コールセンター品質管理│4つの品質と適切なKPI・効果的な施策をご紹介

2025/03/13

コールセンターの運営において、「品質管理」 は欠かせない要素です。顧客満足度の向上はもちろん、オペレーターの負担軽減や業務効率の最適化にも直結するため、適切な管理が求められます。

しかし、次のような悩みを抱えている企業は多いのではないでしょうか?

  • オペレーターの応対スキルにばらつきがある
  • 離職率を改善したいが、効果的な施策が分からない
  • 顧客満足度を向上させたいが、リソースが足りず適切に管理できていない

本稿では、コールセンターの品質管理における重要なポイントと、改善するための具体的な施策について解説します。

「品質管理の基準がわからない」 
「品質向上のために何をすればいいかわからない」という方は、ぜひ最後までご覧ください。

コールセンターを立ち上げたばかりで品質管理の仕方が分からない・・・そんな時はウィルオブ・ワークにご相談ください。

「コールセンター品質管理を適切に行いたいが、忙しくて手が回らない」「応対品質向上のために適切な施策選定ができているか不安・・・」「オペレーターの応対品質にバラつきがあって改善しない」このようなお悩みをお持ちの方は、ウィルオブ・ワークにご相談ください。コンタクトセンター運営実績25年の弊社は、企業課題に合わせたカスタマイズのご提案が可能です。100%自社雇用オペレーターによる、高い応対品質を誇るBPOセンターの運営や、企業内インハウス運営が可能です。

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コールセンターにおける品質管理とは?

コールセンターにおける品質管理とは、顧客へのサービス提供の質を安定的に維持し、改善するための一連のプロセスと指標を指します。品質管理の目的は安定したセンター運営と、顧客満足度を向上させることです。その結果、企業のブランドイメージを向上させることに繋がります。

品質管理の目的と重要性

品質管理の主な目的は、顧客に対して一貫性のある高品質な体験を提供することです。これにより、顧客の信頼を得て、長期的な関係を築くことが可能になります。高い顧客満足度は、リピート率の向上新規顧客の獲得にも寄与します。また、品質管理が適切に行われているコールセンターは、クレームが減少し、効率的な運営が可能となります。

主要な品質管理の要素

品質管理には、主に4つの要素があります。

応対品質

応対品質とは、オペレーターが顧客と接する際のコミュニケーションスキルや、適切な情報提供の能力を指します。これは顧客満足度に直接影響するため、最も重要な要素の一つです。応対品質スキルを高めるためには、定期的なトレーニングやフィードバックが欠かせません。

処理品質

処理品質は、顧客からの問い合わせやクレームを効率的かつ正確に解決する能力を指します。処理品質は「応対品質」の中に含まれる要素の一つです。迅速かつ適切な解決は、顧客の信頼を得るために不可欠であるため、処理フローの見直しやシステムの最適化が必要となります。

運営品質

運営品質は、コールセンター全体の運営体制や職場環境を含みます。適切な人員配置や働きやすい環境の整備を行うことで、オペレーターの働きやすさを向上させます。結果として、従業員満足度の向上、応対品質の向上、顧客満足度の向上にも繋がります。

接続品質

接続品質は、顧客がスムーズにコールセンターに接続できる環境を整えることです。チャネルの多様化や、回線・システムの整備により、顧客の利便性を最大化することが求められます。

品質低下の原因とは?

コールセンターにおける品質の低下は、さまざまな要因によって引き起こされます。本章では、品質低下の原因として考えられる3つの要因について見ていきましょう。

オペレーターのスキル面

品質低下の大きな要因の一つに、オペレーターのスキル不足があります。特に新人オペレーターや経験の浅いオペレーターは、顧客に対する適切な対応ができないことがあり、顧客満足度に悪影響を及ぼす場合があります。スキル不足を放置したままにすると、センター全体の生産性が低下し、クレームの増加やブランドイメージの悪化を招く恐れがあります。

運営の問題(システム・マニュアル整備不足)

運営面では、使用するシステムの状態やマニュアルの整備状況が、直接的に品質に影響を与えます。オペレーションの非効率性やシステムトラブル、マニュアルの不備は、迅速かつ正確な対応を困難にし、結果として運営全体のサービス品質に悪影響を及ぼします。また、職場環境にストレスが多く、運営体制が整っていない場合、結果としてオペレーターの欠勤率や離職率が増加します。離職率の高いコールセンターは、運営が安定しないため、品質の低下を招く原因となるのです。

市場や顧客ニーズの変化

市場の動向や顧客のニーズ・期待値が変化する中で、企業はこれらの変化に迅速に対応する必要があります。デジタル化の進展や新たな技術の登場により、顧客はより高いレベルのサービスを求めようとします。しかし、企業が対応できない場合、顧客の期待と実際のサービスとの間にギャップが生じ、品質低下の一因となり得ます。

コールセンターの品質向上施策をご紹介

本章では、コールセンターの品質を高める施策についてご紹介します。自社課題と照らし合わせて、適切な施策選定にお役立てください。

オペレーターの育成

オペレーターの育成は、応対品質向上のために欠かせません。研修の実施や、モニタリングによる指導が効果的です。

まずオペレーターの現在のスキルを評価し、オペレーターに足りていない必要なスキルを特定しましょう。その上で、オペレーター個々に応じた研修を設計しましょう。また、リアルタイムでのモニタリングを通じフィードバックを実施することで、オペレーターの成長の促進につながります。

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ナレッジ共有

ナレッジ共有は、組織全体での情報の一貫性を保ち、顧客対応を円滑にするために有効な施策です。全員がアクセスできるデジタルプラットフォームに、製品情報や対応マニュアル、FAQを集約しましょう。これにより、オペレーターは必要な情報をいつでも確認でき、迅速な対応が可能になります。

また、日常の業務で得た知識や経験をコールセンター内で共有する文化を育むことも大切です。定期的に意見交換する場を設け、情報共有を推進することで、組織全体の知識レベルをあげ、さらには、スキルに不安があるオペレーターのメンタルフォローにも役立ちます。

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システム導入

最適なシステム導入は、顧客対応の効率化につながります。具体的には、IVR(自動音声応答システム)チャットボットボイスボットの活用を検討するとよいでしょう。顧客の自己解決を推進することで、顧客満足度の向上やオペレーターの負担軽減につながります。また、顧客向けおよびオペレーター向けのFAQを整備し、情報を迅速に提供することで、スムーズな問題解決を実現しましょう。

職場環境を整える

快適な職場環境の整備は、従業員満足度向上に直結します。まず、コミュニケーションが円滑な職場づくりを推進しましょう。SV(スーパーバイザー)やリーダー、同僚たちが意見交換しやすい風通しの良い職場を作ることで、コールセンター全体の雰囲気が良くなります。さらに、チームビルディング活動を実施して信頼関係を醸成することや、福利厚生の充実、表彰制度なども有効です。また、キャリアアップの道筋を明示し成長機会を提供することで、長期的なキャリア形成を支援することも大切です。

適切な人員配置・シフト管理

人員配置とシフト管理の適正化は、コールセンターの運営効率を向上させます。WFM(Workforce Management)を活用し、過去の通話データを分析することで、ピーク時とオフピーク時に応じた最適な人員配置が可能になります。また、オペレーターの生活スタイルに配慮した柔軟なシフトを設定することで、従業員満足度向上に寄与します。センター状況と照らし合わせて、シフト調整ができるよう寄り添う姿勢で対応しましょう。

これらを実践することで、効率的で満足度の高い職場環境を実現しましょう

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コールセンターの品質向上のポイント

コールセンターにおける品質向上は、単なる一時的な改善ではなく、持続できるよう戦略的に行う必要があります。本章では、品質向上におけるポイントを3つ解説します。

選任担当者の配置と管理体制の構築

品質管理の責任を明確にするため、QA(Quality Administrator)担当者を配置しましょう。コールセンターの規模に応じて、専任QAがいる場合やSVが兼任する場合があります。

QAの役割:

  • KPI達成状況の監視と分析
  • オペレーター・他部署との連携調整
  • 改善計画の策定と推進

管理体制を整備することで、課題の早期発見と組織横断的な品質向上が可能になります

QA(Quality Administrator)とは、コールセンターにおいてオペレーターの応対品質を管理し、向上させる専門職です。オペレーターの通話内容をモニタリングし、話し方やコミュニケーションスクリプトの遵守状況を評価します。

また、似た言葉であるQA(Quality Assurance)は、企業全体の品質管理に関わる領域を指します。コールセンターを含む全ての部門を横断した戦略的な課題解決を推進し、品質問題の原因分析や根本的な改善策の提案を行います。

適切なKPIの設定とPDCAサイクル

適切なKPIの設定

品質向上のためには、SMART基準に沿ったKPI(Key Performance Indicators)を設定します。KPIは、オペレーターのパフォーマンスや、コールセンター全体のサービス品質を測定するための具体的な指標となります。

品質管理項目KPI設定の例

効果的なPDCAサイクル

4-2-1で説明したKPIを設定したら、PDCA(Plan-Do-Check-Act)サイクルで改善を推進していきます。以下、「モニタリングスコアの改善」を例に見てみましょう。

例にあげたオペレーターのモニタリングスコア改善施策では、オペレーターが主体的に取り組めるようSVがアドバイスすることが大切です。応対品質向上の方法や自身の改善点を自ら特定できるよう、SVが適切な指導やアドバイスを行います。

また、定量評価(スコア)だけでなく、定性的な面(共感表現や対応の柔軟性など)にもフィードバックを行い、オペレーターのモチベーション向上を図りましょう

データ活用による継続的な改善

顧客との接点で得られるデータを活用することにより、品質向上を図ります。

具体的な活用方法:

  • VOC分析:顧客の声を聞き、不満パターンを特定 → 製品やサービスの改善につなげる。オペレーターの応対改善に活かす等
  • 通話録音分析:感情分析ツールでオペレーターの応対品質を可視化
  • KPI連動:データに基づき改善策を立案(例:保留発生率低減のためFAQ充実)

データ活用により、適切な対策を講じることで、早期の問題解決とサービス品質向上につなげましょう。

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コールセンター品質管理のまとめ

本稿では、コールセンターにおける品質管理の重要性およびその向上施策について詳しく解説しました。品質管理は、顧客満足度の向上やリピート率の改善、さらにはコールセンター業界全体の品質向上と企業の成長に直結する重要な要素です。

まずは、コールセンターの品質管理に関わる基本的な要素を理解し、スキル不足や職場環境の問題など、品質低下の原因を特定することが求められます。その上で、オペレーターのスキル向上、職場環境の整備、そして接続品質を高めるための具体的な施策を講じましょう。

また、持続的に品質向上を実現するためには、専任の担当者を配置し、適切なKPIを設定してPDCAサイクルを回すことが不可欠です。

ただ闇雲に施策を実行するのではなく、まずは自社の品質低下の原因を明確に特定することが大切です。特定された問題に応じた最適な施策を講じることで、効率的でかつ高品質なコールセンターの運営が可能になるでしょう。

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