コンタクトセンター構築の手順│必要なシステムや立ち上げのポイントを解説
2024/10/08
- システム導入
- 生産性向上
コンタクトセンターは、企業と顧客が接点を持つことができる大切な場所です。
近年その重要性はますます高まっており、これからコンタクトセンターを構築する企業ご担当者様も多くいらっしゃいます。
「コンタクトセンターを構築したい」
「コンタクトセンターを立ち上げたいが、手順がわからない」
「コンタクトセンターを構築する際に必要なシステムを教えてほしい」
このようなお悩みを抱えるご担当者様に向けてわかりやすく、コンタクトセンター運営に必要なシステムのご紹介と、コンタクトセンターの構築手順について解説していきます。
コンタクトセンターの構築はウィルオブ・ワークへ!
「コンタクトセンターの構築をしたいが、どのようにすればいいか分からない」「自社でカスタマーサポート運営を行うことに不安を感じている」とお悩みのご担当者様、まずはお気軽にウィルオブ・ワークにご相談ください。コンタクトセンター業務支援実績25年以上、培ったノウハウで企業の課題に合った最適なサービスのご提案をさせていただきます。下記より弊社の詳しい情報をご確認いただけます。
コンタクトセンターの必要性
コンタクトセンターとは、WEBやメール、SNS、チャット、FAX、電話など、あらゆる問い合わせチャネルに対応できるセンターを総称したものです。 そんなコンタクトセンターはなぜ構築する必要性があるのか、さっそく目的や必要性を理解した上で記事を見ていきましょう。
多様化する問い合わせに対応
インターネットやスマートフォン、SNSの普及により、企業は多様な問い合わせチャネルを用意する必要があります。課題を解決したいと思っている顧客の問い合わせ手段やニーズはさまざまです。
それらに適した対応をとることで、顧客課題の解決と顧客満足度向上が期待できます。さらには企業のブランドイメージ向上と売り上げ向上も期待できます。
顧客とのコミュニケーションに価値を提供
すこし前までは、コールセンターはコストセンターと呼ばれていました。しかし今ではコンタクトセンター=プロフィットセンター、つまり新たな価値を提供する場と言われています。
時代の変化とともに顧客が求めるものにも変化が生じており、顧客は企業に対してコミュニケーションの価値を求めています。
企業のビジネス成長を加速
コンタクトセンターは企業にとっても貴重な情報源となります。顧客の声を直接聞くことができるので、それを元にビジネスプロセスや製品の改善を行うことができます。企業は より効率的かつ効果的なビジネス戦略を立てることができます。
また、コンタクトセンターは販売促進やマーケティング活動にも活用でき、企業の収益成長につなげることが可能になります。
システムの紹介
オンプレミス型とクラウド型
コンタクトセンターのシステムにはオンプレミス型とクラウド型2つの形態のものが存在します。どちらにするかは企業のニーズや状況により異なります。まずはそれぞれの特徴を理解しておきましょう。
オンプレミス型
オンプレミス型は企業内にシステムを設置する方法です。自社のネットワークに接続するので企業が完全な制御を持ち、セキュリティやプライバシーを強固に管理できます。企業側でシステムの保守やアップデートを行うことができますが、運用コストが高くなる場合があります。
また、設計や開発に関してはカスタマイズが可能ではありますが、その反面構築までに時間がかかることがデメリットです。
クラウド型
一方でクラウド型は、企業がインターネット経由でサードパーティのプロバイダーが提供するシステムを利用する方法です。クラウド型は、企業がシステムにアクセスするためのインターネット接続さえあれば、どこからでも利用できる点がメリットです。システムの運用や保守については、プロバイダーが責任を持つため、導入時のコストを抑えることができます。
また、必要な機能を追加したり変更したりすることが可能ですが、セキュリティやプライバシーの問題については、プロバイダーに依存することになります。
検討すべきシステム
次に、コンタクトセンターの運営には欠かせないシステムのご紹介です。
PBX
PBX(Private Branch Exchange)は企業内での通話のルーティングや管理を担当するシステムです。電話交換機とも呼ばれています。社内での通話を制御するために使用されるもので、企業内の複数の拠点や部署の間で通話を転送したり、外部からの通話を受け付けたりすることができます。また、内線電話や外線電話の管理、通話の転送、保留、コールバックなどの機能があります。
▼PBXに関する記事はこちら
「クラウドPBX主要ベンダー5社比較│システム概要・選定方法・各社の特徴を解説」
CTI
CTI(Computer Telephony Integration)はコールセンターシステムと電話機を繋ぎ、オペレーターが電話を受ける前に、顧客の情報を表示することができます。電話やメール、チャットなどの顧客とのコミュニケーションを一元管理するシステムのため、顧客情報をオペレーターが素早く確認でき、スムーズな対応を行うことができます。
▼CTIに関する記事はこちら
「コールセンターCTIとは│システム5選とメリット・導入ポイントを徹底解説」
CRM
CRM(Customer Relationship Management)は顧客情報管理システムのことです。顧客情報や顧客からのコール履歴、顧客傾向、販売の機会などを一元管理することが可能です。さまざまなデータを収集し、企業のマーケティングやビジネス戦略に活用することができます。
▼CRMに関する解説記事はこちら
「コンタクトセンターでCRMを効果的に活用する方法とは?導入から見直しまで解説」
ACD
ACD(Automatic Call Distribution)とは、コールセンターに着信した電話を自動的に受け付け、適切なオペレーターに転送するためのシステムです。ACDシステムは、コールのルーティング、自動音声応答(IVR)、キューイング、転送、監視、レポートなどの機能があります。
FAQ
FAQ(Frequently Asked Questions)はよくある質問に対して回答を用意したものです。製品やサービスの使用方法、料金や支払い方法、返品や交換に関する規定など、様々なトピックが含まれます。 FAQは、24時間対応が可能で、電話がつながらないといったストレスがなくなり、顧客が知りたいときに問題解決できるシステムであるため、顧客満足度向上が期待できます。また企業側にとっても、FAQを提供することで、コンタクトセンターやオペレーターの負荷を軽減することができます。
▼FAQに関する記事はこちら
「コンタクトセンターFAQ5選│導入メリットや注意点・システム比較ポイントを解説」
IVR
IVR(Interactive Voice Response)は音声自動応答システムのことです。顧客が電話をかけた際に、自動音声案内で操作方法を案内し電話を繋いだり、自動応答で顧客の問い合わせに対応したりするものです。
▼IVRに関する記事はこちら
「IVR(自動音声応答システム)とは│コールセンターでの活用方法を解説」
コンタクトセンター構築手順
それでは、コンタクトセンター構築前の必要な準備と、構築手順について説明していきます。
目的とゴール設定
まず目的とゴールを明確にします。「顧客満足度を高めたい」「売り上げを上げたい」「新規顧客を獲得したい」といったゴールKGI(Key Goal Indicator)を設定します。コンタクトセンターの方針とゴールを明確にすることで、オペレーターや管理者、みんなが同じ方向を向くことができるのでブレないコンタクトセンターを作ることができます。
現状把握・課題選定
次に現状把握と課題選定です。下記の流れで現状を把握すると、問題点を洗い出すことができます。
- 運用プロセス
- マネジメント
- 組織体制
- オペレーター管理
- システム
問題点が洗い出されると、取り組むべき課題が見えてくるので、コンタクトセンター構築時に役立ちます。
コンタクトセンター設計
次にコンタクトセンターの設計をしていきます。運用プロセス、マネジメント、組織体制、人材育成、それぞれ4つの項目を見ていきましょう。
運用プロセス
まず、コールセンター運営に起こりうる事態を想定し、実際にどのような業務を誰がどのように対応するのかを明確にします。
(例)
- オペレーターが担当する業務内容
- SVへのエスカレーション方法
- SVが対応する業務内容
- 定期報告内容や報告方法の決定
- イレギュラー発生時の対応方法
- 緊急事態発生時の運用方法
- センター全体の体制や組織図、オペレーターの緊急連絡先管理など
- マネジメント
さきほど洗い出した運用プロセスに対して必要な管理項目を出し、どのような指標をおいてマネジメントするのか決定します。 センター運営で管理すべきKPIとしては下記のような項目があげられます。
- 1日あたりの受電件数
- CPH(1時間あたりの受電件数)
- ATT(平均通話時間)
- AHT(平均処理時間)
- 応答率
- 稼働率
- 応対品質
- 新規獲得件数
- 顧客満足度 ・オペレーター定着率 など
組織体制
マネジメント項目や指標が決まったら、だれがどのように管理するのか組織体制を設計します。 センター運営に必要な人員数や職務・役割の決定、組織図も明確にしておきましょう。
(例)
- 必要なオペレーター数
- 必要な管理者(SV)数
- 研修担当者や品質担当者の配置など
人材育成
組織体制の設計ができたら、管理者やオペレーターの育成スキームを設計します。 企業が取り扱うサービスや製品、業務の難易度によって異なりますが、センター運営のゴールに向かって取り組むためにはどのような研修や育成のとりくみが必要か洗い出してみましょう。
コンタクトセンター構築
いよいよコンタクトセンターの構築です。 システムと設備、運用フロー、人材採用、人材育成の4つに分けて説明していきます。
システムと設備
コンタクトセンターを運営するためには、まず設備が必要です。
企業の中で運営するのか、それともセンターを構えて運営するのか、企業のビジネス成長に合わせ柔軟に拡張が出来るのか、オペレーターが通勤しやすい立地であるか等も想定しなければいけません。 システムについても選定していきます。「検討すべきシステム」の章でそれぞれのシステムについて説明をしていますので、電話機やヘッドセットなどの備品とあわせて検討してください。
運用フロー
オペレーターを採用してから顧客対応にいたるまでを想定し、必要な研修資料などを作成し揃えていきます。 以下は管理者用・オペレーター用のマニュアル一例です。
管理者用マニュアル:
- スタッフマネジメント
- 管理者用システム操作
- 管理者用FAQ
- スタッフ勤怠管理
業務マニュアル:
- 会社概要・製品やサービス基礎知識
- オリエンテーション資料
- 座学研修用資料(業務手順書、応対方法、システム操作、トークスクリプト)
- オペレーター用FAQ
- 継続研修資料
▼コールセンターマニュアル作成に関する記事はこちら
「【実践ガイド】完全解説!コールセンターマニュアル作成 – その重要性と手順」
人材採用
いよいよオペレーターの採用です。組織体制設計で決めたオペレーター人員数に対して計画的に採用活動を行います。
現代においては、どの業界も人材不足は課題なので「ここのセンターで働きたい」と思ってもらえるような魅力的なポイントをつくること、そして企業の魅力的なポイントが伝わる求人票作成に力を入れましょう。 人材採用を行う前に、必要人材の要件と選考方法を明確にしておきます。
必要人材の要件:
- コールセンター経験者、もしくは未経験者であること
- 基本的なPC操作ができること
- 電話対応において抵抗やストレスなく対応ができること
- コンプライアンス遵守ができること など
選考方法:
- 書類選考で見るべきポイント
- 面接時に見るべきポイントやヒアリング項目
- 面接時に実施するタイピングテストや筆記テストの用意
- 二次面接の有無 など
人材育成
オペレーターの採用が成功したら、次に人材育成です。
大切なオペレーターが早期離職せず定着してもらえるようにするためには、研修初日からの取り組みがキーになってきます。オペレーター受け入れ初日はオリエンテーションを実施し、社員や同期のオペレーターとコミュニケーションが取れる環境づくりを心がけましょう。
次に、コンタクトセンターの一般的な研修内容について説明します。
座学研修
製品やサービスの基礎研修、電話対応の流れや手順、電話応対のトーク練習、電話機やシステムの操作方法など基礎的なことから学びます。基礎を学んだら、次にイレギュラー対応などステップアップしていきます。
システム研修
実際に使用する電話機やコールセンターシステムを操作し、オペレーターに覚えてもらいます。お客様との対話履歴を残す方法や、受注受付方法など、未経験の方でもわかりやすいカリキュラムをこころがけましょう。
ロールプレイ研修
座学研修とシステム研修で学んだことの応用編になります。
同期スタッフ、もしくはリーダーやSVとロールプレイを行います。新人スタッフはオペレーター役になって、トークフロー通り進めながら、同時にシステムの操作も練習します。
十分に練習したうえで問題なければ、実際にお客様の対応にチャレンジしていきます。
その際、隣に管理者がついた状態にし、何かあった際にいつでもフォローができる体制にしておきます。
▼オペレーター育成に関する記事はこちら
「CS向上させるオペレーター育成法とは│具体的な研修内容やポイントについて解説」
まとめ
コンタクトセンターの構築となると、取り組まなければいけないことがたくさんあり、苦労が絶えないかと思います。
「記事を読んでもよくわからない」「やるべきことが想像以上に多くて混乱している」「どこから手を付けていくか悩んでいる」とお悩みをお持ちでしたら、ウィルオブ・ワークにお任せください。
お客様のかかえる課題に対してカスタマイズのご提案が可能です。まずはお気軽にご相談ください。
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