オペレーターの定着を現場でサポート!フィールドサポーターの導入目的やメリットを解説
2025/05/20
- 品質向上
- 定着率向上
- 離職率改善

コールセンターの運営にあたり、様々な課題の根幹ともいえるオペレーターの定着率。
改善を試みるには、センター全体の運用方法から見直す必要があり、すぐに取り組むことはなかなかできないとお困りの現場担当者も多いのではないでしょうか。
今回は、これまでのセンター運営フローに組み込む形で、オペレーターの定着率だけではなくセンター全体の課題解決のサポートができるウィルオブ・ワークの”フィールドサポーター”サービスをご紹介いたします。
今後のコンタクトセンター運営に、本記事を是非お役立てください。
コールセンター運営の重要課題“オペレーターの定着率”
コールセンター運営の課題として、生産性向上や顧客満足度の維持・向上、採用費等の運営コスト削減がたびたび挙げられます。これらの課題の発生要因を紐解いてみると、オペレーターの定着率向上という課題にたどり着きます。そのため、コールセンター運営の土台はオペレーターの安定稼働であるといえるでしょう。
では、オペレーターの定着率を上げ、コールセンターの土台を安定させるためには、どのような施策に取り組むべきでしょうか。 オペレーターが現場で抱える課題は多岐にわたりますが、特に離職に繋がりやすい懸念点と、改善施策を改めて確認してみましょう。
オペレーターの主な離職理由
オペレーターの離職につながりやすい理由は以下の通りです。

クレーム対応やカスタマーハラスメントによる心労
オペレーターは、顧客との直接的な対話を通じて多くのクレームを受けることがあり、カスタマーハラスメントにも直面します。これらの状況は精神的に大きな負担となり、長期的に続けることが難しくなります。
特に、カスタマーハラスメントは感情的に消耗するため、オペレーターのメンタルケアが非常に重要です。負担軽減のために、適切なサポート体制やストレス管理策を講じることが必要です。
SV(スーパーバイザー)による方針の不統一
SVの指示や対応が一貫していない場合、オペレーターは混乱し、業務に対する不安や疑問を抱えることが多くなります。SVの指導方針の統一は、オペレーターが安定して業務を遂行できる環境を作り出すために欠かせません。
適切な指導とサポート体制が整備されることで、オペレーターは自信を持って業務に取り組むことができ、離職率の低下につながります。
不十分な研修体制
オペレーターが業務に必要な知識や対応スキルを十分に身につけられない場合、仕事に対する自信を持てず、ストレスを感じることが多くなります。このような状況では、研修体制の見直しが必要です。
オペレーターには定期的なスキルアップ研修や知識確認のためのフォローアップが求められ、これにより業務効率化や品質向上を実現できます。研修が充実することで、オペレーターはより自信を持って対応でき、従業員満足度(ES)が向上するでしょう。
過剰なノルマや目標設定
過剰なノルマや不合理な目標設定は、オペレーターにプレッシャーをかけ、精神的な負担が増します。これが続くと、モチベーションが低下し、離職に繋がることがあります。オペレーターに対しては、現実的な目標設定を行い、達成感を感じられる環境を提供することが重要です。
達成可能な目標を設定し、適切にフィードバックを行うことで、品質向上と定着率向上を実現できます。
人間関係の構築が難しい就業環境
オペレーターはチームで協力しながら業務を行いますが、職場内での人間関係が悪化すると、孤立感やストレスが増し、仕事に対する意欲が低下します。コミュニケーションの活性化やチームビルディングが欠かせません。チーム内での連携やサポート体制を強化し、オペレーター同士が互いに支え合える環境を作ることで、ストレスが軽減され、従業員満足度(ES)と定着率の向上が期待できます。
▼オペレーターの定着率向上や従業員満足度(ES)に関する記事はこちら
「オペレーターの定着率向上施策を解説│コールセンターの課題とは?」
「コールセンターにおける従業員満足度(ES)向上のメリット・施策を解説」
オペレーターの離職防止に向けた解決策:フィールドサポーターの導入
前述のとおり、オペレーターの心労回復やセンター内の連携強化のためには、従業員同士がより綿密にコミュニケーションをとることが必要です。
しかし、非正規雇用の割合が高いコールセンターでは、SVや管理者を含む従業員同士が人間関係を構築しにくい環境にあり、多くのオペレーターが「悩みを相談しにくい」という不安を抱えています。
このような不安を解消するため、こまめな面談や研修のために時間と人員を捻出する必要性は認識しているものの、現実的には難しいというコールセンターも多いでしょう。
そこで、根本的なセンター運用フローを極力変えずに現場の課題解決をサポートする方法の一つとして、ウィルオブ・ワークのサービスであるフィールドサポーターについてご紹介します。
フィールドサポーターとは?概要と導入の目的
フィールドサポーターは、ウィルオブ・ワークの直接雇用社員が現場に常駐し、業務全般をサポートするサービスです。通常業務に加えて、派遣スタッフのフォローや現場課題の改善にも取り組みます。フィールドサポーターはスタッフと同様の業務を担当し、隙間時間や業務終了後にスタッフの悩みや課題をサポートします。

対スタッフ導入目的
オペレーターの応対スキル向上
コールセンター運営を行う上で、オペレーターに高度な応対スキルが求められる中、コールセンターにはさまざまな経験レベルのスタッフが混在しています。同じ期間、同じ初期研修を受けても、全員が同じ応対スキルを持ってオペレーターデビューすることは困難です。
そこで、経験の浅いオペレーターのスキルの底上げや、同派遣元のスタッフを集めた集合研修などで、知識面の統一化をはかります。
働くうえでの不安点や懸念点の早期キャッチアップ
コールセンターで勤務するオペレーターは、業務をおこなう上で日々さまざまな問題に直面し、悩みを抱えています。例えば、「今の業務内容が自分に合っていないかもしれない」「センター内の人間関係で悩んでいる」などの悩みは、現場担当者には相談しづらく、かつ派遣元営業担当では真因を深掘りしきれない可能性があります。
フィールドサポーターは、オペレーターと同じ業務を担当し、現場で共に働くため、ちょっとした態度や表情の変化にもすぐに気づくことができます。そのため、オペレーターの悩みを早期にキャッチアップし、現場で迅速にフォローすることができるのです。
対センター全体導入目的
課題の明確化、改善施策の提案
フィールドサポーターを導入することで、従業員の視点を取り入れた実践的な課題解決施策の提案が可能になります。 現場での業務を通してセンター全体のリアルな課題を発掘し、派遣元営業担当と連携しながら改善施策を提案・実行する役割を担います。
センター全体のコミュニケーション円滑化
コールセンターの従業員は非正規雇用者の割合が高く、多様な働き方ができるというメリットがあります。しかし、心労がたまりやすい業務であることと非正規雇用者の責任の程度から、離職率が高いという問題も抱えています。
フィールドサポーターは、オペレーターと現場担当者の双方の課題を把握し、円滑なコミュニケーションをサポートする橋渡し役となることで、オペレーターの早期離職を防ぎます。
オペレーターの定着率向上
これまでに述べた導入目的が達成されると、応対品質の安定や業務効率化が見込めます。
加えて、顧客満足度および従業員満足度も向上し、結果としてオペレーターの定着率を高めることができるでしょう。

フィールドサポーターの業務内容
それでは、フィールドサポーターが具体的にどのような業務を現場でおこなっているのかを見ていきましょう。
フィールドサポーターの業務内容を、現場の課題解決という目的に基づき、対象別に説明します。

対スタッフ
スキルフォロー
コールセンターの現場で実業務に携わらない派遣元営業担当者は、業務上の知識・技術フォローができない場合が多いですが、フィールドサポーターはその部分を的確にフォローします。
現場内でのエスカレーション対応をはじめ、長く働いているスタッフからの「いまさら聞けない…」という悩みごとに対しても、レクチャーが可能なため、安心して勤務できる場を提供します。
メンタルケア
定期面談や日常のコミュニケーションを通じて、オペレーターのメンタルケアをおこないます。
顧客の声を直接受けるオペレーターは、精神的な疲労がたまりやすいものの、業務理解や機密情報保護の観点から相談できる相手が限られています。
そのため、コールセンターの現場内にフィールドサポーターという相談役が常駐することで、オペレーターの心理的安全性を保つことができます。
勤怠指導、労務管理、契約更新面談
通常、派遣スタッフの勤怠指導は派遣元の営業担当者が担当します。しかし、欠勤後に業務内容や職場環境が原因であることが発覚し、その結果、スタッフが出勤できなくなるケースも残念ながら少なくありません。
フィールドサポーターは派遣元営業担当と比べ、日常的にスタッフとの接点が多いため、欠勤になりうる原因を早い段階で察知し、職場環境起因の欠勤を防ぐことができます。
また、欠勤が発生したスタッフに対しては、派遣元と連携して欠勤理由の真因を確認し、勤怠改善のための指導をおこないます。 契約更新の確認についても、通常、派遣元営業担当者が行いますが、職場でオペレーターの勤務状況を直接見ているフィールドサポーターがスタッフの今後のキャリアビジョンを一緒に考え、スタッフと派遣先企業の双方にとって、よりよい方向性を定めます。
対センター内
オペレーターやSVとしての通常業務
フィールドサポーターは、自社派遣スタッフのフォローに加えて、派遣先のコールセンターでオペレーターとして勤務し、KPIの達成を目指します。さらに、SV(スーパーバイザー)として従事する際には、応対品質の担保や数値管理も重要な役割の一つです。フィールドサポーターは、これらの業務をこなしつつ、自社派遣スタッフを適切にフォローできる即戦力として現場で活躍します。
現場の課題把握と解決策の提案
業務やオペレーターとのコミュニケーションを通して現場の課題を把握し、コールセンター現場勤務の視点での解決策を提案し、実施します。
現場で実業務をおこなう社員が課題を分析するため、実情に即した一貫性のある解決策を立案できることが強みです。
派遣先企業担当者とのスタッフの情報共有
フィールドサポーターは、定期面談を通じて得た、オペレーターの悩みや課題を派遣先企業の現場担当者へ適切に共有します。
また、派遣先企業の現場担当者からスタッフへの依頼事項を共有してもらい、スタッフフォローに活用します。 センター内の人間関係やスタッフの継続意向など、スタッフが現場に相談しづらい内容も、フィールドサポーターがまとめて共有し、その後の対応を現場担当者と相談しながら進めることが可能です。
対派遣元(ウィルオブ・ワーク)
スタッフの状況とセンターの課題を営業担当へ報告・定例会の実施
スタッフが職場で抱えている課題や不安、またセンターで実際に感じる課題感を営業担当へ報告します。これにより、フィールドサポーターだけでは解決が難しい問題については、派遣元の営業担当者が介入して、適切に対応することができます。
また、派遣元の営業担当者と派遣先担当者を交えたミーティング(定例会)を実施します。基本的に議題に沿って話を進めますが、自社派遣スタッフに関する報告や相談事項、センター運営に関する議題など、柔軟に対応します。
上記はあくまでも一例で、稼働現場によって臨機応変な対応が可能です。派遣先の現場担当者と定期的にミーティングをおこないながら、センターにとって適切な稼働方針を設定し、効果的に運営をサポートします。
フィールドサポーター導入によるメリット
フィールドサポーターを導入することで、現場担当者、稼働スタッフ、派遣元それぞれに大きなメリットがあります。以下の2点が特に重要なメリットとして挙げられます。
コールセンター運営課題を解決
フィールドサポーターは、現場内での定期面談や積極的なコミュニケーションを通じて、現場の課題を早期にキャッチアップします。
通常、派遣スタッフの就業状況をフォローするには、現場担当者、派遣元営業担当、スタッフの三者間で調整が必要ですが、フィールドサポーターを導入すると、現場内で迅速に情報共有が可能になります。これにより、業務起因の懸念点のフォローアップや現場担当者への共有が迅速かつ手厚いサポートとなり、スタッフの出勤率向上につながります。
採用課題を解決
オペレーターの定着率向上により、新規人材の採用頻度が減少し、それに伴い初期研修費用や時間、人員の削減が可能になります。
さらに、新たな人材を採用する際、フィールドサポーターは現場での業務経験を活かし、営業担当者に細かい採用基準を提供します。場合によっては、フィールドサポーターが事前面談を行い、現場視点での人材採用を実施することで、入社後のミスマッチを防ぐことができます。
このように、スタッフ、現場担当者、派遣元の三者間での工数削減と円滑なコミュニケーションが実現され、オペレーターの早期離職防止・定着率向上、さらに採用課題の解決にも繋がります。

また、ウィルオブ・ワークでは、SVと複数名のオペレーターがチームになって勤務するユニット派遣サービスも提供しています。
▼ウィルオブ・ワークでのユニット派遣導入事例は下記からご覧ください。
「【事例】ユニット派遣で採用と定着率が改善│ウィルオブの導入サービスをご紹介」
まとめ
今回は、ウィルオブ・ワークのサービスのひとつであるフィールドサポーターをご紹介しました。
フィールドサポーターの導入により、時間や人員の削減とともに、業務効率化が実現できます。センター全体の顧客満足度や生産性向上に向けて、まずはオペレーターの安定稼働を支える施策に取り組むことが重要です。
ウィルオブ・ワークでは、人材派遣サービスをはじめ、人材紹介や業務委託など、企業の課題に合わせた多様なサービスを提供しています。
本記事を通じて、フィールドサポーターにご興味をお持ちいただけましたら、導入事例をご覧いただくことで、実際にどのような業務が行われ、どのような効果が得られたのかをご確認いただけます。
コンタクトセンターの運営課題をお持ちのご担当者様へ
「コンタクトセンターの人材採用がなかなかうまくいかない」「定着率をあげたい」「生産性を高めたい」とお悩みのご担当者様、まずはお気軽にウィルオブ・ワークにご相談ください。コールセンター専門特化25年以上、実績多数のウィルオブ・ワークが、お客様の運営課題にカスタマイズのご提案をさせていただきます。ご相談・お見積りは無料!下記ボタンよりお気軽にご相談ください。
Writer編集者情報
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コネナビ編集部 田中 詩絵菜
2019年4月、株式会社ウィルオブ・ワークに新卒入社。
接客・販売に特化した事業部の専門職正社員として、携帯販売を約2年経験。
2021年8月に総合職正社員としてコールセンターとオフィスワークに特化した人材サービスの事業部へ配属。
コーディネーター業務を経て、現在はキャリアアドバイザーを担当。
・趣味:音楽鑑賞、ダンス
・特技:スタッフさんのお名前や、趣味・特技などを覚えること