や設備の管理に問題を抱えている場合、専門のコールセンターサービスを利用することで、迅速なコールセンター構築と、品質の高いサービスを受けることができます。これにより、企業はコア業務に集中することが可能になりサービスの品質向上を図ることができます。

▼コールセンター代行サービスに関する記事はこちら
【2024年最新】コールセンター代行10社|メリットとデメリット・代行会社選定ポイントを解説

これらのアプローチを組み合わせることで、継続的な改善を進めることができます。コールセンターが直面する課題に効果的に対処できることでしょう。

まとめ

本稿では、コールセンターのインバウンド業務とは具体的にどのような業務内容なのか、またコールセンター運営における問題点、ならびに解決策について解説しました。

コールセンター運営をする中でお悩みは尽きないことかと思います。

コールセンターが目指すべき「ありたい姿」は何なのか、それに対して現状起こっている問題点、取り組むべき課題、適切な解決方法など、ぜひ一度考慮する時間をとられてみてください。
本稿がコールセンター運営をされているご担当者様、これからコールセンターを構築されるご担当者様にとってもお役に立てる記事になれば幸いです。 コールセンターの運営支援実績25年以上のウィルオブ・ワークは、お客様のコールセンター運営に関するご相談をいつでもお受けしています。まずはお気軽にご相談ください。

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Writer編集者情報

  • コネナビ編集部 平井 美穂

    2012年、株式会社セントメディア(現:株式会社ウィルオブ・ワーク)へ入社し、コールセンターとオフィスワークに特化した人材サービスの事業部へ配属。フィールドサポータや営業コーディネータ、キャリアアドバイザー、新規営業、人材紹介(転職支援)などを経験。
    2020年 人材紹介にて自己最高売上を記録、時短勤務×妊娠中での実績が評価され全社月間MVPにノミネート。現在5歳と2歳を育てるパワフルワーママ!

    ・趣味:断捨離、森林浴、岩盤浴
    ・特技:細かい事に気が付く点

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