【企業向け】コールセンターのインバウンド業務とは│概要・センター運営の問題点・解決策を解説
2025/06/04
- アウトソーシング
- 品質向上

コールセンターとは、顧客接点の場です。顧客がかかえる疑問を解決したり、ニーズに応えたり、業務内容によっては売上を生み出す企業にとって重要な役割を担う部門です。
本稿ではコールセンターにおける「インバウンド業務」に重きをおいて、解説していきます。
「インバウンド業務って具体的にどのようなものなのか」
「これからコールセンターを立ち上げるので分からない点を解消しておきたい」
「インバウンドコールセンターの課題を解決したい」
このような方向けの解説記事となっておりますので、ぜひ最後までご覧ください。
▼コールセンターのアウトバウンドについて知りたい方はこちら▼
「コールセンターのアウトバウンドとは?業務内容・重要KPI・成功のポイントを解説」
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コールセンターとは?コンタクトセンターとの違い
冒頭でご紹介したとおり、「コールセンターは顧客接点の場であり、顧客の課題解決とニーズに応える重要な部門」です。
このコールセンターとよく似た言葉に「コンタクトセンター」があります。両者の違いを明確にするために、それぞれの特徴について整理しておきましょう。
コールセンターとコンタクトセンターの違いは、主に対応するコミュニケーション手段にあります。
コールセンターは、お客様からの電話応対を専門とし、電話でのコミュニケーションに特化しています。一方、コンタクトセンターは電話だけでなく、メール、チャット、ソーシャルメディアなど、さまざまなコミュニケーション手段を活用してお客様にサポートを提供します。
近年では、多様な顧客接点に対応するためにコンタクトセンターへのシフトが進んでおり、両者の境界が曖昧になりつつあるため、日常会話やビジネスシーンでは同義として使われることも少なくありません。
インバウンドとアウトバウンド
コールセンターの業務は、大きく 「インバウンド(受信業務)」 と 「アウトバウンド(発信業務)」 の2つに分けられます。
インバウンド(受信業務)とは
インバウンドとは、お客様からの問い合わせや依頼に対応する「受信業務」のことを指します。
例えば、商品に関する質問への回答、トラブルや不具合への対応、注文の受付など、顧客からかかってきた電話に対して応対する業務全般が該当します。
顧客のニーズを正確に把握し、丁寧かつ迅速に対応するスキルが求められるのが特徴です。
なお、インバウンド業務の具体的な内容は多岐にわたるため、代表的な例を以下の表にまとめました。
主な業務内容 | |
カスタマサポート業務 |
製品やサービスに関する問い合わせ対応、顧客からの要望やクレーム対応、登録情報の変更や各種手続き対応など |
EC業務 |
通販受注業務、商品の返品交換対応、クレーム対応、商品の梱包発送対応(フルフィルメント)など |
テクニカルサポート |
社内・社外ヘルプデスク業務、ITやシステムに関する問い合わせ対応、情報システムに関する問い合わせ対応、PCや携帯電話などの操作案内・不具合に関する問い合わせ対応など |
インバウンドセールス |
企業が提供する製品やサービスの購入に関心を持つ顧客に対してアップセル、クロスセルを行う業務 ※効果的なコミュニケーションとセールス手法により、リード顧客から優良顧客にすることを目的とした部署 |
アウトバウンド(発信業務)とは
アウトバウンドとは、企業やコールセンターからお客様に対して能動的に連絡を取る「発信業務」のことを指します。具体的には、営業の電話、アンケート調査、キャンペーンやプロモーションの案内などが該当します。
商品やサービスを紹介したり、情報提供を行ったりと、お客様に対して積極的にアプローチする業務であり、その性質上、高いコミュニケーション能力と相手の反応に柔軟に対応できる力が求められます。
主な業務内容 | |
営業アウトバウンド |
テレアポ業務、顧客に対し製品やサービスの購入を目的とした架電業務 |
アポイントメント・スケジュール調整 |
すでに契約がとれている顧客に対して訪問日を調整したり、相談などのアポイントメントを取ったりするための発信業務(インターネットなどの工事日調整など) |
市場調査 |
企業イメージや製品・サービスに関するアンケート調査、ならびに競合他社やその他 市場調査のための発信業務 |
アンケートとフィードバック |
商品を購入した顧客に対して、商品やサービス、顧客体験、企業や担当者に対する満足度調査のための発信業務 |
代金回収 |
未払い請求書や請求書のフォローアップのための発信業務 |
コールセンター運営における問題点
コールセンターでは日々多くの課題が発生しています。
本章では、特に多くの現場で共通する代表的な問題点を4つピックアップし、それぞれの背景や影響について解説します。
オペレーターの離職が多い
コールセンターにおいて、オペレーターの「定着率」は非常に重要な指標です。安定した顧客対応を維持するためには、オペレーターの存在が必要不可欠ですが、実際には離職に悩むセンターが後を絶ちません。
主な離職理由には以下のようなものがあります。
- 業務の難易度が高い(クレーム対応などの精神的負荷)
- 単調なルーティンワークで成長実感が持てない
- 職場環境や人間関係への不満
- 賃金や制度面への不満
離職率の高さは採用・教育コストの増加や、応対品質の不安定化につながるため、早急な対策が求められます。
管理者(SV)が育たない
コールセンター運営の要となるのが、SV(スーパーバイザー)をはじめとした管理者層の育成です。
オペレーターの離職理由の一つとして「管理者によって言うことが違う」という声も多く、指示のばらつきや判断の不一致が現場の混乱を招くことがあります。また、業務スキルはあるものの、チームをまとめるマネジメント力やコミュニケーション能力が不足しているケースも少なくありません。
日々の業務に追われ、研修や育成に手が回らないという課題を抱えるセンターも多く存在します。
応答率の低下
コールセンターの基本は「つながること」です。中でも「応答率」は、かかってきた電話にどれだけ対応できたかを示す重要なKPIです。
繁忙期や特定の時間帯には、入電に対応しきれず「待ち呼」が発生することがあります。誰もが一度は「コールセンターに電話しても全然つながらない」と感じたことがあるのではないでしょうか。
応答率が低下すると、次のような問題を引き起こします。
- 顧客満足度の低下
- 問い合わせ機会の損失
- 長時間待たされた顧客からのクレーム増加
- オペレーターの精神的ストレスの増大
※「待ち呼」とは:入電に対し、オペレーターが対応できず顧客を待たせている状態
業務効率の低下
コールセンター業務は、人材採用から研修・教育、品質管理、顧客対応まで多岐にわたります。オペレーターの離職や応答率の低下によるクレーム対応などが重なり、本来注力すべき改善活動や戦略的業務にまで手が回らないというのが実情です。
しかし、業務効率を改善することで以下のような効果が期待できます。
- オペレーター1人あたりの生産性向上
- 顧客対応のスピード・質の向上
- センター全体の負荷軽減
かつては「コストセンター」と位置づけられていたコールセンターも、効率化により“利益を生み出す部門”=プロフィットセンターへと進化する可能性を秘めています。
▼プロフィットセンターに関する記事はこちら
「コストセンターからプロフィットセンターへ│メリットと実践ステップを徹底解説」

コールセンター運営課題を解決する方法
ここからは、コールセンターでよく挙げられる課題を解決するための具体的な手段についてご紹介します。
教育・育成体制の強化
オペレーターの対応力を高めることは、顧客満足度の向上に直結します。継続的な教育を行うことで、最新情報のインプットや応対スキルの向上が図れ、状況変化にも柔軟に対応できるようになります。
また、コミュニケーション能力や問題解決力の向上は、クレーム対応など難易度の高い業務にも効果的です。
さらに、オペレーターだけでなく、SV(スーパーバイザー)など管理者層の育成も欠かせません。優れた管理者がいるチームは、応対品質や出勤率が高く、結果として顧客満足度の向上にもつながります。
▼関連記事はこちら
「CS向上させるオペレーター育成法とは│具体的な研修内容やポイントについて解説」
「コールセンターSVの必要スキルとは│効果的な教育方法についてポイントを解説」
職場環境整備・制度の見直し
オペレーターの離職理由としてよく挙げられるのが、「人間関係」と「制度(賃金や評価制度)」に対する不満です。
例えば、管理者との相性や同僚とのトラブルといった人間関係の問題には、チーム再編や定期的な1on1面談などが有効です。精神的に負担の大きい業務だからこそ、「働きやすさ」を実感できる環境づくりが重要になります。
また、賃金や評価制度に対する不安も見逃せません。評価制度が曖昧だと、将来への不安やモチベーションの低下を招きます。制度の見直しや評価フィードバックの丁寧な実施が、定着率向上のカギとなります。
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「リテンションとは?コンタクトセンターにおけるメリットや効果的な人事施策を解説」
「アクティブリスニングとは?コールセンターで期待できる効果や具体的な手法を解説」
「ノンバーバルコミュニケーションとは?意味や活用シーン、コールセンターで期待できる効果を解説」
システム導入
最新のコールセンターシステムやCRM(顧客管理)ツールの導入は、業務効率の向上やコスト削減に大きく貢献します。
たとえば、業務の一部を自動化したり、データ分析を活用して問題の早期発見・対応が可能になります。
また、FAQシステムの充実により顧客の自己解決率が向上し、入電数の抑制や応答率の改善も期待できます。
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「コールセンターシステムとは?メリット・デメリットや種類と導入ポイントを解説!」
「コールセンター業務の自動化を成功させるには?4つの手法と導入時の注意点を解説」
「コンタクトセンターFAQ5選│導入メリットや注意点・システム比較ポイントを解説 」
コールセンターサービスの利用
人材確保や設備運営に課題を抱えている場合は、外部のコールセンターサービスの活用も有効です。
専門会社に業務を委託することで、短期間でのセンター構築や品質の高い対応が実現でき、自社は本来注力すべきコア業務に集中できます。
▼関連記事はこちら
「【最新】コールセンター代行10社|メリットとデメリット・代行会社選定ポイントを解説」
コールセンターインバウンドのまとめ
本稿では、コールセンターにおけるインバウンド(受信)業務の具体的な内容から、現場で起こりがちな課題、それに対する解決策までを解説しました。
コールセンターを運営するうえで、日々の悩みや課題は尽きないものです。
だからこそ、「自社が目指すべきコールセンターの姿とは何か」を明確にし、現状とのギャップを把握したうえで、優先順位をつけた課題解決が求められます。
本記事が、現在コールセンターを運営されている方はもちろん、これから立ち上げを検討しているご担当者様にとっても、少しでもヒントとなれば幸いです。
よりよい顧客対応の実現に向けて、一歩ずつ改善を重ねていきましょう。
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