【2024年最新】RPAツール徹底比較9選!選定ポイントや導入効果・各ツールの特徴を解説

2024/09/25

業務効率化や人件費削減を目的としてさまざまな業界・業種で導入されているのがRPAです。矢野経済研究所「RPA市場に関する調査(2020年)」によると、RPAの市場規模は2023年度に約1,520億円の市場になると言われています。さまざまな導入効果が期待できるRPAですが、自社が解決したい課題やリソースを加味した上でサービスを導入しないと、うまく活用できません。

本記事では、RPAの概要から主な機能、メリット、自社に合ったツールを選定するためのポイントや主なRPAツールの比較について解説します。

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RPAとは

RPAとは「Robotic Process Automation (ロボティック・プロセス・オートメーション)」の頭文字を取った略称で、定型業務などをロボットで自動化することを指します。

RPAを導入し業務の工程を記憶させることにより、今まで人間が手動でおこなっていた作業をロボットがおこなうため残業削減にも繋がりますし、朝一番に欲しいレポートをロボットが作っておくようにセットすれば業務効率の改善にも繋がります。

RPAの種類

RPAには「デスクトップ型」「サーバー型」の2種類があります。

デスクトップ型はRDA(Robotic Desktop Automation /ロボティック・デスクトップ・オートメーション)」とも呼ばれており、PCに直接インストールしロボットを稼働させることを指します。

サーバーに接続しなくても簡単に作業することができますが、ロボットの稼働にPCのメモリが専有され他の作業ができなくなる可能性がある、というデメリットがあります。

一方 サーバー型は、サーバーをPCに接続してロボットを稼働させることを指します。

サーバー上で複数のロボットを管理することができたり、ロボットが稼働している際にもPCのメモリが専有されず他の作業をすることができますが、サーバーやネットワーク環境から構築する必要があるため導入ハードルが高い、というデメリットがあります。

RPAの提供形態

RPAには「オンプレミス型」「クラウド型」の2形態があります。

オンプレミス型は自社PCやサーバーにRPAをインストールして稼働させるRPAで、「デスクトップ型」「サーバー型」はオンプレミス型にあたります。

一方クラウド型は「SaaS型」とも呼ばれており、クラウド環境のSaaS(ソフトウェアサービス)を使用して、ウェブブラウザ上でロボットを稼働させます。

RPAにできる仕事

RPAは決まった業務をインプットして作業するため、事務作業などのルール化されている定型業務やPCのみで完結する作業を得意とします。例えば、企業の総務や経理など、必ず定型業務が発生する職種で導入されやすいサービスとなっています。

RPAの機能

RPAではさまざまな作業を自動化できますが、具体的な機能を「処理設計」「自動処理の設定」「ロボット管理」の3つに分類して解説します。

処理設計

ロボットが自動実行するためのシナリオをプログラミングすること無くフロー図で作成できる機能や、キーボードの入力規則や画面の操作を記憶する機能、プログラミング言語を使用してロボットが実行する処理を設定できる機能などが「処理設計」機能です。

また画面上に表示された文字列や色を読み取り、必要な情報を取り込む機能も処理設計機能にあたります。

自動処理の設定

前もって登録したスケジュールや、「メール受信」など設定したトリガーに則って処理を実行する機能や、手順が決まっているフローを実行する機能が「自動処理の設定」機能です。

自動処理の設定機能では、AIを搭載することでロボットを機械学習させ、より高速な作業ができるようにすることも可能です。

ロボット管理

一度に複数のロボットを制御する機能や、ロボットが稼働したログの管理をする機能が「ロボット管理」機能です。

RPAの導入効果・メリット

RPAを導入し定型作業を自動化することによって、下記のような導入効果・メリットがあります。

業務効率アップ

RPAは24時間365日いつでも作業することができ、また人間だと時間がかかる作業を高速で終了させることもできますので、業務効率がアップします。また、今までは膨大な作業時間によって発生していた残業がゼロになった事例もあります。

作業ミス発生防止

定型業務の場合であっても、人間が作業をしているとどうしてもミスは避けられません。しかし、RPAを導入することによって計算ミスや誤字・脱字などの作業ミスをゼロにすることができます。

人件費などコスト削減

RPAを導入することにより、求人を出し新たに人材を採用するコストや、教育・研修にかけるコストを削減することができます。

RPA導入のメリットについては以下の記事でも詳しく解説しています。
RPAの導入メリット5つを徹底解説!RPAの種類や導入時の注意点、対策方法も紹介

RPAはこんな業務におすすめ

主に事務作業系の業務は、RPAを導入することで作業を効率化することができます。具体的には、以下のような業務のことを指します。

  • 数字や文字などのデータ入力
  • 添付ファイルの保存
  • 自動でメール配信
  • 受発注処理
  • 顧客情報の照会
  • データ加工・集計
  • レポート自動作成

RPAツールとEXCELマクロの違い

「単純作業をインプットし自動化させる」という点では、EXCELのマクロでも対応可能です。

しかし、EXCELのマクロの場合はMicrosoft社のマクロのみにしか対応していないため、Macなどには非対応であるというデメリットがありますが、RPAはほとんどすべてのアプリケーションが対象となります。

また、EXCELのマクロを使用する場合はVBA(Visual Basic for Applications)というプログラミング言語を理解していないと高度な作業手順を自動化することができませんが、RPAツールを導入するとウェブブラウザ画面上の操作のように直感で理解できるような簡単な作業で自動化することが可能です。

RPAの導入方法

RPAを導入する際は、導入することによって解決したいことを社内で明確にした上で、自動化したい業務のプロセスを細かく洗い出します。

RPAの導入について社内で共通認識を持っておかないと、部門間やシステム間でエラーが発生してしまうことがあるため注意しましょう。また、導入するツールを選定する際には、そのツールで本当に課題が解決されるのかを見極めるために、まずはテスト導入から検討しましょう。

そして、自動化したい業務プロセスを細かく洗い出してルール化するだけでなく、予め発生する可能性があるエラーやトラブルに対する対応方法も決めておく必要があります。

RPA導入前に確認すべきこと

RPAを導入する前に、まずは自社内で誰が(どの部門が)RPAを管理するのかをしっかりと確認しておきましょう。RPAの管理者が不在になってしまうとRPAが無駄に働き続けてしまったり、修正しようにも方法がわからない、などのトラブルにつながってしまいます。

また、すでに導入しているアプリケーションやシステムとの連携が可能かどうかも確認する必要があります。そして、RPAツールを導入を検討している企業に サポート体制が整っているのかどうかも確認しておかないと、トラブルへの対応が遅れて失敗してしまうことがありますので注意してください。

RPA導入時のROI・費用対効果の算出方法

RPAを導入する際は、経営判断として費用対効果に見合うのかどうかを確認することも重要です。

RPAの費用対効果は、「導入によって人件費や人間の業務量をどのくらい改善できそうなのか」に注目し、それぞれ算出していくのが一般的です。

例えば、人件費はRPAを導入する作業に対して現状かかっている作業時間×人件費を計算し、年間人件費とRPA導入費用を比較します。また、作業時間はRPAを導入する作業に対して現状かかっている作業時間や件数を計算し、RPA導入後の作業時間と比較します。

RPAは短期の導入ではなく長期の導入を検討される企業が多いため、長期的に費用対効果があっていくのかを加味していくのもポイントです。

RPAを比較する際のポイント

RPAツールを比較する際には、下記の点をしっかり確認しましょう。

  • RPAツールの対応範囲
  • 自社がRPA化したい業務範囲や規模感
  • RPAツールのメンテナンスのしやすさ
  • RPAツール企業のサポート範囲
  • RPAツールのプラン・契約条件

また、実際にツールを比較検討する際には、下記の軸をチェックしておくと失敗せずに導入することができます。

  • 各RPAツールの種類・提供形態の違い
  • 自社のセキュリティ要求度とマッチしているか
  • RPAツール導入企業が管理できるロボット台数
  • 価格形態・契約形態

主なRPAツール

次に、日本の企業で導入が進んでいるRPAツール紹介します。それぞれ特徴が違いますので、比較検討する際の参考にしてみてください。

WinActor

WinActorは、NTTグループが開発した日本国内でシェアNo.1の提供実績を誇るRPAソリューションです。

完全日本語対応で、デスクトップ対応だけでなく「管理ロボ」というソフトをインストールすればサーバーによる管理も可能、更にプログラミングをしなくても自動化可能なので、幅広い企業が導入しやすい仕様になっています。

また基本的にすべてのWindowsで導入でき、Office製品はもちろん基幹システムや電子決済システムなど、あらゆるシステムに対応しています。

機能・特徴について詳細はこちらでも確認いただけます。

▼関連記事
こちらの記事でWinactorについて詳しく解説しています。
純国産RPAソリューションWinActorとは?8つの特徴と価格について解説

BizRobo!

BizRobo!は、アメリカのKofax社が開発した「Kofax Kapow」の日本語版OEM製品で、日本ではRPA Technologiesが展開しています。

1ライセンスで無数のロボットを稼働することができ、更に1ヶ月ロボットが作り放題のプランも用意されているため、大規模な導入に向いているRPAソリューションです。また、ロボットにインプットするための操作がドラッグアンドドロップで簡単に実施できるためRPA初心者でも導入可能です。

機能・特徴について詳細はこちらでも確認いただけます。

Blue Prism

Blue Prismは、イギリスのBlue Prism社が開発したRPAソリューションです。

Blue Prism社はRPAの老舗企業で、高いセキュリティ能力を誇っているため金融機関でも導入が進んでいることが特徴です。また、サーバーでロボットを管理することが可能なので大規模なプロジェクトにも対応しており、更にプログラミングをせずにロボットで作業を自動化することができます。

機能・特徴について詳細はこちらでも確認いただけます。

UiPath

UiPathは、アメリカのUiPath社が開発・2017年には日本法人も設立した、完全日本語対応のRPAソリューションです。

サーバーをつなげた使用だけでなく、PCにインストールすることでデスクトップで自動化することも可能です。また、非営利団体や教育機関・売上が10,000ドル以下の小規模企業の場合、教育・評価を目的とした導入の場合は無償版を提供していることが特徴です。

機能・特徴について詳細はこちらでも確認いただけます。

NICE

NICEは、イスラエルのNICE社が開発したRPAソリューションです。

NICE社は元々コールセンターに通信記録業務などのソリューションを提供している会社だったため、コールセンターで発生する業務などのカスタマーサービス業務の自動化に適したツールとなっています。

機能・特徴について詳細はこちらでも確認いただけます。

Automation Workspace

AutomationWorkspaceは、アメリカのAutomation Anywhere社が日本IBMと協業開発したRPAソリューションで、アメリカでのシェア率No.1を誇ります。

世界90ヶ国以上で導入が進んでいるグローバルなツールで、自然言語処理技術の搭載や機械学習機能があり、定型業務のみにとどまらない柔軟な操作が可能です。

機能・特徴について詳細はこちらでも確認いただけます。

Pega Robotic Automation

Pega Robotic Automationは、アメリカのPegasystems社が自社のBPMやCRMを補完する目的で開発したRPAソリューションです。

業界トップクラスのBPM機能を搭載していることや、業務の自動化とプロセス管理が同時に実行できることが特徴です。

機能・特徴について詳細はこちらでも確認いただけます。

ipaSロボ

ipaSロボは、株式会社デリバリーコンサルティングが開発する日本の大手BPOなども導入している国産のRPAソリューションです。

簡単な操作でPCおこなうほぼすべての作業を自動化することができます。また、プログラミングの技術がなくても条件分岐を設定することができるため、IT部署以外が対応する場合でも導入ハードルが低いソリューションです。

機能・特徴について詳細はこちらでも確認いただけます。

RoboTANGO

RoboTANGO(ロボタンゴ)は、スターティアレイズ株式会社が提供するオンプレミス型のRPAツールです。

フローティングライセンスが標準搭載されており、1ライセンスで5台のパソコンまでインストールして利用できるのが特徴です。また、録画機能やサポート体制が導入頂いたお客様に評価されており、現場主導でRPA導入を進めるのに適しています。

機能・特徴について詳細はこちらでも確認いただけます。

▼関連記事
RPA導入支援を利用した企業さまについて、別記事「RPAの活用事例10選│実際に効果を上げた業務について具体的な事例をご紹介」でご紹介していますので、そちらもぜひ参考にしてください。

まとめ

さまざまな企業がRPAソリューションを提供しているため、自社の課題を整理した上で必要なRPAソリューションの規模感やサポート範囲などを比較することが大切です。

失敗せずにRPAを導入できるよう、しっかりと検討した上で準備を進めましょう。

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Writer編集者情報

  • コネナビ編集部 吉田 章孝

    2011年、株式会社セントメディア(現:株式会社ウィルオブ・ワーク)に入社。
    3年目に支店長として支店の新規立ち上げを経験。その後は札幌支店長として着任し、2年間で売上倍増に貢献する。
    その後、首都圏管轄マネージャに着任し、営業推進部へ異動。営業推進部では、金融系プロジェクトチームの立ち上げや、部内重点顧客の本部営業などを担当。
    2020年4月より、営業推進部 部長として、本部営業や社員教育、求人広告や転職支援チームなどを担当。現在は本部営業をメインに担当。

    ・趣味:散歩、語学
    ・特技:料理

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